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2005年2・3月合併号 短期記憶よ花開け

いよいよ試験十日前。こんな時期にKokutaiを読んでいるなんてよっぽど余裕があるか、定期購読か、藁をもすがる気持ちの方くらいかと思いますが、と りあえず超直前ですよ皆さん!!直線一気の差し馬代表ねじ子といたしましては、全勢力をそそぎ込んでラストスパートする時期です。自分で自分にムチ入れて かっ飛ばしましょう。

超直前にはまず、

1.全範囲に頭をならさなくてはいけません。

国試は全範囲が出ます。直前に「間に合ってないから」とか「苦手だから」とかいう理由で一つの科目だけ集中してやってしまう方がよくいますネ。循環器だけひたすら解いてるとか。…確かに循環器は重要です。出題数も多いし禁忌も多いし。でもそれだけをやってると、けっこう他の科目忘れます。他 の科目の「勘」を鈍らせている状態で、試験を受けてはいけません。ショボい刀しか持っていないのなら、せめてピカピカに研いで戦場に赴きたいというもの。 全範囲って、じゃあ何をすればいいの?という貴方は3.を読みましょう。必修や禁忌の問題集も意外と全範囲をカバーしてるので、オススメです。また、同様 の理由で、

2.もうこの時期になったらQBをつぶすのは諦めましょう。

ねじ子は国試5日前に100%皮膚科を解き終わり、そこで過去問題集つぶしを諦めました。内緒だけどQB呼吸器全然終わってなかったけど諦めました。本当にすみません。5日前ではあまりにナンなので、一応、一週間くらい前にはやりたい科目のQBおよび100問は、終わらせておくのが好ましいと思います。そしてそして、

3.大・見直し大会をしよう!!

試験直前にパニックになって気が狂わないために、この時期はとにかく自分がやってきたことを信じるための勉強をしましょう。それは復習。そう復習。なんで先月、おもむろに問題をコピーして集めておけと言ったのでしょうか?カードにしておけと言ったのでしょうか?それは、直前にそれらのカードの大見直し大会をするためだったのです!!ストックにしていたカードも引っぱり出して、全てのカードを見直しましょう。「まとめノート」を作っていた人は、それの見直しでもかまいません。自分の解けなかった問題の、大!復習大会を、この時期にやりましょう。これをすると、全範囲に頭を慣らせる上に、自分の弱点を短期間で埋められるので、精神的な地盤が安定します。

これまでそういうまとめ作業らしきものを何もしていなかった、そんな貴方は「模試で間違った問題のうち60%正解率問題の見直し&ここ2年くらいの過去問の見直し」(詳しくは先月号参照)を今からでも遅くないので繰り返しましょう。同様の効果が得られるかと存じます。

4。そして公衆衛生をしよう!

公衆衛生は2週間前からでかまいません。あ、言っちゃった。なぜなら!海馬における短期記憶の保存期間は、2週間といわれているからです。公衆衛生は社会科と同じです。意味のない年号を丸暗記しても、受験が終わったら綺麗さっぱり忘れてしまうように、忘れちゃう科目です。丸暗記しましょう。そして国試が終わったら2週間できれいさっぱり忘れましょう。

国家試験の点数は75%で良いのです。テキトーな確率ですが、半分の問題が完全に解けて、半分の問題が二択に絞れればいいのです。あきらめたらそこで試合終了だよ…という安西先生の言霊を何度もリフレインしつつ、最後のストレスフルな日々を乗り切っていきましょう。

一年間かけてお届けした「ヘタレによるヘタレのための」国家試験攻略法、如何だったでしょうか。真面目なkokutai読者の中で、きれ~いに浮い ていた当企画ですが、一人くらい「ねじ子のお陰で受かったよ!ありがとう!!」というヘタレ仲間がいらっしゃったら、ねじ子これ以上の喜びはありません。 それでは皆さん行ってらっしゃい!最後まで足掻けば、きっと良いことがありますよ。

2005年1月号 いよいよ一ヶ月と二週間前(不真面目ヴァージョン)

さて特集にてまじめな皆さんの一ヶ月前の過ごし方の例をご紹介しました。

※ 同号にて巻頭特集「医師国家試験勝手に受験マニュアル」が掲載されていたため。そっちが読みたい方はここへ。

こちらはちっとも真面目じゃないし勉強してないしどうしようという皆さんのための一ヶ月と二週間前の猛ダッシュ&スタンバイ講座です。

不真面目な受験生たるもの、まだまだ内科QBおよびマイナー問題集の一周が終わっていないくらいの根性でいなければ駄目です。そうであって欲しいです。そんな奴いないって?いやいや、必ずいるはずなのです。俺がそうだったんだから間違いない。すでにQBなどとっくのとうに終わっているような優秀な人達はこれを読んではいけません。フツーに特集を読んで下さい。

