第1位 イジワルしないで 抱きしめてよ / Juice=Juice
さっき書いた。
そうそう、ダンスショットの石田亜佑美ちゃんヴァージョンには笑わせていただきました。動きはキレキレなんだけど、石田亜佑美ちゃん特有の東北っぽいもっさりした感じ、独特のダサさが炸裂していてたいへん結構です。
第2位 わがまま 気のまま 愛のジョーク / モーニング娘。
今年のモーニング娘。は快進撃をかましてくれた。楽曲も非常に興味深いものが多かったし、ダンスもどんどん上手くなってる。パフォーマンスレベルが上昇しすぎて、なんだかもうこれまで見たことがない珍妙なもの になってきた。売上が上がるのも当然である。だって、こんなの見たことないもん。 新曲のダンスを見るたびに「なんだこれ」と思う。異次元に突入してるぞ。しかもまだ全員が若い。彼女たちはこれから一体どうなっちゃうんだろう。楽しみでもあるし、なんだか恐ろしくもある。
『Help me!』『A B C D E-cha E-chaしたい』『Happy大作戦』『愛の軍団』『わがまま 気のまま 愛のジョーク』どの曲もよかった。クオリティは横一線で、どれを選ぶかはもう好みの問題だ。悩んだすえに「踊ってみた」動画で繰り返し見たこの曲にした。
彼らはニコニコ動画では有名な「踊り手」 で非常に人気が高いらしく、最近はmorning musumen。というユニット名でオリジナル曲を作ったりライブをしている、らしい。中学生の間での知名度は下手するとモーニング娘。そのものよりも高いのかもしれない。リーダーの白服さんは鈴木香音ちゃん推しが高じてmorning musumen。を結成したという。これは新しい応援のかたちだなぁ。同じ香音好きとして素直に尊敬する。彼らがモーニング娘。に若い女性ファンを連れてきてくれてるのも実感する。今までいなかったファンをこちらに連れてきてくれて、どうもありがとう。アップフロントがmorning musumen。を拾っちゃえばいいのに、ってわりと本気で思ってる。
ハロプロも16年、ねじ子のハロヲタ歴ももう16年だけれど、いまだに新しい形の応援方法を作り出すファンが続々と生まれてくるんだから面白い。ハロヲタは、ときにハロプロそのものよりも面白い。
第3位 私が言う前に抱きしめなきゃね / Juice=Juice
イントロのサックスと、歌いだしの大塚愛菜ちゃんが最高。「覚悟とかないならバイバイ」「足震えちゃってる子バイバイ」「本物の覚悟が今日も星となる」「社会はCOOLで 流行りはもう古い 星空が今夜も眩しい」という歌詞が、デビュー曲らしい悲壮な覚悟と決意 に満ちあふれていてシビれる。この曲の大塚愛菜ちゃんは本当に良かったなぁ。脱退してしまって非常に残念だ。つかぽんには(またはつかぽんの御家族には)この曲に歌われているような「本物の覚悟」 が足りなかったのだろうか?よくわからない。そんなことを考えてちょっと切なくなるインディーズデビュー曲。
第4位 ロマンスの途中 / Juice=Juice
大塚愛菜の脱退、センターの宮本佳林の足の骨折と不幸が続き、どうなることかと思ったJuice=Juiceのメジャーデビュー曲。しかし楽曲さえよければそんなマイナス要素はすべて吹き飛ぶってことがよくわかった。ドラゴンボールのOP『摩訶不思議アドベンチャー』と少女革命ウテナのED『Truth』を足して、割らずに、ファンクの粉末をどばっとふりかけたような曲だ。ドラゴンボールもウテナもファンクも大好きなねじ子には、生きているご褒美を与えられたようである。Bメロ、さゆべぇの鼻にかかった謎のパート「んのな~い」 (この動画で1:05)と、大サビのカリンの「すごおぉい!ヤヴアァァイ!!」 (この動画で4:33)が最大の聴きどころ。ヤヴァイのはカリンちゃん、あなたの顔芸です。画面から気合いがはみ出ています。収まりきっていません。ゆきずりの恋愛を肯定する歌詞も、気合いの入ったハイティーン女子特有の高飛車な高揚感がよく表現されていて好きだ。
