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○○○があるから生きていける

高校生の頃の私は、死んだように生きていた。今考えても、学生生活――特に義務教育期間および、いまや義務教育の延長状態といっても過言ではない高校時代――は、死んだ魚のような眼をして、時間が一日一日過ぎ去るのをただ待っている生活であった。自分の力でできることは何一つ無かった。お金も自由になる時間も地位も名誉も、思春期の女なら持っているだろう外見の美しさも自信も奢りも、何もなかった。自らの意志でつかみ取れる「未来」をまったく感じることができなかった私は、校舎と家庭という二つの牢獄の間を往復するだけの、ただの人形であった。心が死んでいたのだと思う。世界中のすべての価値観を疑いながら。おそらく当時の私は、今知っている医学用語で平たく言えば「抑うつ状態」だったんだろうな。思春期ってのは多かれ少なかれそんなもんだけど。

そんな私の唯一の生き甲斐は、「週間少年ジャンプ」で当時絶賛連載中の『スラムダンク』だった。月曜日になれば、スラムダンクの続きが読める。花道が、流川が、仙道が、三井が見られる。スラムダンクの続きが見たいから、少なくとも次の月曜日までは生きなくちゃ。生きよう。死んでいる場合じゃないよ!!冗談のようだが、本気でそう思っていた。魅力的なフィクションには、それだけの力がある。人が自殺することを思いとどまらせるだけの力が。抑鬱から人を救い、生きさせる力が。どんな抗精神病薬よりも抗不安薬よりもカウンセリングよりも、それは劇的に有効である。副作用も出さない。たぶん今の現役高校生諸君も、銀魂やリボーンやデュララやタイバニやまどマギや東方の新作があるから生きていけるんだろ。わかるよ。そうやって生きていけばいいんだよ!

私は年を取って、当時よりもずっと自由に人生を選択することができるようになった。それでもやはり、生活には(仕事にも)一定のストレスがつきまとう。ストレスのない人生など存在しない。生きていくことはそれぞれの段階で、それぞれに大変なのだ。3歳には3歳の苦労が、17歳には17歳の苦労が、35歳には35歳の苦労がある。そこに「大変さ」の大小はない。そして私は今日も――大人になった今日も、人生嫌になっちゃうことがあっても、仮面ライダーオーズの続きが見たいから日曜日までは生きていける。生きていよう、と思う。当時と何も変わってなどいない。

いや、むしろ大人になると、自由になるお金の桁が増えるせいで「散財」という名の恐ろしい副作用が生じることに、最近気が付いた。そこは大きく変わった。当時は(金銭的に)不可能だった故に、起こすことのなかった症状だ。ああ、きわめて重篤な副作用報告である。製薬会社に電話して即行で担当者呼び出すレベル。私は東映が恐ろしい。バンダイも恐ろしい。どこのおもちゃ屋さんに行っても、ガンバライドの前に子供から大人まで各種年齢層のXY遺伝子が大行列してるんだよ。バンダイ社屋に灰色のセルメダル(100円玉とも呼ぶ)が降り積もっていく音が聞こえてくるようだよ。私も締切が終わったら、中野に行って仮面ライダー大集合スイング6のアンク(腕)探すんだー!!!S.H.Figuartsのアンクスタンドセットも非っ常ーにそそるわぁ!ほしい!たまらん!その欲望、解放しろ!!(2011/07/19)

夏祭り

ハーイ!Tiger&BunnyはMXTVで火曜日に見る方のねじ子です!土曜深夜~火曜の間は至る所にネタバレが転がってるのでうかつにネットサーフィンできなくて困ってます!

さて今更ですが、冬のコミケはどうもありがとうございました。久しぶりに4コマ漫画をいっぱい書けて、苦しくも楽しい!作業でした。次回イベント参加は夏のコミックマーケットです。医療情報ジャンルだよ!3日目だよ!そして受かったよ!いやったあ!

