静かに細く長く売れ続けていた心電図のポケットブック『ねじ子とパン太郎のモニター心電図』が改版されました。やったぁ!共著の大上先生も編集部の皆さんもどうもありがとうございます!
2017/4/21 発売です。

以下、今回の見どころ。
・誤植の訂正
ゲームで言うところのminor bug fixです。詳細は省きますが、いろいろありました。
・ねじ子のかんたん!イラスト講座
モニター心電図の―――ピーッ―――というアレ、モニター上にアップダウンする線を簡単に描く方法を書きました。1pまるまる書き下ろしです。病院のイラストや入院中のキャラクターを漫画で描くときに使ってください。
※このページはAmazonの内容紹介画像にがっつり載っています。
・HRスケール
従来のHRスケールは3拍ぶん使って測定するものがほとんどでした。でも実際は3拍ぶんも見るのは面倒くさいですよね。そもそも使いたい時には「3拍ぶん」だって知識自体を忘れちゃっているわけです。よって今回は、1拍ぶんでも使えるスケールを用意しました。(頻脈のとき用に、2拍ぶんのスケールも併記しています。)1山を富士山、2山を筑波山で表現したのは関東人としての気概のあらわれです。
・新しいQTcスケール
二次元的に表されがちなQTcスケールをどうにかして一次元、ていうか「直線上で」表現したい!との思いから作ったスケールです。これは他に類を見ない、新しいQTcスケールになったと自負しています。
QTは「短縮」が問題になることは少ないですよね。それに対して「延長」は重大な病気として問題になります。つまりQTの「正常下限」はあまり重要じゃない。QTの「正常上限」が重要情報になります。よって、QTの「正常上限」を(心拍数にあわせて)目盛りだけで使えるように、定規を作りました。
※以上の二つのスケールは、群馬大学・解剖ちゃんのブックレビューでがっつり紹介してくださっているので、実物がどんなものか見たい方はそちらをチェックしてください。
なんかもう、解剖ちゃんのレビューさえあればいいんじゃないかな!もう必要十分でしょ!私のライナーノーツよりずっとわかりやすいし、ポイント押さえてるし、写真もきれいだし!そんな気がする春の午後、うららかな月曜日でした。(2017/5/8)
コミティアありがとうございました。
数学本からねじ子を知ったという方が「医学の本も出しているんですねー」と言いながら来てくださったり、初めましての方も多かったり、新鮮で楽しかったです。
次の予定はまだ決まっておりません。今年の夏コミは日程的に参加不可能なため、今回は申し込みをしていないのです。すると、次の即売会参加予定は冬のコミケになってしまう。でもそれはさすがに遠い。うーん、どうしようかな。ちょっと考えます。予定が決まったらまたこちらでお知らせしますね。
2017/5/6(土)東京ビッグサイト[東5ホール]U-57a「ねじ子アマ」
・平成医療手技図譜 手術編 改
・平成医療手技図譜 精神編
・平成医療手技図譜 ICU編
を持って行きます。
手技図譜の新刊は残念ながら間に合いませんでした。
昨年の冬コミで『手術編改』が思ったよりも人気で驚きました。手術編がいちばん改訂が遅れてたんですよね。今回のコミティアにも、そんなにたくさんではありませんが持っていきますので、冬コミで入手できなかった方はぜひどうぞ。
また、今回のコミティアに出しそびれた幻の新刊は『精神編の続編』です。 『平成医療手技図譜 精神編』をお持ちでない方は、この機会にぜひどうぞ。次の新刊をより楽しめると思います。それにしても、新刊間に合わせたかったなあ。楽しみにしていた方、ごめんなさい。
それでは私はブースには行けませんが、皆さまコミティアを楽しんで下さい。私は仕事のせいでここしばらくコミケにもコミティアにも行けてませんが、心はいつでも即売会とともにあります。あー、けもフレとゼルダの伝説BotWとまーどぅーの薄い本が読みたい!読みたい!いっぱい出てるはずだゾ!ゾ!ゾ! あ、コミティアには二次創作ないんだった。てへ。
『ゼルダの伝説BotW』の世界でずっと草を刈っていたい。小麦とたまごとバターときび砂糖を煮詰めてエッグタルトを作りたい。馬を駆け、まだ見ぬ海沿いの村に行きたい。初めて見る魚や虫や果物をたくさん採りたい。手に入れた食材は調理して売り払って、ゲルドの街で新しい服を買おう。
