ねじ子の完璧手技
2004年4月から1年間、某雑誌で医療手技の連載を行いました。ここに載っている情報は2004年当時のものであり、その後仕様が変更になっている器具もあります。ご注意下さい。間違いもチラホラあったので、あらためて全部書き直して再構成したものが同人誌『平成医療手技図譜』で、さらにそれを再構成したものが『ねじ子のヒミツ手技』シリーズです。
2004年4月から1年間、某雑誌で医療手技の連載を行いました。ここに載っている情報は2004年当時のものであり、その後仕様が変更になっている器具もあります。ご注意下さい。間違いもチラホラあったので、あらためて全部書き直して再構成したものが同人誌『平成医療手技図譜』で、さらにそれを再構成したものが『ねじ子のヒミツ手技』シリーズです。
今回は初心にかえって、バイタルの取り方の巻です。医学生が臨床に出る前、一番最初に習う手技のうちの一つですね。6年生の皆さんには、ひょっとしたら分か り切ってることかも知れません。実技試験(通称OSCE、オスキー)も徐々に義務化される傾向にあり、昨今は学生さんでも、とりあえずバイタルくらいは取 れないといけない!ってなことになっています。さぁ皆さんも友達とお互い測りあいましょう!
生命徴候、つまり「生きている証」です。全身状態の把握の最も基本になる身体的なサインのことで、よーするに
の4つです。外来で、入院中、道ばたで倒れている人、飛行機の中の急病人など、どんな患者さんに出会ったときでも、必ずバイタルサインを最初にチェックして重傷度を考えます。
正常値はこんなもんです。
脈拍:1分間に55~90回(100回以上だと脈早い)
呼吸数:1分間14~20回(20回以上だとハァハァしすぎ)
体温:35.0~37.2℃
血圧:100~140mmHg/60~80mmHg(高血圧のガイドラインは毎年のように変わるので、これは2005年8月現在と思って下さい)
細かく覚える必要はありません。アバウトで可。並外れた値を見た時ビックリできるようになっていればOKです。とりあえず今すぐ自分のバイタルを 測って、覚えておきましょう。自分はたいてい正常です。正常じゃなかった貴方は、落ち着いて測り直すか、最寄りのセンセイに相談してみましょう。
※下記(4)で「60秒なら ☓2」は「30秒なら☓2」の誤りです。誤植のご指摘ありがとうございました。
呼吸の数をあえて測ろうとすると、たいていの患者さんは緊張してハァハァしてしまうか、逆に息を詰めてしまいます。これでは正確にカウントできません。そんな時は次の手を使いましょう。
白衣はロッカーにしまい込んで、さあ未知の世界へ出かけましょう。
「働く男の制服図鑑」という、腐女子向けの制服図鑑では男性の制服で一位は堂々、白衣!!そしてなぜか堂々ビリは手術着…。何故だ。あの微妙な色とパジャマ感が嫌らしい。女心って複雑だにゃぁ。
手洗いには数々のローカルルールがあります。病院ごとに方法が違うといっても過言ではありません。どんな方法をしても、とりあえ ず爪を綺麗にして2分以上かけて洗って最後にアルコールを垂らしておけば、細菌数に全く差がないというのは有名なエビデンスです。(逆にブラシを使いすぎ ると皮膚に細かい傷ができてかえって不衛生)が!ねじ子の知ってるだけでもブラシは1回の所から3回の所まで実に様々。無駄だと知りつつもあえてローカルルールに従うのが職人的職場である病院の基本です。偉い先生は清潔、学生は不潔。それが大学病院の基本です。上の先生や看護士さんは、とりあえず「学生はなんか失敗をするんじゃないか」と常に目を光らせてますので気をつけましょう。
オペレーターが見つめている術野は、血の色つまり赤黒い色をしてます。ずっと赤い色ばかりを見ていて、ふと白い壁に見をそらすと、壁に青緑色の残像が見え ます。皆さんもやってみましょう。ずーっと赤い林檎を見る。そしてふっと白い紙に目をそらすと、紙に赤の補色である緑色のマルが、浮かんで見えるはずで す。これを「補色残像現象」と呼びます。白いものが緑色に見えると、とってもキモチ悪い。だから、緑に見えても良いように、周りのものすべてを青緑色で埋 めているのです。まさに目を疲れさせないための先人の知恵なのですね。さらにこれに、「青緑の布は清潔の印」という意味を持たせて臨床では活用しておりま す