この時期にまだQBが終わっていない人に、2周目などあるとは思えません。そんなものがあると思うな。でもでも、QBを解いているとき、「もう一度見たーい」と思える問題はあるでしょう。全然手も足も出なかったり、ポイントの詰め込まれた重要な問題だったり、ある程度の繰り返しや暗記が必要な問題だったり。そんな「もいちど」問題には付箋をつけておきましょう。そんな付箋問題を、たとえば翌日の朝やその日のちょっと勉強に飽きた時間に、ざっと見て、それでも重要だと思ったら、解説も含めてその問題をコピーしておきましょう。そしてカードを作りましょう。カード等にするのが面倒くさかったら、QBを首っ引きで解く気がまるでしない疲れた週末などに、 ハサミとのりを片手に、カード作りに精を出すと良いです。それすらも面倒なら、コピーした束をまとめておいておくだけでもかまいません。コンビニへ行くの が面倒ならばコピー機orコピー機能付きfaxを買いましょう。そんなに高くありません。浪人して予備校に行くことを考えれば全然安いです。ねじ子の作っ ていたカードの見本はこれ。

作ったカードは持ち歩き、隙があれば見ます。電車の中でチラっと!お風呂場でもチラっと!覚えきったカードは分野ごとに束にして 保管しておき、理解しきれていないカードを、また持ち歩いて、何度か見る。それを繰り返しましょう。カードにすると、適当なときに適当な分野のものを作れ ること、後で分野ごとにまとめられること、軽くて持ち運びが楽なこと、そして覚えていないものだけ選んで持ち歩けることが利点といえるでしょう。

そして最も重要なこと、それは特集でも言った「模試の問題」&「昨年の復元問題」についても同様にコピー&カード化することです!!「正解率60%縛り」で引っかかった問題については特に作るようにしましょう。

受験の能力は情報処理能力です。特に医師国試のように膨大な情報量の試験では。よく出題される範囲を見極め、その中で自分が弱い穴を 見つけ、いかに埋めてゆくかがポイントです。QBをがむしゃらに全部解くのも良いでしょう。しかしそれは広いキャンパスを薄く塗りつぶすようなものです。 ねじ子にはそういう方法は向きませんでした。あまりにキャンパスが広すぎて。私はまず、出そうな所だけを濃く塗りつぶすこと。そして塗り忘れをどんどん潰してゆくこと。試験にあまり出ない部分は思い切って塗らない=捨てることを心がけました。模試および昨年の問題は「出そうな所」のエッセンスが詰め込まれた珠玉の問題集なのです。そして作ったカード群が「塗り忘れ」です。何度もそれを見ることによって、塗り忘れた場所の色をどんどん濃くしていく。それがパンダ式の真髄です。こうやって、内科QBは93回縛りで飛ばし飛ばしカード化し、神経を捨てつつ、マイナーはウロ放射麻酔整形を捨てそれ以外は「今日中に100%眼科終わらす宣言略してKG宣言」とか言って1~2日に1冊のペースで終わらせてました。

我々は差し馬です。他の学生さん達がとっくにスタートゲートをくぐっていた時期に、まだパドックどころか美浦の牧場で草をはんでいた我々としては、そのくらいこなしましょう。今はまさに第4コーナーと言ったところでしょうか。これからが差し馬および直線一気の見せ所です。次号はいよいよ10日前「短期記憶よ花開け」の巻だ!

今月の一言

2004年12月号 1つの本に1つの問題集を!

医学というのはホントにいろんな分野がありますネ。覚えるべき事も大量にあって、その果てしなさに気が遠くなっちゃいますネ。その全てを網羅するのは、よほど大容量のハードディスクを兼ね備えている天才様でないと不可能です。暇とやる気が無限にあるなら、「標準」シリーズを全て買って熟読し、整形外科手術のネイルの止め方を全て覚えてみたりするのもいいでしょう。でもでも。凡人たる我々にそんな暇はありません。国試に受かるためにはとりあえず出題されてるポイントをしぼることが重要です。「標準」なんていりません。