8/14(日) 東地区 R31a

未曾有の自然災害と、人類が経験したことのない甚大な放射能災害がいまだ収まらないご時世ですから、いつ死んでもいいように悔いのないお買い物をしたいです!!えっへん!あ、私もサークル参加だ。てへ。手技の新刊が出せるといいな。

卵巣がんというSilent Killer

声優の川上とも子さんが亡くなった。もう長いこと、病気療養で休業しているのは知っていた。何となく、がんだろうとは思っていた。でも、こんなに早いとは思わなかった。そして41歳という若さであったことも、訃報で初めて知った。夢を売る商売だからか、多くの声優さんは生年を公表していない。死んで初めて年齢がわかるというのも、皮肉なものだ。

私はオタクだが、漫画大好き人間で、アニメや声優のチェックは甘い。私がDVD BOXで購入したアニメは、ハイジとエヴァとウテナとヒカルの碁。この4本だけだ。川上とも子さんは、天上ウテナで、進藤ヒカルだった。どちらのキャラも、人生を踏み外すくらい好きだった。そして案の定、見事に人生を踏み外した。それはさておき、彼女はいつも私にとって、男女問わず「主人公の声」そのものだった。ぶっちゃけ、この世で一番好きな声優さんだ。今でもはっきりとウテナの声とヒカルの声が私の頭の中で響いている。自殺しようとしたアンシーに向かってウテナが言った「逃げるのか!十年後に、笑って、一緒にお茶を飲むんじゃなかったのか!?」という台詞。「いつも、あれに入れて、冷蔵庫にあれ、しとくんだけど…..今日は….」という意味深な譫言。ヒカルが夜の棋院で一人泣きながら「オレなんかいらねえ!もう打ちてぇっていわねえよ!だから神様!はじめに戻して!」と叫んだ声。すべてが脳内で完璧に再生される。されるのに。実は訃報を聞いてから私はずっと泣いてる。今日はもうどうせ眠れないので、個人的に私が思う川上さんベスト演技の少女革命ウテナ第33話「夜を走る王子」とヒカルの碁第63話「もう打たない」をリピート再生しながら、川上さんの死因である「卵巣がん」について書こうと思う。

卵巣がんは「サイレントキラー」と呼ばれる。がんが拡大・転移するまで、なかなかその存在に気が付くことができないからだ。症状が出て病院に来た時には、もう「手遅れ」であることが多い。症状がなかなか外に出ない、サイレントな癌なのだ。

卵巣は、腹腔の中にある。簡単に言うと、お腹の中で、小腸や大腸がゴロゴロいって動いている「とても広いスペース」の中に、卵巣はただよっている。腹腔は広いので、1リットルや2リットルの腹水が貯まっても、ビクともしない。そのくらい広い。よって、卵巣がガンのせいで多少大きくなったとしても、なかなか周囲も圧迫されず、「お腹が張る」などの症状が出ない。場所も、腹腔のかなり奥の方にあるので、しこりが外から触れることもない(しこりが触れるくらいまで大きくなっていたら、それはもうかなり進行している)。また、卵巣は構造上、子宮や膣とは直接繋がっていないので、外へ見える出血を出すこともない。子宮体がんや子宮頸がんは「性器からの不正出血」で早めに気付くことができるのだが、卵巣がんの出血は腹腔内に貯まるだけだ。外に出ない、よって気が付かない。そして、これが最も重要だが、卵巣がんの定期健診は「一般には」行われていない。子宮頸がんや乳がんに比べて発生率が非常に少ない、つまり「めったにない」病気のため、全員参加型の健診は行われていないのだ。卵巣ガンを早期発見するには、かなり精密な人間ドッグに自主的にかかるか、産婦人科でエコー検査をするか、腹部のCTを撮るか。それくらいしか手がない。普通に生きている健康な女性(特に川上さんのような若い人)に、その機会はなかなかないだろう。他の検査で産婦人科に行った時に、たまたま見つかるというパターンくらいしか、早期発見の手が思いつかない。

卵巣がんはめったにない病気だが、いったん発生してしまうと、静かに進行し、本人が気がつかない間にどんどん大きくなる。そして腹部膨満感やしこりや腹痛などの症状が出たときにはもう、手術では取りきれない状態になってしまっていることが多い。それがサイレントキラーと呼ばれる所以だ。気を付けてどうにかなるものではない。運が悪かった、としか言いようがない。ロシアンルーレットに当たったようなものだ。おそらく川上さんは、がんが発見されてから3年間、手術と抗がん剤などの闘病生活をたえず続けてきたのだろう。ああ、お疲れさまでした…。本当に悲しい。ご冥福を心よりお祈り致します。