最終号にふさわしく、ついに満を持して登場!研修医&全学生憧れの手技・中心静脈カテーテルです。中心静脈なんていうありもしない静脈に管をつっこむ行為です。末梢から入れるとイマイチのもの(高濃度の栄養、カテコラミン、漏れると周囲の組織が壊死する薬など)を体内に入れるために、使います。重傷な患者さんや、口から食べられない患者さんの全身管理には不可欠なシロモノです。
刺すべき静脈は、目に見えません。触れることもできません。目に見えない血管に、解剖学的な位置だけを信じてぶっとい針を刺すんですから、かなり盲目的な手技だとも言えます。よって事故は付き物です。それでもやらなければならないのです。怖いですね。つい先日も、ねじ子内頸静脈にアプローチ中、見事内頚動脈に ヒットしました。びくびくしてひたすら圧迫するねじ子にオーベンは言いました。「あぁ、動脈なんて刺してナンボだから。あっはっはー。」…とりあえず必死 で押さえましょう。とりあえず今回は、最も頻度が高く、かつ安全である内頸静脈アプローチについて今回は取り上げます。
カニュレーションの概念は「内筒をとがったものにして、外筒を柔らかいチューブにする」「内筒だけ抜いて外筒を残し、進める」というものであり、基本的には先々月号で行った「点滴」における留置針と、まるきり同じです。
「とりあえず点滴しましょうね~。ポカリスエットみたいなものですけどね~。」とりあえずって何?
今回は初心に帰って点滴の巻です。脱水の時、絶食の時、大量出血の時、なんだか知らないけど患者さんが突然ショックになった時、二日酔いの時、とにかく体に水分やお薬を素早く入れたい時。昔は口から水を飲ませること・薬を飲ませることしかできませんでした。しかし人類は、静脈に何らかのかたちでアプローチし、重力を利用して砂糖水や塩水や様々なお薬を入れるという秘技を編み出したのです。その効能は果てしなく、全身に与える効果のスピードも速く、今や何はなくても「とりあえず点滴しましょうね~」と、点滴につながれてあらずば入院患者にあらずという雰囲気で患者さん全員がカラカラとソリタT3を連れて廊下を歩く姿を見ていると、いささか無駄に多用されている感まであります。
俗に「静脈路確保」「ライン取る」「ラインキープ」などの用語で呼ばれる手技です。
よくじょうしんと読みます。ワープロで打つと大抵「欲情心」と変換されるのでそのたびにげんなりできます。
メリット:
・一日一回きりくらいしか入れない薬剤などの投与の時はこれで十分。
・安い。
・手技が比較的簡単。ただし慣れという説もある。
デメリット:
・1日何回も点滴しなくちゃいけないときなどは、刺す度に痛い
・とがった針が体に付いている状態なので、動けない、肘を曲げられない、トイレに行けない
・固定する角度によって点滴が落ちにくくなりやすい
俗に言うサーフロー。
メリット:
・一回入れば、詰まるまでかなり長く使える。痛くもなく、何回でも使える
・ヘパロックしてとっておける
・針が残っていないので、動いても安全
デメリット: ・正直、あまりない。
・ずっとつながれていてうざい、という人もいる。
※ヘパロックとは ヘパリン加生理食塩水を10mlくらいフラッシュして、三方活栓の部分で蓋をして、留置針~延長チューブの部分を取っておくこと。夜寝るときなど、寝返りがうてて患者さんは楽。
静脈ラインをキープすることは、1年目研修医の主たる仕事です。お互いを練習台にして留置針を刺しあう研修医の姿が、5月頃どの 病院でも見られます。初めは全く!!入らないものです。ねじ子も何度も患者さんの血管を破り、もらし、血腫を作りまくっていました。とにかく数をこなしま しょう。山ほど失敗して、上手くなってゆくものです、きっと。
全国の男性医学生諸君、お待たせしました!今回はついにエロネタ全開!尿道バルーンです。そう、尿道から膀胱へ管を突っ込む行為です。とりあえず男女とも に陰部を見なければお話になりません。恥ずかしがり屋さんには困っちゃう手技です。しかしどんな淑女な女医さんであっても、10本も入れれば恥ずかしいなどという気持ちは露ほどもなくなってゆくんだから、アラ不思議。皆さんも急性アル中で自分の病院に運ばれた時は、知り合いにバルーン入れられないように気を付けようネ!医者たるもの、いざとなったらバルーンくらい自分で入れるくらいの根性が必要だよネ!
