マジ夏すぎる。暑いよー!めっちゃ夏!これぜったい梅雨明けしてるよね!
告知です。夏のコミケ受かってました。出ます。
8/13(日)東5ホール マ48a ねじ子アマ

一般入場は今回もチケット事前購入制です。
新型コロナ5類以降後初のコミケですね。運営や個人によるコロナ対策も減ってるでしょうから、どのようなコミケになるのか想像がつきません。安全に楽しんでいきたいと思います。あと、あんまり暑くないといいな。
サークルカットはまだコロナ禍の悲壮な雰囲気のなか描いた一品です。フルPPEのわりにはヘアキャップ忘れてるような気がする。まあいいや。(2023/7/8)
COVID-19が身近に到着した2020年3月に私は今年の目標を大幅に下方修正しました。
「とりあえず年末まで生き延びること」と「子どもを虐待しないこと」です。
この二つの大きな目標を、私はどうやら達成できたみたいです。よかった。生きててよかった!
さらにできれば、「自身がCOVID-19にかからないようにすること」「うつに気をつけること」「自分と家族の心身の健康を保つこと」。この3つの努力目標も、なんとか年内は達成できました。年末を一つの区切りとして、ほっと一息ついて自分を褒めたいと思います。
それ以上の仕事や勉強や創作やおたく活動での目標はすべていったん保留です。あきらめたわけでも、取り上げられてしまったわけでも、やる気がなくなったわけでもありません。でも処理速度が追いついていないので、いったん保留にしています。
冬のエアコミケも何かやりたいと思っていたのですが、第三波があまりに深く、重く、長きにわたっているため、なかなか創作まで手が回りませんでした。今日だって私は去年の年末にはなかった類の仕事をしています。去年の今ごろはコミケに出て、ハロプロのカウントダウンを見て、年越しの宴で酒を飲んでいたというのに。今年はそのどれもありません。
来年もおそらく、同じ目標を胸に生活していくことになるのでしょう。
医療者の皆さんが心身ともに健康でありますように。
皆さまよいお年を。(2020.12.31)
HUGっと!プリキュア最新回(第27話)、産婦人科の女医さんが赤ちゃんを取り上げたあと、「大変だよ。でも、この仕事、最高だよ!」と快活な笑顔で宣言したシーンで、私は号泣してしまった。馬鹿みたいに声を上げて、おんおん泣いた。
私はこの1ヶ月ずっと、東京医科大学のニュースに傷ついていた。女子学生が受けた圧倒的で理不尽な差別。そしてその後に世をはびこった、病院というブラック企業からの離職者が多いことを性差のせいにする身勝手な言動の多さに、私はとても苛立ち、傷ついていた。プリキュアで号泣する自分を見て、私は初めて自分が深く傷ついていることに気が付いた。
私が私の誇りにしている医学という学問そのもの、勉強して勉強して勉強しまくったゆえにつかんだ様々な試験での評価、医者として積み重ねてきた経験、そのすべてを、ただ私の性別ゆえに、突然、無にされてしまう、そんな恐怖感。私が私の性を選んだわけではないのに、性別ゆえに、正当に評価されない世界であったことの恐怖。実際に、女というだけで学ぶ機会さえも奪われてしまった後輩たちがいる。自分の住む医学という世界がそんな修羅の国であったことに、私は根源的な恐怖を感じた。恐ろしかった。
私は、私よりも先輩の女医に「医者って、最高の仕事だよ!」と言ってもらえて嬉しかった。ひどく励まされた、たとえフィクションであっても。私はただ、私よりも先を行く先輩女性に、「医学は最高の学問だよ!」と言ってほしかったんだ。プリキュアを見てそのことに初めて気が付いた。
だから、私も。私より若い、医学部を目指している女子学生さんたちに向けて、言います。アジテーションはあまり得意ではないのだけれど、差別撤廃運動というものは差別を受けている当時者の熱意のこもった言葉のみを栄養源として前に進んでいくものだから、いまここで言います。
医学部を目指している女子学生の皆さん、どんどん医学部を受けてください。
どんどん医者になってください。
勉強の手をけっして止めてはいけません。
私はあなたたちを歓迎します。
他の誰がなんと言おうと私は、あなたたちが白衣を着て、私の目の前に現れるときを待っています。