第5位 ええか!? / スマイレージ
スマイレージは今年が一番きつかっただろうなぁ、と思う。でもすごく良い曲が続いている。スマイレージの置かれている状況は、℃-uteの『Danceでバコーン!』→『会いたいロンリークリスマス』→『Kiss me 愛してる』の時期によく似ていると思う。ファンはまったく増えないし、むしろ目に見えて減ってるし、メンバーもスタッフも迷走を自覚していただろう。でも、海の底にゆっくりと砂が堆積していくように、スマイレージという海には今年静かに良曲がたまっていった。今はそういう時期だ。メンバーの実力は折り紙つきなのだから、あと3年踏ん張ることができれば状況は好転すると思う。そこまで頑張ってほしい。
『ヤッタルチャン』は、ゆうかりんという巨大なエースが抜けた後のスマイレージの方向性を初めて示すことができた曲だった。そういう意味でも℃-uteの『Danceでバコーン!』にどこか似ている。そしてその次の『ええか!?』は他に類のない冒険的なラップソングで、聴いていてとても楽しかった。二期メンバーもみんな可愛いよ。
第6位 Help me! / モーニング娘。
今年の快進撃の最初の一撃となった曲。ここからずっとシングルオリコン1位が続く。久しぶりに1位が取れてとても嬉しかったなあ。モーニング娘。がフォーメーションダンスを強く意識して前面に押し出してきた のも、たぶんここからだと思う。
ニコニコ動画でモーション・キャプチャーされたMMDが流行しているのも微笑ましい。モーション・キャプチャーでキャラクターたちが踊っているのを見ると、確かにこの踊りは妙にシュールで笑える。異質で、なにより斬新だ。
【ニコニコ動画】【進撃のMMD】Help Me!!【団長の憂鬱】
皆さん楽しそうでなによりです。
今年は以上。あとのランキングはずっとモーニング娘。の曲が続くので割愛します。なんと!Berryz工房と℃-uteがない!Berryz工房は『アジアンセレブレイション』、℃-uteは『Crazy完全な大人』『あったかい腕で包んで』が良かったと思います。でも今年はどちらのユニットも決定打と呼べるものがなかったなぁ。引き続き来年に期待しています。(2013/12/26)
※俺コンランキングとは2013年に見たり聞いたりしたものの中から勝手に自分内でランキングを付けたもの。独断と偏見に満ちている。しかも必ずしも 2013年に発表されたものではなかったりする。
今回は長くなってしまったので、1~5位と6~10位でエントリーを分けます。
2013年俺コンランキング 6~10位 2013年俺コンランキング 1~5位
2013年俺コンランキング・楽曲編。
第1位 イジワルしないで 抱きしめてよ / Juice=Juice
今年一番私のツボを押してきた音楽ユニット。『私が言う前に抱きしめなきゃね』『天まで登れ!』『ロマンスの途中』『イジワルしないで抱きしめてよ』『初めてを経験中』と立てつづけに5つも良曲が続いた。ハロプロランキングと区別が付かなくなってしまうので一曲のみの紹介にするけれども、Juice=Juiceだけで今年の楽曲ランキングをすべて埋めつくしてもいいくらい、打率が高かった。
Juice=Juiceの魅力を簡潔に述べると、 ①ちゃんと歌って踊れる。 ②ライブでもテレビでもすべて生歌。しかも上手。 ③メンバー全員が可愛い。 ④楽曲コンセプトがしっかりしている(ファンク歌謡。) ⑤ファンクがよく似合う特徴的な声。 ⑥年齢的にも精神的にも成熟している女性が二人いて、きちんとグループを支えている。宮崎由加にゃんと金澤朋子ちゃんね。