夜はハテノ村の自宅に帰ってぐっすり眠りたい。イチカラ村の古い友人を訪ね、宿を借りたっていい。獣のうごめくハイラル城に忍びこんで、城に眠るお宝たちをこっそりと持ち去っていくのも楽しい。
ゼルダ姫のことはしばらく助けに行かない。だって私はこの世界で、まだまだ楽しく、自然と共に暮らしていたいんだ。(2017/5/9)
ぎりぎりになってしまいましたが、5/6のコミティアのサークルスペース告知です。
5/6 コミティア120
東京ビッグサイト 東5ホール U-57a
ねじ子アマ
新刊は頑張って作っていますが、うーん、今回は難しそうかな。ふがふが。
『けものフレンズ』は確かに、現在の日本の若者にとって、よくできた救済の物語だと思う。
日本の少子化と経済規模縮小は、おそらく避けられない未来だ。高度経済成長やバブル期に建てられた巨大建造物やインフラを維持するだけの生産力すら、我々は確保できないかもしれない。自分が子供の頃遊んだ楽しい建築物は、ED写真の遊園地のように廃墟になっていくだろう。実際、少し地方に行けば建物だけが残ったゴーストタウンや商店街がすでにゴロゴロしている。それを壊す金やマンパワーすら用意できない未来が来る。そんな予感はみんなの中にある。ジャパリパークは、確かに昔は巨大な動物園か遊園地であったはずの廃墟なのだ。
しかも、廃墟の中にはなぜか大きな火山があり、コントロールできず、毎年爆発してよくわからない物質を撒き散らしている。我々はそこにフクイチの影を見る。フレンズたちは今のところ一種につき一匹しかいない。それもメスのみだ。子孫を成す方法もない。
謎に満ちたこの状況は、すべて彼女らのせいではない。すべて前世代によって作られている厄災であり、「気付いたらそこにあった厄災」だ。それでも、その土地にそのとき生まれた数少ない生命たちが出会い、お互いの個性を紹介し、長所を認め、知恵を出しあい、できる限りの協力をして、小さな手で作業し、問題を解決していく。そしてみんなでジャパリマンを食べる。原始的快感も決して忘れず、すべり台を滑れば全力で「うわー!たーのしー!」と叫ぶ。震災後、未曾有の不況と少子化と経済縮小の中で生きるための知恵がそこには確かにあると思う。
我々の世代の多くは両親の生涯年収を越えることができないだろう。親が自分に与えてくれたサービスを、自分の子に与えることができない。個体数もどんどん減る。国民総中流と言われた時代は終わり、生まれながらに遺伝子や環境や資産が細かく違うと誰もが気付いている。
その一方で学校では「みんなちがってみんないい」と教わった。かつて「困った子」と大雑把にくくられていた子供達にも発達障害やADHDやLDの診断がついて、個別対応ができるようになった。フレンズたちは口数は少ないけれど、その会話は非常に前向きで気が利いている。尊敬と信頼にあふれ、決して相手を不快にさせない。それらはすべて第1話の「へーきへーき!フレンズによって、とくいなことちがうから!」というサーバルちゃんの台詞に集約される。そうやってお互いを尊重し、傷つけ合わず、少ない数でも協力して生きていくしかないのだ。
とすると、やはりそれを脅かす存在であるセルリアン、そしてフレンズを生み出す根源であるサンドスターの正体が非常に気になる。何なんだろう。前世代のヒトなのかな。まったく別の異形の存在かな。宇宙からの使者かな。圧倒的な暴力かな。マインクラフトによく似た「新しい創世記」だと考えれば、ラスボスは地中奥深くに潜んでいる巨大ドラゴンなんだけど、誰も倒しに行かず、みんなで海辺に家を作って「うわー!すごーい!たーのしー!」で終わりかな。なんでもいいよ。とても楽しみ。わくわくしてる。(2017.3.21)
1位 ロケット団(ムサシ・コジロウ・ニャース) / ロケット団 団歌
アニメ「ポケットモンスターサン・ムーン」一夜限りのエンディング曲。ロケット団3人の声優さんたちが作詞を手がけ、歌も歌っている。