…私は当時、本気で、「潔くカッコよく生きていこう」と思っていた。思っていたんだよ。笑ってくれよ。あのアニメは迷える女子の指針だったんだよ。いつしか、その憧れは自分の中で消化吸収され、裏打ちされて、今ではすでに自分自身の信条になってしまっているよ。(2011/6/10 29時)

SOFT BALLETの表記がソフトバレットでもソフトバレーでもなくソフトバレエなのは何かこだわりでもあるのでしょうか

※お爺さまお婆さま方がリハビリ施設でよく行っている「柔らかい球を用いたバレーボールもどき」のことではありません。解散したテクノユニットのことです。

ねじ子には2年に1回くらいテクノ周期がやってくる。「テクノ好きまじ好き超好き超やべえフロアで死ぬまで阿呆みたいに踊りてええええええええええええええええええ」と叫ぶ周期が。実際はニヤニヤしながらパソコンにむかってマウスをクリックし、ニヤニヤしながら作業用BGMにして黙々と絵を描くだけなんだけど。(そうです、ねじ子は引きこもり気質です。)前々回周期はくるりとダフトパンク、前回周期は中田ヤスタカとロイクソップばかり聴いていた。今回周期はソフトバレエばかり聴いている。ソフバすげえええ今でも斬新で新しい!ドン引きするくらい新しい!解散後10年経っても「まだ時代がソフバに追いついていないわ…。いや、人類がソフバに追いついていない…っ!!」って思うくらい新しい!ライブでモリケンさんと一緒に踊りたい踊りたいよおおおおおおおおおおおおおおおお!!タイムスリップしたい!!助けてドラえもん!!ブランキージェットシティとソフトバレエがまだ存在している頃の日本に、今の大人財布を抱えて(これ重要)飛んで行きたい行きたい行きたいよよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!

魂の叫びはさておき、再々結成を是非お待ちしております。あの三人三様なライブパフォーマンスを見るにつけ★もう絶対無理★でしょうですけど、気長に待っています。エヴァの完結やガラスの仮面の新刊やスラムダンク第二部や頭文字Dの新展開や富樫先生の連載やバスタードの終了と同じぐらいの、広い心持ちで待ってます。(2011/6/10)

2010年俺コンランキング・音楽編

※俺コンランキングとは2010年に見たり聞いたりしたものの中から勝手に自分内でランキングを付けたもの。独断と偏見に満ちている。しかも必ずしも 2010年に発表されたものではなかったりもする。

第一位:Buono!「Independent Girl~独立女子であるために」

私はつんく♂の作るアイドルソングが大好きだ。あの珍妙な歌詞が、独特のメロディとリズムに上手に乗った時の高揚感が忘れられないのだ。それは作詞も作曲も両方こなせるつんく♂ならでは、なんだ。秋本康の作詞するアイドルソングも決して嫌いではないけど、作詞だけでは、この快感は得られないんだ。私は、ハロプロ独特の馬鹿馬鹿しいまでに脳天気で明るい歌詞が、リズムとメロディとともに軽やかに舌に乗って、思春期女子の勢いと共に駆け出す、その瞬間が大好きなんだ。と、いうわけで今年はBerryz工房とスマイレージが旬を迎えた一年だった。Berryz工房は6年目にして、今まさに円熟期を迎えている。イナズマイレブンとその主題歌は(少なくともオタク界隈と海外では)人気だし、今が一番美味しい時期だと思う。辛いと思うが頑張って欲しい。youtube上のファンというかニコニコ支持者というか、「現在のテレビに期待していない層」からの多くの支持は、現時点ではあまり意味のないものに見えるかもしれないが、10年後には必ず実りが出てくる。世界中のライブイベントで引っ張りだこの影山ヒロノブや水木一郎のように。そういう意味では、モーニング娘。9期オーディションで「踊ってみた」で人気の女子を一本釣りして来るくらいの気概を、ハロプロはぜひ見せて欲しかった。まあ、ないだろうけど。既存メディアがAKB48一色な今こそ、地盤を作るいいチャンスだと思うのだが、それは私がオタクだからだろうか。