特に④⑤に強く貢献している金澤朋子ちゃん(略してかなとも)の魅力が光る。ねじ子が今年最も萌えたのは『イジワルしないで抱きしめてよ』の彼女のパート「私はローズクォーツ」と「ねぇねぇ あなたの匂い好きよ」を聴いた瞬間であった。音質の悪いラジオ音源で聴いたにもかかわらず「うわあ!すげえ!」と叫んでしまった。色っぽくハスキーで抜けた声がたまらない。リズムも音程も外さないし。きちんと学校に通って勉強している理系の女子高生なところもいい。17歳までまったく芸能活動をしていなかった、けどフェアリーズや℃-uteの追っかけはしっかりやっていたところもいい。℃-uteのカラオケ大会で優勝、というたった一度のチャンスからここまでのし上がってきているところもいい。一般社会で一通りの経験をきっちりこなしているであろうに(※妄想です)そんなことはつゆ知らず、素知らぬ顔でアイドルごっこ、いやもっとはっきり言ってしまえば「処女のふり」ごっこをきっちりやっている感じもたまらない(※妄想です。)いいねぇ、これからもその調子でどんどん我々をたぶらかしてくれたまえ。
この曲の仮タイトルは『私はローズクォーツ』だった。「なーにがローズクォーツだよ、いい加減にしろよ。そもそもローズクォーツってなに?え、パワーストーンなの?知らなかった。ちょっと勘弁してよ~つんく♂女子力高すぎでしょ~」というねじ子の脳内ツッコミをすべて吹き飛ばす、金澤朋子の「私はローズクォーツ」の説得力。あぁかなとも、確かにあなたはローズクォーツかも。いや、ローズクォーツだわ。どんな石なのか全然知らないで言ってるけど。
第2位 ビバナミダ / 岡村靖幸
岡村ちゃん完全復活の一曲。今年はベテランの久々のシングルに佳作が多かった。ディビッド・ボウイの10年ぶりの新譜 も良かったし、KISSの新曲 も良かったし、ローリング・ストーンズの新曲 もポール・マッカートニーの原点回帰の新アルバム も良かった。どれも昔と変わらない熱量とクオリティをもっている。芸術の世界において「変わらない」というのは批判されがちだが、そんなのどこ吹く風である。同じ煎餅を30年間焼き続ける老舗の職人の人生だって、素晴らしいではないか。
この曲はなんとタイアップ付きだ。2014年1月から放送されるTVアニメ『スペース☆ダンディ』の主題歌になるらしい。MVも全編アニメになっている。岡村ちゃんの不思議な踊りがきちんとアニメで再現されている。最高だ。現代美術家・会田誠の手掛けたジャケットも素晴らしい。なにより、今の岡村ちゃんのためにきちんと動いてくれる周囲の大人がいること、きちんと大きなプロジェクトに組み込んでもらえていることが嬉しい。これはお金と手間がかかってるよな。私はもう多くを望まない。ただアニメ放送中にクスリで再々々逮捕されるのだけはやめてほしい。
この曲は歌詞も冴えている。「いくら便利なれど 星は未知なもの だから電車を飛びおり 会いにいこう ミニ履く子 いつも気になるよ だから電話もかけずに 会いにいこう」そうか。便利になって、電子回線で常時つながっている時代だからこそ、岡村ちゃんは「電話もかけずに 会いにいこう」と歌うのね。アポなしね。『カルアミルク』の頃は「電話なんかやめてさ 六本木で会おうよ」と一応アポはとってたから、さらに前のめりになったんだな。いいね。
第3位 マジ勉NOW! feat.新井ひとみ / dancinthruthenights
tofubeatsさんを初めて聴いた曲。ネットから自然発生的に現れた新しいスタイルの音楽制作者だ。神戸在住の学生のままで、勝手にいろんな曲を自己流でアレンジして、youtubeに上げまくる、そこから実際の人脈ができて、色んな音楽家とコラボして名をあげていく。その出世の仕方がいい。そしてその「のし上がり方」をわかりやすくネット上に逐一見せている。それも素晴らしい。音楽家の皆さんは今、「音楽でお金を稼ぐ方法」を必死で模索していると思う。tofubeatsの出現は日本において音楽で世に出るための1つの新しい形であり、とても勉強になる。
例・森高さんの『ザ・ミーハー(原曲)』