「それいけ!アンパンマン」におけるばいきんまん、「ヤッターマン」シリーズのドロンボー一味、ポケモンのロケット団と、日本における「よくできた」冒険活劇アニメシリーズには、憎めない悪役レギュラー陣が不可欠である。彼らが毎回小さな悪事を計画し、なんらかのトラブルをおこして(これが物語を動かすきっかけを作る)主人公たちに懲らしめられ、去っていく。でも、完全に排除はされない。主人公から少し離れた場所で、彼らはいつもしたたかに生きている。これはゆるやかな共生であり、日本における正しい勧善懲悪の描写であると私は思っている。敵を完全に根絶やしになるまで根絶する冒険活劇は(アメリカでは受けるだろうが)狭いムラ社会の日本には似合わない。気の食わない人間や目的の違う人間だっているけど、決して完全な排除を狙わず、コミュニティの中で適度な距離をたもち共存するのが、災害が多く国土が狭い日本における現実だと思う。
共存するために、彼らは決して「絶対に許すことができないほど」悪いことはしない。実は6年前のポケモンアニメ「ベストウイッシュ」において、ロケット団ははじめて完全にシリアスな悪役として描かれた。毎回決まった名乗りを上げて登場する例のパターンも放棄した。結果として「ベストウイッシュ」は面白みに欠けた作品となった。まぁベストウイッシュがつまらなかったのは、ロケット団だけのせいではないけれど。我々はロケット団の底抜けの明るさ、何度主人公に負けても決してめげない姿、仲のよさ、馬鹿馬鹿しい決め台詞の「お約束」に、毎週心を癒されていたのだ、実は。失ってはじめて気付く安穏ってやつだ。時代劇が減り、水戸黄門が放送されなくなり、子どもたちにわかりやすい勧善懲悪が失われつつある今、ばいきんまんとロケット団には末長く頑張って欲しい。
(さらに…)
1位 モーニング娘。’16 / 泡沫サタデーナイト!
ねじ子最愛の鈴木香音ちゃんの卒業曲にしてセンター曲。私の大好きな香音ちゃんが一番目立っている曲だから、1位です。1位なんです!属人的な選考でたいへん申し訳ありません。つんく♂さんが香音ちゃん卒業によせて作った『THE VISION』も、悲壮感あふれる乾いたメロディが美しい秀作ですが、香音ちゃんがあまり目立っていないので次点です。
(さらに…)
毎日寒いですね。外に出たくないですね。外どころか布団からも出たくない。どうもこうもないっすよミキティ。
というわけで遅くなりましたが冬のコミケありがとうございました。来てくださった皆様、ありがとうございました。
『手術編・改』が思ったよりも需要が高くて驚きました。
さて、次の夏のコミケの日程が発表されましたが、今年も日程的に都合がつかず出られそうにありません。
よって今年も再び、GWのコミティアに参加することにしました。5月6日土曜日です。詳細はまた。
「寒いから出たくない……」どうもこうもないっすよミキティ。
というわけで、2016冬のコミケに参加します。楽しんでいきましょー。
12月31日土曜日 東1ホール ”O” ブロック 01b
--今回の搬入商品リスト--
さーて来週のサザエさんは
- 平成医療手技図譜【精神編】(1000円)
- 平成医療手技図譜【手術編・改】(1000円)
- 平成医療手技図譜【ICU編】(1000円)
の3本です。ふがふふ。以下詳しく説明。
★平成医療手技図譜【精神編】1000円

・2016/5/5コミティアで少しだけ販売したものの誤植・誤内容訂正版。
・コミケでは初売りです。
★平成医療手技図譜【手術編・改】1000円

・2009年初版の本で長いこと在庫切れしていましたが、今回、時代に合わせて大改訂しました。
・よってタイトルに「改」がついています。元ネタは「紫電改」です。本当はガンダムよろしく「Mk-II」にしようと思っていたのですが、あまりに表紙にあわないのでやめました。
・前回より24ページ増量して、132ページになっています。お値段そのままです。
★平成医療手技図譜【ICU編】1000円

・2014/12/30発行の既刊を誤植・誤内容訂正して第二版です。
※どれも将来的には商業誌化する予定ですが、結構先になりそうです。
※ブースに本人は不在です。
※今回はいつものクリアファイルやバッジの販売はありません。そのかわり、新刊や改版の本をなるべく皆さんに買ってもらえるように多めに搬入しました。よろしくお願いします。
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