今、あなたたちはニュースを見てきっと不安になっていることでしょう。
医学界全体が女医を歓迎していないかのような印象を受けている人もいるかも知れません。
でも、私は今ここで、胸を張って言います。
女性はもっと医者になるべきですし、女医はもっと増えるべきです。
そのソースは米医学誌「JAMA Internal Medicine」に発表されたハーバード大学公衆衛生大学院の「医療施設での治療で女性医師が担当した高齢者は、男性医師が担当した場合よりも生存率が高く、再入院の程度も低い」とする研究論文です。それと、世界的に見ても日本は女医の割合が少ないという事実をもとに、「日本の女医はもっと増えるべきだ」と私は考えています。
でもそんなことよりももっと感情的に、もっと個人的に、もっと力強く、私はいま、逆風にさらされながら勉強を頑張っている後輩女子たちを応援したい。だってそれは、過去の私そのものだから。
ほかの誰がなんと言おうと、私はあなたたちを歓迎します。
不安になっている受験生の皆さん全員にエールを送りたい。
ひとりひとりを抱きしめに行き、温かいミルクとチョコレートをあげたいくらいです。
ふぅ。ねじ子はいにしえのオタクなので、語りだすと長いのです。文字数が多すぎる。Twitterには向いていません。だからここに書きました。(2018/8/18)
SMAPの会見は、企業による公開パワー・ハラスメントであった。従業員のメンタルヘルスをいったいなんだと思っているのだろうか。「業界の慣習」などをしたり顔で語る人々もいるが、そんなものに聞く耳はない。労働者が自殺するブラック企業の管理者は、みんな決まってそう言うのだ。医者である私にとっては、患者さんのメンタルを健全に保つことだけが重要である。そして、彼らは明らかに人間として最低限の尊厳を踏みにじられ、健全な精神衛生を保てないほどの高ストレス下に追いやられている。誰かが自殺してからでは遅いのだ。この騒動に巻き込まれた従業員の皆さん(もちろんメンバー含む)のメンタルヘルスが非常に心配である。彼らの周りの人はきちんと精神的フォローをしてあげてほしい。自殺をほのめかすなどの危険な兆候が見られたら、決して一人にはせず、病院にも躊躇せずに頼ってほしい。これが私の患者さんの身の上のことならば、企業に環境改善を進言した上で、会社側に変化がみられない場合は各自治体の労働基準監督省に直訴or弁護士に相談するよう促すところなのだが。そんな健全性が保たれているようには思えないから、やっかいである。
彼らは日本で一番有名な会社員である。国民の誰もがその名前と業績を知っている、最高レベルの従業員だ。そんな彼らに対して、所属企業によりこれほどの横暴が行われることが「よし」とされて、まかり通ってしまうのならば、それはもう社会システムにとっての危機である。社会不安を招くし、厚生労働省が目指す「うつ病発症率と自殺率の低下」という政策にも完全に逆行している。こんな社会的懲罰がOKとされるなら、我が国のうつ病発症率と自殺者数はますます上がるばかりであろう。
派閥争いはどんな企業にもある。日本最大の組織である霞ヶ関の官僚なんて、派閥がスーツ着て歩いているようなもんだし、大学病院も派閥が白衣着て歩いているようなもんだ。SMAPの面々は、自分たちはまったく悪くないのに、派閥争いに巻き込まれ、公開処刑のように謝罪の体を取らされ、全国放送でさらし者にされた。気の毒すぎる。これが巨大組織の中で派閥争いの渦中に意図せず巻き込まれてしまった従業員の赤裸々な姿であり、哀れな末路なのだ。まさに木っ端みじんである。SMAPの姿は、日本中の多くの苦しむ40代労働者の姿そのものであった。がむしゃらに30年間勤務し、企業に莫大な利益をもたらした従業員に対する答えが、これなのか。絶望しか感じない。
SMAPの面々の選択は五者五様だが、誰も悪くないし、誰も間違っていないように思う。それなのに、どの道を進んでも地獄であることにかわりはない。組織と家庭を選んだキムタクも地獄、古い恩人を選んだ他の4人も地獄。彼らはまさに会社の歯車として心を引き裂かれ、苦しむ日本中の40代会社員の象徴のように思える。消費者の多くは、彼らに同情し、共感する。そして、老人と同族が支配するブラック企業を自らの勤務先に重ね、巨悪として憎むのだ。だって視聴者の多くは下っ端のサラリーマンだから。虐げられている方に共感するのは当たり前である。日本の産業構造の縮図としてとらえているからこそ、誰もがSMAPについて語り、TwitterやBPOのサイトが落ちるほどの大騒動になっているのだ。SMAPの解散騒動は、たった3分間の会見によって、単なる芸能ゴシップから社会構造的な問題に発展したと言える。