国試においては、一つの科について「一冊の参考書」と「一冊の問題集」があれば十分です。あくまで誤解しないように言っておく と、参考書は読むためのものではなく、問題集を解いていてわからない所を調べるためのものです。それをどの本にするかは人それぞれ。使い慣れた、好きなも のを選ぶと良いでしょう。私は「いつまでもだらだらとクローン病が続いて、とにかく問題収録数が多い」問題集が大嫌いだったので、シンプルかつ問題数を絞った問題集を好んで選びました。とりあえず阿呆ねじ子の独断と偏見に満ちた使用書物は下図。

産婦人科、特に産科

基本的な分娩の病態生理を、チャートでもコンパスでもいいので押さえましょう。とりあえずlate decerelation→急速推娩と、胎児回旋さえ わかっていれば何とかなります。しかし産科の陣痛胎児心拍数問題には難問が多く、解けない問題は全く解けません。QBとアプローチとコンパスで全部答えが 違うという素敵な問題もあるくらいです。受けた人間から言わせていただくと、国家試験会場でも、非常に微妙な陣痛胎児心拍数で答えが割れてたんですわ。再現を担当した人間の気持ちによって再現画像が違い、よって答えも急速推娩から経過観察まで様々になってしまうのです。

小児科

これはお世辞でも何でもなく、100%小児科と100問小児科が最高にオススメ。これ以上、いりません。100問小児科は前後編で総勢☆問もあり「どこが百問じゃ!嘘つき!嘘つき!!」と泣きたくなりますが、良問が詰まっています。

マイナー

昔、マイナーは科の持ち回り制で出題されていました。「今年は皮膚科の年」「今年はウロ」など、出題科目が決まっていたのです。よって対策も立てやすかっ た。そのかわり、やたらマニアックな泌尿器疾患や誰も知らない皮膚腫瘍が出ていたのです。QBなどを紐解くと、昔の年代の意味の分からない問題が大量に 載っているのはそのためです。とりあえず眼科・耳鼻科・皮膚科は頑張ってやりましょう。画像一発問題が多く、わかれば3秒で答えられますが、わからないと 手も足も出なくて試験中に悲しい気持ちになります。実は出題数も多いこの3科を制するものがマイナーを制す!…と、スラムダンクの安西先生も言っていまし た。嘘です。他は捨てましょう。あ、言っちゃった。間違えました。余裕があったらやりましょうネ!図の…(未)というのは、案の定、ねじ子、問題集解いて ません。ええ、解いてませんとも。えっへん。(いばるな)

次回はいよいよ試験直前だ!

今月の一言

2004年11月号 いよいよQBが終わらない(内科編)

今年の国家試験は少し早まるとのことですね。直前ダッシュ型の不真面目な学生諸君にとっては、非常にやっかいな出来事です。1月の段階ではラングハンス巨細胞とランゲルハンス細胞の違いもよくわかってなかったねじ子のこと。そんな勝手な事をされては非常に困ります。ヘタレによるヘタレのための国試戦略を1ヶ月早めなければいけません。というわけで12月に書く予定であった「いよいよQB(アプローチ)が終わらない(内科編)」は、一ヶ月早まって今回の登場です。

「QB、何周終わった?」この時期の医学部6年生の口に頻繁に上る話題です。皆さん、QB終わりました?え、とっく?それどころか2周終わった?……貴方 は今回のパンダ新聞を読んではいけません。今回は「全然QBが終わりそうになくて毎日不安で泣いている」方のための、丸秘テクニックなのですから。

ねじ子は全く国家試験対策をしていませんでした。11月末、卒業試験が終わった日に大学の購買部で初めてQBを買う私の姿を見て、友人たちは愕然と していたものです。そう、ねじ子の国家試験対策は12月から始まったのです。QBの全体枚数を残りの日数で割ってみると。なんと1日でQBを80ページ解 かなくてはならないという。8時間勉強しても1時間で10ページ。1ページ6分。…無理です。「コツコツ解く」という正攻法を早々に諦めざるを得なかった 阿呆ねじ子。目の前に広がる真っ白な本の山を見ているとひどくブルーな気持ちになってきます。「あぁ、やらなきゃなぁ…」そう思いながら、溜息をつきつつ 横にあるスラムダンクに逃避する日々。あきらめたらそこで試合終了だよ……そんな幻聴が聞こえてきつつも、ついつい諦めたくなってしまいました。

