今回は初心にかえって、バイタルの取り方の巻です。医学生が臨床に出る前、一番最初に習う手技のうちの一つですね。6年生の皆さんには、ひょっとしたら分か り切ってることかも知れません。実技試験(通称OSCE、オスキー)も徐々に義務化される傾向にあり、昨今は学生さんでも、とりあえずバイタルくらいは取 れないといけない!ってなことになっています。さぁ皆さんも友達とお互い測りあいましょう!
バイタルとはvital signのこと
生命徴候、つまり「生きている証」です。全身状態の把握の最も基本になる身体的なサインのことで、よーするに
の4つです。外来で、入院中、道ばたで倒れている人、飛行機の中の急病人など、どんな患者さんに出会ったときでも、必ずバイタルサインを最初にチェックして重傷度を考えます。
正常値はこんなもんです。
脈拍:1分間に55~90回(100回以上だと脈早い)
呼吸数:1分間14~20回(20回以上だとハァハァしすぎ)
体温:35.0~37.2℃
血圧:100~140mmHg/60~80mmHg(高血圧のガイドラインは毎年のように変わるので、これは2005年8月現在と思って下さい)
細かく覚える必要はありません。アバウトで可。並外れた値を見た時ビックリできるようになっていればOKです。とりあえず今すぐ自分のバイタルを 測って、覚えておきましょう。自分はたいてい正常です。正常じゃなかった貴方は、落ち着いて測り直すか、最寄りのセンセイに相談してみましょう。
脈拍
※下記(4)で「60秒なら ☓2」は「30秒なら☓2」の誤りです。誤植のご指摘ありがとうございました。
呼吸数
呼吸の数をあえて測ろうとすると、たいていの患者さんは緊張してハァハァしてしまうか、逆に息を詰めてしまいます。これでは正確にカウントできません。そんな時は次の手を使いましょう。
体温
血圧
まずはオペ着に着替えましょう
白衣はロッカーにしまい込んで、さあ未知の世界へ出かけましょう。
「働く男の制服図鑑」という、腐女子向けの制服図鑑では男性の制服で一位は堂々、白衣!!そしてなぜか堂々ビリは手術着…。何故だ。あの微妙な色とパジャマ感が嫌らしい。女心って複雑だにゃぁ。
手洗い
手洗いには数々のローカルルールがあります。病院ごとに方法が違うといっても過言ではありません。どんな方法をしても、とりあえ ず爪を綺麗にして2分以上かけて洗って最後にアルコールを垂らしておけば、細菌数に全く差がないというのは有名なエビデンスです。(逆にブラシを使いすぎ ると皮膚に細かい傷ができてかえって不衛生)が!ねじ子の知ってるだけでもブラシは1回の所から3回の所まで実に様々。無駄だと知りつつもあえてローカルルールに従うのが職人的職場である病院の基本です。偉い先生は清潔、学生は不潔。それが大学病院の基本です。上の先生や看護士さんは、とりあえず「学生はなんか失敗をするんじゃないか」と常に目を光らせてますので気をつけましょう。
いよいよガウンを着ましょう。
なぜオペ着は青緑色なのか
オペレーターが見つめている術野は、血の色つまり赤黒い色をしてます。ずっと赤い色ばかりを見ていて、ふと白い壁に見をそらすと、壁に青緑色の残像が見え ます。皆さんもやってみましょう。ずーっと赤い林檎を見る。そしてふっと白い紙に目をそらすと、紙に赤の補色である緑色のマルが、浮かんで見えるはずで す。これを「補色残像現象」と呼びます。白いものが緑色に見えると、とってもキモチ悪い。だから、緑に見えても良いように、周りのものすべてを青緑色で埋 めているのです。まさに目を疲れさせないための先人の知恵なのですね。さらにこれに、「青緑の布は清潔の印」という意味を持たせて臨床では活用しておりま す
最終号にふさわしく、ついに満を持して登場!研修医&全学生憧れの手技・中心静脈カテーテルです。中心静脈なんていうありもしない静脈に管をつっこむ行為です。末梢から入れるとイマイチのもの(高濃度の栄養、カテコラミン、漏れると周囲の組織が壊死する薬など)を体内に入れるために、使います。重傷な患者さんや、口から食べられない患者さんの全身管理には不可欠なシロモノです。
刺すべき静脈は、目に見えません。触れることもできません。目に見えない血管に、解剖学的な位置だけを信じてぶっとい針を刺すんですから、かなり盲目的な手技だとも言えます。よって事故は付き物です。それでもやらなければならないのです。怖いですね。つい先日も、ねじ子内頸静脈にアプローチ中、見事内頚動脈に ヒットしました。びくびくしてひたすら圧迫するねじ子にオーベンは言いました。「あぁ、動脈なんて刺してナンボだから。あっはっはー。」…とりあえず必死 で押さえましょう。とりあえず今回は、最も頻度が高く、かつ安全である内頸静脈アプローチについて今回は取り上げます。
一番大切なのは場所決めです
これがIVHセットだ!
麻酔&試験穿刺
カニュレーションの概念は「内筒をとがったものにして、外筒を柔らかいチューブにする」「内筒だけ抜いて外筒を残し、進める」というものであり、基本的には先々月号で行った「点滴」における留置針と、まるきり同じです。
« 新しい記事
過去の記事 »