今聞くとアレンジがあまりに軽くて、私は正直ちょっと聴いていられない。これにピコーン!と来て勝手にtofubeatsがアレンジしたのがこれ↓
ついに森高本人を起用して作ったメジャーデビュー曲がこれ↓。
確かにどことなく『ザ・ミーハー』に似ている。でもまったく違う曲だ。これはしっかり、今の時代の音になっている。
私たちが子供の頃は、「ある曲を聴きたい」と思っても、なけなしのお小遣いを握ってレンタル屋にCDを借りにいくか、気長にラジオのリクエストを待つか、ジュークボックスに100円を入れるくらいしか方法がなかった。そうすると、そのとき売れているもの、流行っているもの、大量に消費されているものしか手に入らない。金銭的余裕のない若者が、マイナーな名曲や古い曲を聴くことは家族の援助でもないかぎり不可能だった。
でも今はyoutubeがある。youtubeはある意味、既存の音楽業界の収入源を脅かす存在だろう。でも、物心付いたときからyoutubeという無料の、収録曲が無限大で、時代や流行や国すらも問わないジュークボックスを手に入れている若者達が、無限の楽曲の海で自由に泳いでいる。そして若い脳細胞の中で新しい音楽を鳴らしている。それがわかって良かった。「日本のポップ・ミュージックは死んだ」と思っていたねじ子にとって、これは大いなる福音である。頑張ってください。
で、tofubeatsさんのお仕事の中で一番好きな曲が「マジ勉NOW! feat.新井ひとみ」。東京女子流の新井ひとみちゃんのボーカルが、ひときわ可愛い。あぁ、どうしてこの曲が東京女子流の新曲じゃないんだ?「はなかっぱ」のエンディングで流せよ!そしたら毎朝踊るのにぃ!
第4位 ロックンロール・ハネムーン / くるり
※視聴 しか見つかりませんでした。不便。
くるりの新メンバー・ファンファンのトランペットが堪能できる一曲。
私が知らない間にくるりのメンバーがまた1人減っていた。くるりのメンバーチェンジは激しい。下手するとモーニング娘。より激しい。くるりのファンは、そのたびに怒る。しかし不肖ねじ子は「何をそんなに怒っているの?モーヲタを見習えばいいじゃない」と思う。
モーニング娘。のファン略してモーヲタは、なによりも停滞を嫌う。そしてそれは、おそらく生みの親であるつんく♂も同じである。つんく♂はモーニング娘。メンバーの声や性格や生い立ちやからインスピレーションを得て曲を作るタイプだ。しかし、一人の人間がつんくに与えるインスピレーションにはどうしても限りがある。つんくが常に新しい曲を量産し続け、モーニング娘。を存続させるためには、新しいメンバーの新規加入が常に必要なのだ。もちろん、あまりに人数が増えすぎても仕方ないので、ある程度のところまで実力と知名度とファンをつけたメンバーには卒業してもらう。そうすると、卒業した子はただの「ぽっと出」ではなく、「元モーニング娘。」という箔を付けることができる。その後の芸能活動もずっと楽になるだろう。そしてまた新しいメンバーが入ることによって、新しいタイプの曲が生まれる。これが永遠に循環され、モーニング娘。は転がり続ける。モーニング娘。という特殊な集団の真の存在意義は、つんく♂にインスピレーションを与えるメンバーの随時加入と卒業にこそあるのだ。ファンもそのシステムを愛しているからこそ、常にメンバーの入れ替わりを待ち望んでいる。真のモーヲタは追加オーディションがないと、むしろ怒りだす始末である。それはロリコンだからじゃなく(いやロリコンも多いけど)、純粋に「つんく♂は次はどんな魅力的な女の子を私たちに紹介してくれるんだろう?」 とワクワクしながら待っているのだ。