さて、ここからは与太話である。アイドルというものは、同年代の同性にとって憧れと共感の対象になったとき、はじめて真の偶像となる。正直、近年のSMAPは、若い頃のかっこいい面影を引っぱりすぎて年齢相応の変化ができていないように感じていた。でも今回の騒動で、彼らはまさにおっさん世代のサラリーマンの同情と共感を得られる象徴的存在になった。明るいポップ・スターではなく、源義経や真田幸村や土方歳三のような「悲劇の判官」として、だけれど。こんな境地にいたった男性アイドルは他に類を見ない。否が応でも、SMAPは国民的アイドルとして宿命づけられているのかもしれない。長い目で見れば、この悲劇をチャンスに変えることも可能であると思う。なあに、彼らには時間がたっぷりあるのだ。今はいったん敗北したように見えても、命まで取られるわけではあるまい。……いや、命だけは大切に。虎視眈々と生き延びてほしい。芸事とファンに対して誠実でありつづけていれば、生き残る道は必ずある。もし本当にどうにもならなくなったら、コミケの3日目に来ればいいさ。おいでよ。コミケは自由だよ。芸術も、愛も、自由も、エンターテイメントも、あの会見には何一つなかったけれど、コミケには何でもあるんだ。アイディアしだいで、何をしたっていいんだよ。それが真のエンターテイメントってもんじゃないかね。(2016/1/20)
エボラ出血熱は本当に恐ろしい。私も怖い。おそらくいま世界中の医療従事者が内なる心の中で、エボラ出血熱への恐怖と戦っていると思う。
古来より、医療従事者は患者から病気をもらい、流行病で死ぬものだった。野口英世は黄熱病で死に、ダミアン神父はハンセン病で死んだ。感染症のリスクが高いからこそ、医療従事者には高い賃金と社会的地位が保証されていると言っても過言ではないと思う。それなのに、ねじ子はそんな危険をすっかり忘れていた。清潔な日本の、清潔な病院の中でぬくぬくと診療とかしちゃって、世界一健康で世界一安全な環境にいるかのような錯覚をしていた。「医者は患者から病気をもらって死ぬ」という基本的事実をすっかり忘れていたのである。
エボラ出血熱には今のところ治療法がない。ワクチンもない。進化したウィルスの潜伏期は21日と格段に長くなり、患者を完全に隔離するのがむずかしくなった。致死率は今のところ70%もある。アメリカですら医療従事者への二次感染を防げなかった。個人の権利とグローバリズムが発展した現代において、潜伏期の患者さんが日本に入ってくるのを止めることはできない(「隔離」は個人の権利を侵害してでも公共の福祉を優先するものであり、医者ではなく政治家が決めるべき範疇の仕事だ。そして多くの政治家がその判断をまだ保留にしている)。防護服など誰も着ていない普通の病院の外来に、体中がパンパンに腫れたアフリカ帰りの患者さんが無言で現れても、何の不思議もないし、何の文句も言えない。怖い。生命の根元的恐怖を感じる。ねじ子は医者という仕事の困難さについて、しばし考え込んでしまった。「私がエボラで死ぬのはしょうがないけど、家族にうつすのだけは耐えられないなぁ」とか、「子供だけは救ってあげたいなぁ」とか。
数日考えた結果、私はいつも通り医者の仕事をしている。そうするしかないのだと思う。アフリカ帰りの高熱の患者さんが突如私の目の前に現れて、防護服など着ていない私の体に盛大に血便をぶちまけたとしても、私は医者という仕事を愛しているし、結局のところこの世のすべてを愛している。(2014/11/07)
医師兼漫画家として活動している森皆ねじ子 Morimina Nejiko の公式ブログです。
執筆した書籍や同人誌の情報、イベント参加日程、個人的なおたく活動の備忘録などがあります。
不定期更新ですが、いちおう新刊が出たりコミケに出たりするときはきちんと告知するつもり。予定。たぶん。
サイトマップはこちら。ともかく楽しんでいってくだせぇ。