医学生向けフリーペーパー『INT』にて『ねじ子のMedical Life Hacking』連載中
- 医学生向けフリーペーパー『INT』にて『ねじ子のMedical Life Hacking』連載中
- 『月刊ナース専科』にて『ねじ子のヒミツ手技』連載中(3ヶ月に1回掲載)
医師兼漫画家 森皆ねじ子
いよいよ試験十日前。こんな時期にKokutaiを読んでいるなんてよっぽど余裕があるか、定期購読か、藁をもすがる気持ちの方くらいかと思いますが、と りあえず超直前ですよ皆さん!!直線一気の差し馬代表ねじ子といたしましては、全勢力をそそぎ込んでラストスパートする時期です。自分で自分にムチ入れて かっ飛ばしましょう。
超直前にはまず、
国試は全範囲が出ます。直前に「間に合ってないから」とか「苦手だから」とかいう理由で一つの科目だけ集中してやってしまう方がよくいますネ。循環器だけひたすら解いてるとか。…確かに循環器は重要です。出題数も多いし禁忌も多いし。でもそれだけをやってると、けっこう他の科目忘れます。他 の科目の「勘」を鈍らせている状態で、試験を受けてはいけません。ショボい刀しか持っていないのなら、せめてピカピカに研いで戦場に赴きたいというもの。 全範囲って、じゃあ何をすればいいの?という貴方は3.を読みましょう。必修や禁忌の問題集も意外と全範囲をカバーしてるので、オススメです。また、同様 の理由で、
ねじ子は国試5日前に100%皮膚科を解き終わり、そこで過去問題集つぶしを諦めました。内緒だけどQB呼吸器全然終わってなかったけど諦めました。本当にすみません。5日前ではあまりにナンなので、一応、一週間くらい前にはやりたい科目のQBおよび100問は、終わらせておくのが好ましいと思います。そしてそして、
試験直前にパニックになって気が狂わないために、この時期はとにかく自分がやってきたことを信じるための勉強をしましょう。それは復習。そう復習。なんで先月、おもむろに問題をコピーして集めておけと言ったのでしょうか?カードにしておけと言ったのでしょうか?それは、直前にそれらのカードの大見直し大会をするためだったのです!!ストックにしていたカードも引っぱり出して、全てのカードを見直しましょう。「まとめノート」を作っていた人は、それの見直しでもかまいません。自分の解けなかった問題の、大!復習大会を、この時期にやりましょう。これをすると、全範囲に頭を慣らせる上に、自分の弱点を短期間で埋められるので、精神的な地盤が安定します。
これまでそういうまとめ作業らしきものを何もしていなかった、そんな貴方は「模試で間違った問題のうち60%正解率問題の見直し&ここ2年くらいの過去問の見直し」(詳しくは先月号参照)を今からでも遅くないので繰り返しましょう。同様の効果が得られるかと存じます。
公衆衛生は2週間前からでかまいません。あ、言っちゃった。なぜなら!海馬における短期記憶の保存期間は、2週間といわれているからです。公衆衛生は社会科と同じです。意味のない年号を丸暗記しても、受験が終わったら綺麗さっぱり忘れてしまうように、忘れちゃう科目です。丸暗記しましょう。そして国試が終わったら2週間できれいさっぱり忘れましょう。
国家試験の点数は75%で良いのです。テキトーな確率ですが、半分の問題が完全に解けて、半分の問題が二択に絞れればいいのです。あきらめたらそこで試合終了だよ…という安西先生の言霊を何度もリフレインしつつ、最後のストレスフルな日々を乗り切っていきましょう。
一年間かけてお届けした「ヘタレによるヘタレのための」国家試験攻略法、如何だったでしょうか。真面目なkokutai読者の中で、きれ~いに浮い ていた当企画ですが、一人くらい「ねじ子のお陰で受かったよ!ありがとう!!」というヘタレ仲間がいらっしゃったら、ねじ子これ以上の喜びはありません。 それでは皆さん行ってらっしゃい!最後まで足掻けば、きっと良いことがありますよ。
さて特集にてまじめな皆さんの一ヶ月前の過ごし方の例をご紹介しました。