くるりも同じである。岸田君はおそらく、いつだって新しい音を響かせてくれるミュージシャンを探している。彼の琴線に触れ、インスピレーションを与えてくれる楽器の使い手をいつも追い求めているのだ。そして、インスピレーションがわかなくなってしまったり、岸田君の期待に添えなくなれば、ミュージシャンたちは次のチャンスを求めて旅に出る。そのミュージシャンは「元くるり」という肩書きを得て、おそらくスタジオミュージシャンの世界では一生食うに困らないのだろう。モーニング娘。と同じ構造である。だからくるりのファンも、「岸田君は次はどんな魅力的なミュージシャンを私たちに紹介してくれるんだろう?」 とワクワクしながら待っていればよいのである。私もいつだってワクワクしているし、いつだって待っている。ファンファンちゃんのトランペットの切ない音色は最高だね。つんく♂が現在、金澤朋子の声にビンビンに萌えて名曲を作りまくっているように、岸田君もきっとファンファンの哀愁を感じるトランペットの音色に創作のスイッチをガンガン押されてるんだろ?ならば私は何の文句もないよ。むしろ賞賛する。
どうせモーニング娘。と同じシステムなら、卒業と加入を興行に絡めればいいんじゃね?とさえ、思う。つまり「ファンファンは×月×日に行われる武道館コンサートをもって、くるりを卒業します!それまでは精一杯、くるりとしての活動を頑張らせていただきます!なお、卒業後は○○として活動しますので、くるり同様、○○の方も応援よろしくお願いします!」っていう、例のアレね。卒業コンサートで手紙を読み上げてメンバー全員号泣ね。ファンもきちんと最後のお別れができるし、なによりチケットが売れるよ!やったね!ロックンロールの信条とかけ離れた最低のプランだけどね!くるりは絶対にそんなことしない!って断言できるよね!
与太話はさておき、おそらく岸田君にとって、くるりは佐藤君さえいればいいのだ。佐藤君は外から見るといったいどんな仕事をしているのかよくわからない人だが、くるりにとっても岸田君にとっても、佐藤君はなくてはならない存在に違いない。それはハロプロにおける「まこと」のようなものである。つんく♂にとって創作を続けていくために最も大事な存在、それがまことである。端から見ればただのMCが下手なキノコなのだけれども、実は誰よりもなくてはならないハロプロの最重要メンバーなのだ。根拠はないが、長い間つんく♂を見ているとそう確信する。というわけで、誰か私につんく♂×まことの同人誌描いてください。 逆でもいいです。
第5位 ふりそでーしょん / きゃりーぱみゅぱみゅ
この曲は豆しばとタイアップしてがっつりプロモーションCMを打っていた。いかにも電通仕掛けだ。それはこの曲にとって非常に不幸だったと思う。ねじ子はアニメ『銀魂』を見るたびに、毎週毎週「ふりそでーしょん」をバックに「豆しぱみゅぱみゅ」を見せつけられて、心底うんざりしていた。最後の方はもう「私はただ『銀魂』が見たいだけなんだよ!なんだよこれ!豆しば死ね!」くらいの気分になり、曲を聴きたくなくなった。youtubeでMVをクリックする意欲をそぐのに十分な、圧倒的物量 だった。
しかしぐっと我慢してMVを見ると、ダンスがいい。しかも1番だけ、すごくいい。皆さんも我慢して一番だけ見てほしい。紅白の衣装をまとったダンサー達が、長テーブル越しに手と足と体幹の角度だけで見せる操り人形のような群舞が素晴らしい。ちなみに2番のダンスは椅子から離れてこっちに来てしまった途端に凡庸でありがちになるので、途中で視聴を止めてもらってかまわない。
きゃりー本人の成人式というタイミング、紅白のシンメトリーな衣装と家具、テーブルの上の赤いごちそうと白い皿、ごちそう越しに見せるダンス。ダンスを長テーブルで隠すことの美学も含めて、非常に豪華だ。きゃりーぱみゅぱみゅのキッチュなMVがたどり着いた、一つの頂点だと思う。
ちなみに曲だけを評価するならば、おそらく「にんじゃりばんばん」の方がいい。今年のヤスタカの仕事の中で一番好きだ。メロディ・インスト・アレンジ、すべてひっくるめて最高だ。