まずは男子から。男の尿道は長い!陰茎がある分、長い!14cmくらいあります。
男の尿道において最大の難関、それは前立腺です。特に中年男性は、それまでするするとカテーテルが進んでいても、引っかかって先に進まないことが多々あります。それが前立腺です。前立腺を越えることが、男子尿道バルーンの全てと言っても過言ではありません。
実は女性器に関しては、女性の方が疎かったりします。男性の方がいっぱい見ていたりしますから。恥ずかしがり屋のお嬢さんも、まじめな女学生さんも、少なくとも膣と尿道の違いくらいは、わかっておきましょう。 真面目な男子諸君も然り。成年男子たるもの、無修正画像くらい見ておけ。(暴言)
しかし、敢えて言いましょう!女子、しかも医学生たるもの、己の女性器ぐらい、見ておけ!!と。少なくとも膣と尿道の違いくらい、わかっておきましょう。 確かにデリケートな問題です。しかし、敢えて言いましょう!鏡を使ってでも、見ておけと。男子諸君も然り。成年男子たるもの、無修正画像くらい見ないでど うする!見とけ!!…我ながら暴言ですすみません。
今回のテーマは胃管挿入と胃洗浄。よーするに鼻または口から、胃までの管を入れることです。毒をいっぱい 食べちゃった人・吐血した人・経口でものが食べられない人の栄養補給など、様々な用途で使われます。今回はその中でも大量服薬したときに行う胃洗浄につい て御紹介します。
国試には毎回とってもマニアックな「これ飲んだ時どうする」問題が出ますネ。解けませんネ。はっきり言いましょう。臨床においては解けなくていい んです!!個々のケースはとても覚えきられるもんじゃありません。困ったときは中毒の本を調べるか中毒センターにお電話しましょう。救急外来には、自殺目 的で色々なものを飲んだ猛者たちが現れます。洗剤・大量の薬剤・漂白剤・農薬・絵の具・体温計の水銀まで。「これ、飲んだら体に悪いだろうなぁ」と思うご 家庭の中のモノは、大抵において大丈夫です。精神科系の薬剤の多くは致死量は5万錠いっぺんに内服だったりしますし。実は、誤飲しても何の処置も必要ない 事がほとんどだったりします。
意識のある患者さんにとって、胃管挿入はまさに鼻の中に蛇を突っ込まれるようなもの。苦しいです。でも、麻酔をすると意識レベルが落ちます。ただでさえ睡眠薬の大量服薬だったりする患者さんの意識レベルをこれ以上下げたくはありません。肺への誤嚥の危険も増えるし。というわけで、たとえ苦しくてもそのまま胃洗浄するのが現状となります。
意識のある人で失敗することは、ほとんどありません。でもでも。意識のない人は非常に入りにくい。麻酔下の挿管された人や、意識の全くない薬中など。これはひとえに「ごっくん」ができないからです。
さらに大量のオクスリやら農薬やらの「毒」を飲んでいるときは、それらが吸収されないようにするため、
①活性炭 → 胃の中に残っている毒を吸収してくれる(炊飯器に活性炭入れて炊くとおいしくなるのと基本的には同じ原理。)
②下剤 → 胃よりも進んでしまった毒を、吸収される前にさっさと下してくれる
の二つのカクテルジュースを入れます。真っ黒でジャリジャリしてすげぇマズいです。口から飲める人には飲んでもらってもいいのですが、ま、大抵の人は無理なので、胃管から入れます。
国試において、催吐と言えば「意識障害時は禁忌」だの「強アルカリと強酸となんかとなんかが禁忌…あぁ思いだせん」だの皆様途方に暮れているでしょ うが、実際には、ねじ子、やったことありません!!誤飲の際、ご家庭では最もやる方法でしょうが(ねじ子も幼少のみぎりに漂白剤を誤飲し、母親にやられま した)病院ではあまりやらないのが実情です。その原因は