※ 同号にて巻頭特集「医師国家試験勝手に受験マニュアル」が掲載されていたため。そっちが読みたい方はここへ。
こちらはちっとも真面目じゃないし勉強してないしどうしようという皆さんのための一ヶ月と二週間前の猛ダッシュ&スタンバイ講座です。
不真面目な受験生たるもの、まだまだ内科QBおよびマイナー問題集の一周が終わっていないくらいの根性でいなければ駄目です。そうであって欲しいです。そんな奴いないって?いやいや、必ずいるはずなのです。俺がそうだったんだから間違いない。すでにQBなどとっくのとうに終わっているような優秀な人達はこれを読んではいけません。フツーに特集を読んで下さい。
この時期にまだQBが終わっていない人に、2周目などあるとは思えません。そんなものがあると思うな。でもでも、QBを解いているとき、「もう一度見たーい」と思える問題はあるでしょう。全然手も足も出なかったり、ポイントの詰め込まれた重要な問題だったり、ある程度の繰り返しや暗記が必要な問題だったり。そんな「もいちど」問題には付箋をつけておきましょう。そんな付箋問題を、たとえば翌日の朝やその日のちょっと勉強に飽きた時間に、ざっと見て、それでも重要だと思ったら、解説も含めてその問題をコピーしておきましょう。そしてカードを作りましょう。カード等にするのが面倒くさかったら、QBを首っ引きで解く気がまるでしない疲れた週末などに、 ハサミとのりを片手に、カード作りに精を出すと良いです。それすらも面倒なら、コピーした束をまとめておいておくだけでもかまいません。コンビニへ行くの が面倒ならばコピー機orコピー機能付きfaxを買いましょう。そんなに高くありません。浪人して予備校に行くことを考えれば全然安いです。ねじ子の作っ ていたカードの見本はこれ。
作ったカードは持ち歩き、隙があれば見ます。電車の中でチラっと!お風呂場でもチラっと!覚えきったカードは分野ごとに束にして 保管しておき、理解しきれていないカードを、また持ち歩いて、何度か見る。それを繰り返しましょう。カードにすると、適当なときに適当な分野のものを作れ ること、後で分野ごとにまとめられること、軽くて持ち運びが楽なこと、そして覚えていないものだけ選んで持ち歩けることが利点といえるでしょう。
そして最も重要なこと、それは特集でも言った「模試の問題」&「昨年の復元問題」についても同様にコピー&カード化することです!!「正解率60%縛り」で引っかかった問題については特に作るようにしましょう。
受験の能力は情報処理能力です。特に医師国試のように膨大な情報量の試験では。よく出題される範囲を見極め、その中で自分が弱い穴を 見つけ、いかに埋めてゆくかがポイントです。QBをがむしゃらに全部解くのも良いでしょう。しかしそれは広いキャンパスを薄く塗りつぶすようなものです。 ねじ子にはそういう方法は向きませんでした。あまりにキャンパスが広すぎて。私はまず、出そうな所だけを濃く塗りつぶすこと。そして塗り忘れをどんどん潰してゆくこと。試験にあまり出ない部分は思い切って塗らない=捨てることを心がけました。模試および昨年の問題は「出そうな所」のエッセンスが詰め込まれた珠玉の問題集なのです。そして作ったカード群が「塗り忘れ」です。何度もそれを見ることによって、塗り忘れた場所の色をどんどん濃くしていく。それがパンダ式の真髄です。こうやって、内科QBは93回縛りで飛ばし飛ばしカード化し、神経を捨てつつ、マイナーはウロ放射麻酔整形を捨てそれ以外は「今日中に100%眼科終わらす宣言略してKG宣言」とか言って1~2日に1冊のペースで終わらせてました。
我々は差し馬です。他の学生さん達がとっくにスタートゲートをくぐっていた時期に、まだパドックどころか美浦の牧場で草をはんでいた我々としては、そのくらいこなしましょう。今はまさに第4コーナーと言ったところでしょうか。これからが差し馬および直線一気の見せ所です。次号はいよいよ10日前「短期記憶よ花開け」の巻だ!