そんなねじ子が短時間でQBを網羅するために編み出した秘策、それは「93回縛り」です!!つまり93回以降の問題しか解かない、というもの。

QBにはかなり古生代の問題も載っています。

勿論、古き中にも良問があります。時間と脳内記憶メモリに余裕のある方は全て解くのも良いでしょう。しかし、どちらもなかったねじ子は「過去3~4 年分くらい解けば十分だろ」と勝手に判定しました。問題が回収になった95回以降、「プール問題」というのが確かに存在し、ちょっと選択肢を変えただけの 同じ内容の問題が確かに頻発しています。昔はさておき、現在の医師国家試験は「同じ問題が出る」試験なのです。「良問は繰り返し出る」そして「ここ3年間 にも出ている可能性が高い」のです。もしそれだけで「物足りない!もっと間質性肺炎の問題が解きたい!!」とか思ったら、その周囲の問題もついでに解いて みればいいのです。それはあくまでおまけ。あら不思議!!QB1冊が1日で終わってしまいました。こりゃめでたい。余裕のある方は92回縛りや90回縛り に変更してみても構わないでしょう。

さらにそれですら時間がない、という貴方には次の奥の手を。

その2・ QBを一冊目からやろうとしてはいけません!!
…ではどこからやるべきでしょう。

模擬試験で「全然取れなかったなぁ」と思う分野からやりましょう。

ねじ子はQBを、内分泌→腎→血液→感染症→免ア膠→循環器→消化器→呼吸器という順番で潰していきました。つぶす、と言っても94回縛りで潰したんですけどネ!しかも神経内科は脳梗塞と脳出血とパーキンソンだけやって後は捨てちゃったのネ!

次回は「マイナー編」です。

今月の一言

2004年10月号 腐ってもガイドライン順

ガイドライン(医師国家試験出題基準・厚生労働省刊)がついに発売されました。製作会社が癒着したり瘢痕治癒したり潰瘍になったり、紆余曲折しつつよう やっと生まれた新ガイドライン。●●円です。お近くの医学系書物が売っている本屋さんでパラパラと立ち読みしてみましょう。はっきり言ってクラスで一冊共同購入で十分と貧乏人のねじ子は思いますが、そんなことを言うと厚労省から刺客が送られてきそうなので、黙っておきます。言ってるか。でもでもガイドラインって何?そんなもの必要なの?皆さんそう思いませんか?

正式名称:医師国家試験出題基準。その名の通り国試に「何が出るか」の指標です。この世には星の数ほどの病気があり、新しい病気が生まれては消えていま す。それら全てを勉強し暗記しろ!と言うほど厚生労働省も鬼ではありません。星の数程の病気のうち「これしか出さないよん」と決めているのがガイドライン なのです。そう、国試にはガイドラインに載っている病気しか出ません。逆にどんなにマイナーでもガイドラインに載っている以上、出る可能性があります。

そしてここが最も!重要なところですが、

実はこれまでの国家試験の問題は、ガイドラインの順番に出ていたのです!

これが、ガイドラインが神といわれている所以です。

例えば去年の問題を解いてみましょう。臨床問題なら必ず、産科→新生児→精神→皮膚→眼科→耳鼻→肺→消化器→循環→血液→神経・整形→腎ウロ→内分泌→免ア膠→感染→麻酔救急、という順番に必ずなっていることに気がつくはずです。

※今回のガイドラインでは産科→新生児→精神→皮膚→眼科→耳鼻→肺→循環→消化器→血液→腎ウロ婦人→神経・整形→内分泌→免ア膠→感染→麻酔救急 と若干変更になった模様

例えば、回盲部病変でクローン病と腸管ベーチェットで迷ったら。その問題の周囲を見渡してみましょう。ガイドラインにおいてクローン病は「消化器」の項に 含まれ、ベーチェットは「膠原病」に含まれています。よって、その問題が大腸癌の前にあればクローン病であり、SLEの次にあればベーチェットなのです。はっきり言って滅茶苦茶ですが、本当にそうだったのです。現実に当てはめると「うーん、512号室の患者さん何で熱出てるのかよくわかんないナ。511号室が慢性C肝で、553号室が胆嚢炎だから、肝臓か胆嚢の病気であることは間違いないんだけど」てな笑える状況になりますが、これは結構使えるテクニックであり、ねじ子などそれで国家試験を乗り切ったようなものです。

問題文を読みます。治療法を聞かれていたとしても、必ず頭の中でまず診断を考えるはずです。その「診断」を、頭の中で思い描くだけでなく、必ず問題文に書きましょう。ねじ子はこんな風に書いてました。そして診断ができない問題が出たとき、前後から推測していました。

国試にはいくつかの法則があります。それを理解することがダメ受験生が国試に一発逆転合格するコツです。そしてその最たるものが、この「腐ってもガイド ライン順」なのです。これが良い事だとは決して思いません。今回は、ガイドライン順じゃないかもしれません。でも、頭の片隅にこのことを入れておいて下さ い。ひょっとしたら、皆様のお役に立つかも、知れません。