①日本には催吐剤が発売されていない
②よって舌圧子突っ込んだり非常に原始的で乱暴な方法しなくちゃいけない
③禁忌が多くて怖いし、禁忌じゃないときは、むしろ胃洗浄の方が効果的
④ご自宅でやっている
⑤そしてご自宅で吐けない時に病院に来る
などでしょうか。
華やかな手術の後に待っている朝の行事、それは包帯交換。略して「包交」。ホーコーです。手術後はもちろんのこと、リストカットしちまった縫い傷、火傷の あと、腐っちゃった足、果ては褥創(床ずれ)まで。キズというキズには包帯交換がつきまといます。綺麗に治ってゆく傷は見ていて気持ちがよいものです。逆 にぐちゃぐちゃになって異臭を放つ褥創などは目を覆いたくなります。でもでもそんなものも、きちんと処置していれば、ゆっくりと綺麗になってゆくのです。 そんな外科系の毎朝のお仕事、包交。最近は「毎日の消毒と包交はかえって創傷の治癒を遅らす」なんて報告が次々と出ておりますが、それでもまだまだ、根強 く残る儀式です。
ホーコーシャと呼びます。科や病院によって乗っているものが違います。「そこの科/外来/病棟で必要なもの」がすべて乗っています。いろんな道具が いっぺんに詰まっていて、病室まで運べて、とっても便利です。いちいちナースステーションまで取りに行くのは大変ですから。ねじ子は包交車を全速で暴走さ せ通路のカーブでドリフトしてケツ振って楽しんでま~す。
多くの一般病院では包交などの処置をする時に看護師さんがついてくれますが、大学病院ではついてくれません(断言)。学生が道具出しのお手伝いをする機会も多いのではないでしょうか。そんな時のために、包交車とは仲良くなっておきましょう。
今回は初心に戻って、採血の巻です。どんなに「学生には何もやらせん!!」という大学であっても、さすがにこれぐらいはやらせてもらえるんじゃないでしょ うか。そんな、医療手技の基本であり、最も身近な検査であるところの採血。実際は、民間病院においては看護師さんや検査技師さんがザクザクと連日連夜採っ てますので、はっきりいって医者よりも格段に上手です。逆に大学病院では研修医が採血義務だったりするので、病院で一番採血が上手いのは、教授よりもナースよりもオーベンよりも、熟練の研修医だったりします。
皆さんゴムタイプ使ったことありますか?ワンタッチタイプしか知らなかったねじ子は、研修で某民間病院に派遣された際、ただのヒモでしかない駆血帯をどうにもできず、思わず蝶結びしてしまいました。その後2ヶ月間ナースステーションでのもの笑いの種にされていたそうでしゅ。トホ。
我が施設での採取料はこんなもんです(大人)
血算(2ml)
生化学(3~6ml)
感染症(3~6ml)
凝固(2ml)
血沈(1ml)
血液型(7ml)
スピッツの頭の色によって、どれが何か見分けましょう。施設によって全く違うので、とりあえず自分の施設のことだけ覚えればOKです。必要量も書いてあります。足し算しましょう。ちなみにねじ子は宇宙の風に乗って空も飛べるはずなスピッツの大ファンです。
※TERUMOさんの針の色が変わりました。世界的なカラーコードであるISO規格に準じるようになりました。現在の針の色は上の表から一部、以下のように変更しています。
19G…クリーム色
24G…紫
25G…オレンジ
26G…濃茶
直針と翼状針、どちらかを使うことが多いです。真空採血なんていう変わり種もあります。
これまでの完璧手技でも散々言っているように、まずなによりも下準備が大切!特に下手くそなうちはネ!