世の中的に今年はAKB48大ブレイクの年だそうだ。しかし、Perfumeが流行してもAKB48が流行しても、それらは私にとってハロプロの「代わり」にはならない。まったくの別物だ。私のオタク人生において「最も無くなったら困るコンテンツ」はひょっとしたらハロプロなのかもしれない。オタク女らしく少年ジャンプ大好きだけど、ジャンプが無くなっても、たぶん他のもの――ゲームとかアニメとか他の漫画雑誌とか――で代替できる。そのゲームだってアニメだって、なくても大丈夫だ。歴史上の人物だって、ロビンソンとフライデーだって、東海道新幹線と山陽新幹線にだって、人は萌えることができるのだから。でも、もしハロプロがこの世から消えたら、私は同質なものを見つけられず、喪失感にうちひしがれて前後不覚になるだろう。つんく♂長生きしてくれ。

ねじ子内2010年ハロプロランキングは、1位 Independent Girl~独立女子であるために(Buono!)、2位 ○○がんばらなくてもええねんで!(スマイレージ)←○○には岡村が入ると信じている、3位 ダンスでバコーン!(℃-ute)、4位 会いたいロンリークリスマス(℃-ute)、5位 友達は友達なんだ!(Berryz工房)、6位 シャイニングパワー(Berryz工房)でした。初センターになったスカイツリーこと熊井ちゃん(180cm超)がその長身を隠すこともなく、ど真ん中で、自信を持ってすっきりと立ち、キラキラと輝いていたのは本当に清々しかった。コンプレックスこそが、最大の魅力。それを自ら認め、周囲からも認めてもらえた瞬間に、女の子は最も可愛くなる。ハロプロの原点だ。それこそが、当時多くの女性がハロプロを支持した理由の一つだったと思う。

第二位:ももいろクローバー「行くぜっ!怪盗少女」

あ、舌の根も乾かないうちにハロプロじゃないです。てへ!「ねらいうっちぃ☆」がとても色っぽくて最も気になっていた青ちゃんが抜けると聞いて、大変残念に思っています。℃-uteの村上愛ちゃんが抜けたときと同質の喪失感です。めぐが抜けて、めぐメインの名曲「即抱きしめて」「白いTOKYO」がしばらく披露できなくなってしまったように、青が抜けることによってこの曲がまったくの別物になってしまうのを懸念しています。良い曲はいつまでもそのままの状態でライブでやり続けて欲しいと、ファンは願うものですから。ヒカルの碁決定的OP「Get Over」を当時のDreamメンバーで披露してくれることを、今でも願っているねじ子のように。アニソンのライブでやってくれたら世界中の碁マニアが喜ぶと思いますよ、Avexさん!今のDreamじゃなくて松室ちゃんのいる3人体勢のDreamですよ!まあ現状を鑑みるに厳しいでしょうけど!!

…そんな昔話はさておき、今現在の話をしましょう。あんまり売れていなかったプロ作曲家がニコニコ動画で自由に好き勝手やる(パロディもあり)→すげぇクオリティ高い→注目度が上がる→売れる!っていう図式は非常に新しく、極めて爽快です。まさかニコニコ投稿者のヒャダインの中の人が『タンタターン!』『はぴ☆はぴサンデー!』『行くぜっ!怪盗少女』の作者(前山田健一)とは思ってもいませんでした。「音楽業界」「動画業界」にとっての「ニコニコ動画」は、「マンガ業界」にとっての「コミケ」にあたる位置まで、のし上がって来たのだと思います。著作権を大目に見た上でのパロディ。故に、何でもありで面白い。出版コードや放送コードに縛られた商業作品より、下手すると面白い。誰でも手軽に(人生を捨てることなく)参加可能。よって、クオリティが低い作品が山ほどある中に、きら星のような名作が産まれる。参加にかかる費用も低コスト。コネのないアマチュアにとって、登竜門的な存在。そしてそこからプロデビューしても、まだまだ自由に帰ってこられる開かれた市場。漫画業界・小説業界・ゲーム業界にとって、それは「コミケ」です。音楽業界やアニメ業界や映像業界にとってのそれが、「ニコニコ動画」になっていくのでしょう。ワクワクしますね。コミケで大人気だった高河ゆんやCLAMPや尾崎南やよしながふみや羽海野チカが、商業誌デビューして、一世を風靡したときの高揚感に、どこか似ています。ニコニコを見ている思春期の少年少女達も、きっと「自分たちが世界の流行を作っている!」という心持ちになって、夢中になっちゃうことでしょう。