今月の一言

2004年9月号 模擬試験編Part3 復習しろって言われてもねぇ

模擬試験においては復習が何よりも大事だといわれています。三度の飯よりも大事だといわれています。模試を受けることよりも、復習をすることの方が大事だと抜かす輩までいる始末です。まぁねじ子は決してそうは思いませんが、まぁ復習するとただでさえ美味しい模試が一粒で二度美味しくなるのは確かです。

だがしかし。量が多いですよねぇ、模擬試験。「あれだけの分量の問題を復習かぁ、したくねぇよ~」という皆さんの御意見も、ごもっともです。模試を受け た直後に「答え合わせ」をする人は多いでしょう。答えも気になるし。でもでも、ざっと見直すくらいが精一杯。一問一問吟味し、解説を読み、わからなかった ところはYearNoteで調べて…などやっていると、A問題だけでも3日かかっちまって百年経っても終わらないってばとい気が滅入ってくることでしょう。

そこで!ねじ子の秘策を伝授致しましょう。それは「模擬試験のおさらいの勉強会」を開くことです!!人数は何人でもかまいませ ん。勉強会に誘うお勧めメンバーは、昨年10月号kokutaiレジデント奮闘記を是非参考にしていただくとして。「勉強会」って何だかとっても魅力的な 響きがありますよネ!なんか青春ってカンジ!楽しそう!でもでも。ハテみんなで一体何を勉強したらいいのか、困っちゃいますよネ。QBの勉強会をしようと したら、僕の好きな○○ちゃんはアプローチ派だったから断られちゃったよ!たは!みたいな。でも模擬試験なら大丈夫。皆同じ問題を共有してます。みんなそ の問題を解いているのです。これは勉強会のネタとして最適です。

人数が6人の勉強会なら、6で割った余りが1の問題をA君、余り2をB君、余り3をC君、…(以下略)余り0をF君が担当することにします。担当 になった問題は、きちんと調べてくる。その問題に関しては、疑問点は勿論「おや?これ答えないよ!出題ミスじゃない?」などなど、不思議に思うことは全て 責任もって調べてくる。担当以外の問題に関しては質問役になっ、て何でも聞く。自分が知ってることは隠さずアドバイスする。

この方法のメリットは 1.一人でやるよりも6倍早くできる。そうでもしないとやっていられません。

2.できなくても良い問題が、わかる。模擬試験は、これまで出たこともないような、挑戦的な予想問題も出してきます。誰も解けない問題は、解ける必要ありません。8割の人ができる問題を落とさないのが、国試に受かる道です。勉強会の人間のうち、最高に頭のいいたった一人しか解けないような問題は、解けなくて良いのです。落ち込む必要はありません。

3.そして何より大切なこと!!それは「みんながどういう風に考えて解答を選んでいるか」を学ぶことです。みんなと同じように考える思考回路が国家試験においては何よりも重要です。特に賢い人の「ものの考え方」は是非パクりましょう。暗記する事をできるだけ少なくするための、病態生理的なものの考え方を、賢い人は知っています。

4.連帯感が生まれます。たとえそれがまやかしであっても。

というわけで復習できずに自分を責めている貴方、是非一度勉強会を催されてみてはいかがでしょうか。

今月の一言

2004年8月号 必修ってそんなに怖いの?

夏休みの模試、受けました?全然解けないっすよね!たはは!どうせなら自宅受験ではなく、試験会場で受けてみましょう。その方が実戦の雰囲気も出ますし、何より一人であんなモノをやっていると集中力が持ちません。さて、受けてみてどうでしょう?どれが臨床・各論だかわかりましたか?一般・総論だかわかりました?「ナニそれ」って感じでしょう?

国家試験には問題がA~Iまで9種類あります。まず問題文の長さから3つに分かれます。

<一般> 1行問題。ウルトラクイズ形式。            →1問1点
<臨床> 3行以上の問題文。「23歳女性…」とかから始まる。  →1問3点
<長文> めちゃくちゃ長い。1症例につき3問・10症例。俗に言う「C問題」→1問3点

「一般」の反義語は「臨床」ではありませんし、「臨床」の反義語は「基礎」であって、決して「一般」でも「長文」でもありません。これらが対になっている ことが国家試験分類を難しくしている全ての原因です。Kokutai編集部長であるはずのJ氏すらも「よくわからん」と豪語させる所以でしょう。これを問 題文の長さによって「一般」ではなく「1行クイズ」、臨床ではなく「3行問題」、そして「長文」だと考えれば、すっきりします。