採血は多くの場合、誰も手を貸してくれず、一人でやります。全てを手の届くところに準備してからやりましょう。
大抵は、ちゅうか(肘の内側)に良い血管が見つかります。でも最初はどれが良い血管なのかもよくわからないよネ!「さわって触れる」のが良い血管です。決して「紫に浮いて見えるもの」ではありません。勿論ベストは「さわって触れて、かつ色が付いている」血管ですが、実際はそう上手くは行かないのが現実。血管選びは採血や点滴がサクっとはいるための最も重要な要素なので、じっくり時間をかけて選びましょう。
ちく。すすめる。逆血が来た。ちゅーーーーーー。これだけ。
しかしこれが難しいのよね、最初のうちは。
最初は上手く血が引けてたのに、途中から手がぶれちゃって、突然血が引けなくなること、ありますよね。 どこか一点を支点にすると、手のブレや震えがなくなります。逆に宙に浮かした状態で持っていると、自分では絶対に動かしたつもりもなく、どんなに力をかけていても、必ず動きます。それはどんな手技でも格闘技でもゲーセンのジョイスティックでも同じです。
・血管に逃げられた!! → 皮膚にテンションをかけることが大事。
・血管破っちゃった!! → 針を入れすぎですな。大抵腫れてきちゃうので、あきらめてもう一回やり直し
・引いても引けない・・・ →
1途中で針先がずれた(一点で支えるテクを身につけましょう)
2実は血管内がすげぇ脱水(駆血帯を結びなおしたり、患者さんの手を揉んでみたり、あきらめて別の所から採り直したりしましょう)
3時間かけすぎて凝血した(これまた初心者にありがちな失敗。やり直しましょう)
ビギナーほど「一発で決めなきゃ!患者さんに悪いし!!」とか思って焦ってしまいますが、実際は、一発で取れなくてもいいんです。採血は最も副作用が少ない手技なんですから。友人同士でも良いから、いっぱい失敗して、上手になりましょう。
今回の完璧手技はいよいよ!救命救急士や学生や新米研修医のあこがれの対象・気管内挿管です。皆さんも救急での実習や、ACLSの講義で、「気管内挿管用 モデル」のお人形さん相手に練習をしたことがあるでしょう。入りましたか?難しいですよね~アレ。ねじ子は先日久しぶりにお人形さんに挿管したら、見事、 4本ほど歯を折ってしまいました。ありゃ~実際の人間より難しい。だってシリコン製ですげぇ固いんだもん!口が開かない!首もなかなか後屈しない!視野が なかなか確保できない!しょうがない、力ずくでいくか!バキッ。あ、歯が折れた……というわけで、すげぇやりにくいです、アレ。実際の人間の方がずっと簡単です。
でもでも、そんなこと言われてもチャンスがなければ、本物の人間サマではとてもできませんね。そんなチャンスは、麻酔科や救急にローテーションしたり、た またま患者さんの急変時に居合わせてない限り、なかなかありません。機会に恵まれず、医者になっても気管内挿管ができない人は星の数ほどいます。医療が細 分化され専門医傾向がどんどん強くなっている昨今、それはそれで悪いことではないのかもしれません。しかし!皆さんはこれからのスーパーローテート時代を 生きぬいてゆくべきニュータイプです。将来何科に行くとしても!チャンスがあったらどんどん挿管しましょう。そうすれば、イザという時の急変に対応するクソ度胸もついてくるというものです。
挿管に必要な7つ道具はこれです。 他にも酸素や吸引、アンビューバック、そしてそんな急変時に最も大切なのは!人を呼ぶことです。万全の体制を整えてからモノにかかりましょう。
挿管の極意は1。よく後屈すること、2。よく口を開くことにあります。声帯が見えさえすれば、そこにチューブをつっこむだけなのですから、実は点滴をとるよりも「簡単」なはずなのです。口から、声帯までの間に、一直線の道ができればバッチリです。
実際は、ものすごく簡単な人もいれば、気管支ファイバーでも使わなければ全然見えないし全然入らない、ものすご~く難しい人もいます。それはおいおい慣れ てゆくことにしましょう。あとは経験数をかせいでゆくのみ!失敗できるのも若いうちです。怖がらずに、機会があったらどんどんチャレンジしていきましょ う。