第三位:嵐 「Monster」

中二病全開のイントロ、アレンジ、唐突に恋愛に結びつく歌詞、大野君センターでパートが多く、抜群に安定した歌唱。総合的に見て最近の(売れている)嵐の曲では一番好きだ。しかし、まだねじ子内ランキングで『A・RA・SHI』と『SANRISE日本』を超える唄が出てこない。残念だ。大量の固定客が着き、どんな曲でもオリコン一位になる今こそ、『らいおんハート』『夜空のムコウ』『世界に一つだけの花』のような国民的ヒット曲を売り出し、人気を不動のものにしてくれよ。絶好のチャンスなんだろ。ファン以外も口ずさんでしまうような力を持った良い曲を、気合いを入れて、もぎ取ってくれよ。

第三位:ピラメキーノより「だるだるダーリン」

テレビ東京の小学生向け番組「ピラメキーノ」内の一曲。企画もさることながら、曲も神曲ばかりだ。「ピラメキッド」のOP曲も『なんてフワフワなんだJAPAN』も『ONARAはずかしくないよ』も『PUNCHしたっていいんだよ』も毎月アレンジが変わる『ピラメキ体操』も最高です。

第四位:「おふろスキーかぞえうた」
これまた良曲ばかりの子供番組「みいつけた!」より。『ぼくコッシー』とも迷いましたが、オタクらしく中毒度の高い曲にしました。

第五位:Hey! Say! JUMP 「Romeo&Juliet」
知念君、センターでハマってんなー。一時期、私は知念君を尊敬を込めて「知念プロ」と呼んでいた。元ネタはBerryz工房の「嗣永プロ」より。立ち振る舞い、徹底的なキャラの作り込み、腐女子狙いの発言の多さ、歌唱力、身長、ジャニーズの中で愛されるための典型ともいえる容姿や言動の可愛らしさ、どれもこれもプロの男性アイドル道をまっしぐらに狙って、突き進んでいる。大野君にあこがれてジャニーズに入ったと、ぶれずに言い続けているところも素晴らしい。猪突猛進と言えよう。女性ファンの期待以上に「アイドルらしい」態度に、むしろこちらが「あまり無理するなよ、少年!思春期ってのは、もっと迷っていいもんなんだよ!!」と、勝手に心配になるほどである。

次点:宇多田ヒカル「Goodbye Happiness」
「歌ってみた」風のPV初監督可愛かったです。「挑戦者のみもらえるご褒美」を勝手に差し上げたい。

オイルショックの記憶、なのか?

紀伊國屋書店本店にてフェア開催ちゅう

ねじ子のヒミツ手技 2nd lesson

新宿の紀伊國屋書店本店さんで、フェアをやって下さっています。うひょー!どうもありがとうございます!高校生の頃、ラノベコーナーで「炎の蜃気楼」立ち読みしてたらナンパされたのはいい思い出です!「もっとこっそり読め」と、当時の私に教えてあげたい!あのときの少年にも、「もっと女を選べ」と言ってあげたい!!開催は5月のゴールデンウィーク明けまで、医学書フロアエレベータ右手前のエンド台にて。ねじ子もサイン書きましたので、お暇な方は是非、お立ち寄り下さい。

パニックになっている人ほど、他人に「パニックにならないように」と言う

最悪の事態を国民に説明してもパニックなんて起きないよ。日本人は優秀で達観してるから、みんな運命を受け入れる。むしろ今絶賛パニック中なのは、世界規模のミスを犯した東電、それを支えていた官僚(原子力安全保安院)、政府の皆さんだよなぁ。致命的な医療ミスを犯して、パニックに陥っている医者を見てるような気分だ。

医者なら、今の自分に判断能力が無いことを自覚し、素直に上級医に助けを求め、すべての情報を提供して判断を委ねるのがパニックの対処法だ。情報隠蔽は自ら(この場合、東電)の傷口を広げるだけ。そこのところわかっていない。(これまでやったミスを隠そうとしているのかもしれないが、結果として、それがさらなる今後の展開の悪さ、要するに後手後手を招いている。)東電と官僚(保安院)よりも「上級医」にあたる組織を作って、権限と情報をすべてそこに移す。それが政府のお仕事だと思う。たとえそれが米軍でも仏軍でもIAEAでも、私はかまわないぞ。