そしてそれとは別に、問題の内容から3種類に分かれます。

<必修> 常識問題や、禁忌問題。
<総論> 公衆衛生を含む、医学の総論っぽいこと。主要症候や身体所見など、医学の「横糸」的なこと(例:「脾腫をきたす疾患はどれか」)
<各論> 疾患ごとの質問(例:「突発性難聴のオーディオメトリーはどれか」みたいな)マイナーも。

これは何となくわかるでしょう。「必修」「おおざっぱ」「細かい各論」と思いましょう。

これらは線形代数でありそれぞれ独立事象です。よって表を作るとこうなります。(問題は去年(2003年、第98回)に当てはめたもの)

必修で8割、必修を除いた一般問題だけで足して65%(250問中130問程度)、これまた必修を除いた臨床問題だけで65%(臨床には試行問題とかいう意味の分からないものが含まれていて、採点対象にならない。それを除いた200問中、130問程度)取ると合格です。相対評価なので、毎年若干変わるのですが、まぁだいたいそんなもんでしょう。一般は一般だけ、臨床は臨床だけで合計するので、一般が1点・臨床が3点であっても、実は大して意味がないことがわかるでしょう。その3点がひどく重荷になるのは「臨床・必修」だけです。そうF問題です。F問題で間違うとヒジョーに痛いのです。

模擬試験会場で問題用紙を開いたら、こんな文章が出てきました。「32歳女性、35週の妊婦さん。腹痛を主訴に来院。ほにゃららほにゃららで、ど うやらエコーしてみると早期胎盤剥離のようだ。あら大変。すぐ行うべき治療はどれか。」さてこれは何問題でしょう?まず文章が長い、けど「長文」ほどでは ない。そうこれは「3行問題=臨床問題」ですね。そして内容は?必修ではなさそう。一般は公衆衛生だったり、症候について聞いたりするから、なんか違う。 ぶっちゃけこの問題は「早期胎盤剥離ていう疾患の治療法について」聞いてるんだから、「各論」ですね!というわけでA問題は「臨床・各論」だとわかりまし た。次はB問題。ぺら。あ、1行問題だ。「1行=一般」だ。内容は?「樟脳の誤嚥に対する正しい処置は?」知るか!…この細かさは「各論」だな。「一般・ 各論」か。

…ていう感じです。始めのうちはどれがどれだが、すぐにはわかりません。ねじ子は模試を受ける度に「これは一般・総論?」などと予想し、問題の表紙にメモしておりました(前号参照)。実際は必修がどれかだけわかれば十分なのですが、精神衛生のために、分類を予想し、かぎ分ける能力を模擬試験のうちから身につけておきましょう。

2004年7月号 まずは模試でも受けてみよ

さてさて前回、去年の過去問を流し読みしてみた諸君。次に君たちがやるべき事、それは実戦になぐり込みをかけることだ!国家試験における実戦、それは模 擬試験。「えっ突然、模擬試験!?そんなの不安だよ!模試は少なくともQB一周解いた後でないと!」などと言っている諸君、笑止!!アムロだって突然ガン ダムに乗ってザクを倒し、立派な戦果を収めたではないか!!…それはさておき。とりあえず初めはまっさらな状態で模試を受けてみましょう。そうTECOMです。MECです。どちらでもかまいません。どれを受けたらよいのか迷ってる方、とりあえず参加人数の多い模試は受けておいた方が無難です。最低限としてはTECOMをラストの2,3回受けておけば十分だとヘタレ代表のねじ子は思いますが、体力や時間の余っている方はどんどん受けましょう。実はねじ子式ヘタレ勉強方のキモはすべて「模試」にあります。模試を100%使いきることが国家試験合格への最も近い道です。

模擬試験の一番のポイント、それはいやがおうにも問題を真剣に解かされることです。それも国家試験と全く同じ状況で。QBを解 いてると見たくもないのについつい下の答えを見てしまう意志の弱い貴女、いつも「どうせ腎盂腎炎の問題だろ」と決めてかかっている貴男。模試ではそうもい きません。自分のまっさらな実力のみで、限られた時間で解かなければいけないのです。思わぬ失敗もするでしょう。なにより「何が出てくるか開けてみるまで わからない時間割」「思ったよりもずっと長くて3日間集中力が続かない」「A問題の中でも問題の順番がバラバラで分野を読めない」「どれが必修でどれが各 論なのかわからない」「時間が意外と余る」など、実際に受けてみないとわからない事がたくさんあります。

ねじ子が実際に第2回TECOMを受けた当時、休み時間ごとに問題の表紙に書いていた感想をあげてみましょう。

・なんでいつも産科からなの?
・C問題:長文。2つ選ぶのを忘れがち。注意!
・内分泌まったくわかんないよー
・なんか風の通り道にあたって寒いんですけど…
・E問題:必修。常識問題と公衆衛生ってカンジ。
・体力必要。前日はよく寝てよく食うこと!
・G問題:総論・一般?公衆衛生天国。問題数多い。2時間なので途中ブレイクが必要
・心電図やらなくちゃ…
・ちこく厳禁
・I問題:臨床総論?時間はたっぷり、でも集中力続かない。試験時間長いので必ず前にトイレに行こう
・できなかった問題は派手にチェックをつけて後で見直ししよう
・見直しには5分必要

勉強ができないのは勿論のこと、時間配分に気を取られ、2つするはずのマークを1つしかせず、ただでさえ足りてない実力が環境によってますます発揮できていないのがよくわかります。皆さんも模擬試験が終わったら、色々感想を書いてみましょう。そこには、本番で焦らないですむためのポイントが詰め込まれているはずです。そしてねじ子は時間割がさっぱりわかっていない自分に気がつきました。「どれが必修?どれが臨床・各論?ていうかナニそれ?」ねじ子はさっぱりわかりませんでした。  というわけで次回は模擬試験編part2、時間割と必修を見分けろ!です。

今月の一言

2004年6月号 とりあえず過去問でも見てみましょう

いよいよダメ研修医ねじ子にも後輩ができる季節になりました。がむしゃらに人の後ろをついて動く事しかできなかった1年目を経て、ようやっと周りが見えてくるようになる(らしい)2年目。今は学生の皆様も、いつかこんな気持ちを味わうのでしょうか。

さて何をやるにしても「はじめの一歩」というのは気が重いもの。これを読んでいる皆さんはもう国試勉強、始めました?え、もうとっくに始めてるって?それどころかもうアプローチ1周終わった!?偉い!こんなページ読む必要なし!では一体「はじめの一歩」は何をしました?やっぱりQB?

これまで黄金パターンといわれている勉強法、それは「国試問題集(QBやアプローチ)を始めの一冊目の一ページ目からこつこつと解いていく」というものです。しかし。これがかなりの難行苦行。俺っちは3日で挫折してしまいました。だってやってもやっても全然進まないんだもん!その割に立て続けに潰瘍性大腸炎ばっかり出てくるし!その時だけは答え覚えちゃっててイマイチ実力が付いた気がしないんだよネ!臨床問題がやっと終わったよ…と思ったら、めくってもめくっても一般問題の嵐。…これ、終わるのか?あぁ空はこんなに青いのにどうして私はこんな所でお部屋にこもっているのかしら?…ここら辺でヘタレねじ子はQBを放り投げておんもに遊びに行ってしまいます。でもでも。こんな風にして始めっから国試勉強が嫌になってしまうのは非常に勿体ない。

ねじ子お勧めの国試勉強「はじめの一歩」、それは去年の再現問題集をとりあえず流し読みしてみることです。読み物感覚でかまいません。「解く」必要すらありません。本気でアレを解こう!とすると6時間×3日間もかかってすげぇ大変です。「はじめの一歩」にしてはずいぶん敷居が高くなってしまいます。導入はもっと簡単であるべきです。

再現問題集の解説ってのはたいてい別冊になってます。解説本だけ持って、行き帰りの電車の中ででも、ざっと読んでみましょう。問題文を読んでみて、1分くらいで答えを予想してみて、そしてすぐに!解説を読みましょう。たまに「すげぇ簡単」などの受験生の声が書いてあって「どこがすげぇ簡単だ!!さっぱりわからん!あぁ解けない私馬鹿だわもうダメ国試落ちちゃう地球の皆様さようなら」と小一時間へこむかもしれませんが、気にせず読み飛ばしましょう。落 ち込んでる時間があったら次の問題にさっさと進むのがポイントです。そして、国試には中学生でもできそうなすげぇ簡単な常識問題があること、かといって 「診断もつかないよう!それどころか治療法だって!?わかるもんか!!そんなもんわかってたらもう医者になっているよ!!」と言いたくなるような問題もあ ること、異常に公衆衛生が多いことなどを実感しましょう。そして今の実力で国試問題はどのくらい解けるのかを肌で感じましょう。

受験生が陥りがちな罠、それはまじめに問題を「解こう」としてしまって「あぁ解けない地球の皆様(以下略)」と問題を解くのをそっちのけで落ち込み、逃避し、時間をロスしてしまうことです。解けなくても全然かまわないのです。だってまだ勉強はじめてないんだもん。むしろ今できないのは良いことだと思いましょう。これから伸びるばっかりなんですから。

今月の一言

2004年5月号 医師国家試験は自転車免許の試験と同じだ!