今回の福島原発事故は、チェルノブイリに並んで人類史上最悪の事故になることはもう決定している。政治家としては、むしろこういう場面で最高の仕事をすれば、後世に名を残すチャンスだと思うのだが、現状では、ただパニックに陥っているだけだ。東京電力上層部も政府も官僚も「こんな時期に責任者なんて俺は運が悪かった」くらいの勢いで、いまだに被害者ヅラをしているのだから、驚く。

どうやら日本人の作る巨大権力組織は得てして官僚型になり、官僚型組織において、「急場に強い」人はトップに行かないようだ。平時にヘタを打たない、慎重な調整型のタイプしか、上に行けないみたいだ。そういう人は、多数決を取っているヒマはない瞬時の判断が重要な場面(どちらをとっても賛否両論を招くが、責任を持ってどちらかに舵を切る必要がある場面)に、ひどく弱い。ただ、オロオロしているだけだ。医者で言うと、急変に弱いタイプ。それはそれで的確な場所にいれば良いのだが、救急外来には来ちゃダメだ。救急外来の医者は、手ぐすね引いて「目の覚めるような外傷」が来るのを待っている。急変が起こると、パニックどころか、むしろ「今こそ俺の出番だ!まさに俺はこのために仕事をしている!」と言わんばかりに、生き生きしている。不謹慎きわまりないが、そういう人にしか、救急の医者は勤まらないのである。そして、そういう人は、確かに、「白い巨塔」においてトップ――つまり大学教授――にはなりづらい。現場で、毎日必死に臨床を頑張っていたりする。

だとすれば、原子力発電のような、一回不具合が出ると損失が大きく、迅速なリスク管理と瞬時の判断が必要な技術を扱う能力は、「日本人のつくる組織」にはなかった、ということになる。地震大国で当然想定される危険にあらかじめ対応しておく能力も、起こってしまった事故に対処する能力も、明らかに「なかった」。政府にも官僚にも東京電力にも、なかった。残念だが、能力がないものは仕方ない。男性が子供を妊娠したいと願うようなもの、女性がウサイン・ボルト並みに走りたいと願うようなものである。日本人のつくる組織には原子力発電所を扱う「能力がない」、よって、これ以上の原発推進と高速増殖炉計画は無謀であり不可能である、という結論に、私は今至っている。(2011/04/19)

政府さんと東京電力さんは首を洗って待っていて下さいね♥

また会いましょう

 大前研一さんの動画を見るまで、私の頭の中での「最悪の予想」は、福島第一原子力発電所の炉が一つでもダメになったら、もう誰も近づけなくなって、6本のロウソクのように、燃料が無くなるまで6つの火が燃え続けるイメージでした。または、『博士の異常な愛情』のラストシーンのように、ボーン!ボーン!ボーン!と6連発で爆発が起こり(まぁ実際は3つ爆発しましたが)、近づけなくなった福島第二も同様に爆発し、東日本は死の土地になり、なぜか政府閣僚だけは核シェルターの中で生き残る、という。

 『博士の異常な愛情』のラストシーンは、世界中で水爆が爆発し、地上が滅亡する中、ミスマッチなほど甘い甘い曲(ヴェラ・リンの『We’ll meet again(また会いましょう)』)が流れます。歌詞は「また会いましょう。どことも知らず、いつともわからないけれど、いつかまた晴れた日に会いましょう。」核シェルターにもぐって放射線が減少するのを100年間待つ「選ばれた」人々が、残された地上の人々に贈る歌だと、解釈できます。ああ、なんていう痛烈な皮肉でしょう。 私の頭の中では、何日もその曲が流れ続けていました。

 もちろん、そのような状況になるわけないことは、よくわかっています。しかし、『博士の異常な愛情』を見た大学生当時の私は、核戦争による人類滅亡の恐怖を実感すること、そしてそれを強烈なブラックジョークでいっそ清々しく、達観したように笑い飛ばす感覚を、まったく理解できませんでした。今なら違った心持ちで、あの映画を楽しむことができそうです。2011/4/13