今年の国家試験も発表となった。第88回国家試験はX2問題が急激に増加したとのことでアワを喰った受験生の皆さんも多かったであろう。しかも今年からガ イドライン変わるらしいし。困ったもんだ。どうしようってな感じである。そんな迷える皆さんに国家試験のねじ子的解釈を指南しようというこのページ。

さてさて突然だが今回のテーマを高らかに叫ぼう!それは「医師国家試験は自動車免許取得試験と同じ!!」である。

君も自動車免許の試験、受けたことあるかい!?一度でも受けたことのある皆さんならよーくわかるだろう、ものすご~く底意地の悪い引っかけ問題が満載の試験だということを!!その一例を挙げよう。

「図の標識のある道路では、定員17人のマイクロバスは通行できる。」

知るか!!…気を取り直して解説を見てみよう。「乗員定数11人以上のバスは大型乗用自動車になるので通行できない」だって。11人だろうが17人 だろうか知るわけがないというものであろう。次、つぎ。「原動機付自転車を押して歩いている人は歩行者と見なす」え、これは○でしょ?習ったよ?…答えは ×。「エンジンを切って押して歩いて、初めて歩行者と見なされる」……しーん。国土交通省の性格の悪さが非常によくわかる例である。普通の常識で考えてし まえばこれは○だ。しかし答えは×なのである。これは難しい。はっきりいってとても解けない。何も対策していかなければ、誰もが落ちる難攻不落の試験だ。 しかし、しかしだ。みんな受かっている。会場の80%は受かる。どんなヤンキーでも暴走族でも受かる。それはなぜだ!?それはひとえに、「それにそなえた 対策をしている」からだ。それはどんな対策だ?どんな本屋でも売っている「自動車免許取得試験の過去問題集」を解いてから受けに来ている、ということなの だ!!あの本を一目見ておけば、本当にほぼ「同じ」問題が実際の試験にも出る。だからどんな意地悪な引っかけ問題でも解けるのだ。

しかしだ。逆に、過去問をまったく解かずに試験を受けに来ている人間は、必ず落ちる。あんな試験で点は取れない。真っ白な頭で常識的に解いたら、 必ず引っかけ問題に引っかかるようになっている。これは「真の頭の良さ」や「真の学力」にはまったく反映しない。現に私の同級生で、クラスで一番頭の良 かったT君は医学部2年生だった当時、自動車免許試験に落ちた。どんな馬鹿な暴走族でもヤンキーでも(車に乗りたいから)免許の試験だけは必死こいて勉強 し、そして通してくるのに。T君は落ちた。なぜだ。T君がヤンキーより頭が悪かったと思うか?

そんなはずはない。

あまつさえ、彼が車に詳しくなかったわけでも、運転が下手だったわけでも、一般常識が足りなかったわけでもない。「20%しか落ちない簡単な試験に落ちるなんて、Tって奴、すげぇ馬鹿」と君は思うか?あまり思わないであろう。彼はただひとえに、試験に備えた「特殊な対策」をしていなかった=過去問を見ていなかっただけなのだ。

国家試験もそれと同じである。みんな勘違いしては駄目だ!!駄目だ駄目だダメだ!!医師国家試験に必要なのは医学の知識ではない!!真の頭の良さでもない!ただ「特殊な対策をすること=過去問を見ておくこと」なのだ!!「90%合格する、日本一簡単な資格試験」と人は言う。しかし、何も対策をせずには、一問だって解けやしない。教授にだって解けやしない(自分の専門の分野以外)。

必要なのはただ、過去問を解いておくこと。さぁそこの君、こんな雑誌立ち読みしてないで今すぐ過去問を見なさい。手に入れなさい。医学教育出版社のじゃなくてもいいから、98回過去問題集を買いなさい。

そして次号はパンダ式・過去問のとき方だ!

※「受験は、自転車免許の試験と同じ。」この元ネタは、マスコミに頻繁に登場なさる精神科医・和田秀樹先生の名言である。この言葉自体は、大学受験 において使われたものであるが、医師国家試験こそ、これが当てはまるとねじ子は思う。和田先生のことを何かととやかく言う輩も多いが、ねじ子はこの方の受 験指南書がなかったら医学部に受かっていないので、足を向けて寝られない。