でも「にんじゃりばんばん」のMVは、きゃりーの特徴である「カワイイ要素を大盛りにすることで作り出す」 いわゆるキッチュな世界観にまるで合っていない。ていうか、忍者という「極限まで要素をそぎ落として闇と同化するべき」存在と、要素山盛り・グロテスク・原色のキッチュは正反対なのだ。もとから合うはずがない。結果的にいつもと比べて物足りない映像作品になってしまってる。実際は予算も手間も相当かかっていると思うけど。これでは「クールジャパン予算目当ての安易な海外向け作品だ」「日和った」と言われても仕方がないと思う。浅草の出店を歩きながら「あー、はいはいニンジャね、サムライゲイシャね。海外の人そういうの好きだよね~」と身に染みてしまう、あの感じ。日本人から見ると単純につまんないし、少し冷めちゃうんだよね。もちろん歴史を振り返ってみても、結局はそういう「わかりやすい記号」がないと海外で受け入れられにくい、お土産も売れないってことはよくわかってる。世界ではワンピースよりナルトの方が人気なんでしょ?そりゃ知ってるよ。むしろ私だってワンピよりナルト派だよ。ニンジャだのサムライだの、むしろ私も大好きだよ。でもさー。この曲のMV、そもそも忍者なのか姫なのかはっきりして欲しいな。どっちつかずで残念。
※俺コンランキングとは2013年に見たり聞いたりしたものの中から勝手に自分内でランキングを付けたもの。独断と偏見に満ちている。しかも必ずしも 2013年に発表されたものではなかったりする。
今回は長くなってしまったので、1~5位と6~10位でエントリーを分けます。
2013年俺コンランキング 6~10位
2013年俺コンランキング 1~5位
2013年俺コンランキング・楽曲編。
第6位 Get Lucky / Daft Punk
ダフト・パンクの8年ぶりの新譜。私の好きだったダフト・パンクはどこかに行ってしまった……と思っていたら、予想の斜め上の方向から帰ってきた。しかも私の大好きな方向、まさかの70年代ディスコファンクである。まるでダフト・パンクじゃないみたい。ヴォーカルも知らない黒人さんだし。誰。どうやらファレル・ウィリアムスという名のアメリカの音楽プロデューサーらしい。カッティング・ギターの音色も最高だ。誰。と思っていたらまさかのナイル・ロジャースだった。しかもちゃっかりMVにも映ってる。やだー、完全にシック(CHIC)じゃないですかー。夏は毎日これを聴いていた。
第7位 リスペクトーキョー / アップアップガールズ(仮)
アップアップガールズ(仮)の曲で一番好き。この曲を聴くために横浜ブリッツまで行った。近所のおばちゃんに「芸能人みたいに可愛い」と言われ、田舎で勘違いを重ねた女子高生が、アイドルになりたくて、休日に原宿に来て、メディアで扱われる肥大した東京のイメージをもとに勘違いをまき散らす歌詞がとてもよくできている。歌詞を体現しているかのような、長野と群馬在住の(東京に通ってアイドルをやっている)現役女子高生の二人がメインで歌っているところもいい。さらにこの曲のバッキング・トラックは、ヘッドフォンで爆音で聴くと軽くトリップできるほど心地よい重低音をしている。レコードショップでインストルメンタルを視聴していたら、自分が埃まみれの地下のクラブに紛れ込んで午前2時にソルティドッグを片手にカウンターでウトウトしているかのような幻覚にとらわれた。あぁ、もっていかれる音楽だ。目を開けたら池袋のタワーレコードに自分がいて驚いたほどである。現実は、乙女ロードでフィギュアを山ほど買った帰り道に小さいオタクのおばちゃんが試聴機の前で一人たたずんでいるだけなのだが。
第8位 紅蓮の弓矢 / Linked Horizon
今更私が紹介するまでもない、アニメ「進撃の巨人」のオープニング曲。
突然だが、日本の若者の音楽の聴き方はたいていこの3通りに大分できると思う。
①洋楽のみを聴く。全米TOP40などをよくチェックする。邦楽には全然ピンとこない、むしろ若干馬鹿にしている。
②J-popのみ、広く浅く聴く。
③特撮ソング・アニメソング・声優ソング・ゲーム主題歌など、いわゆるサブカルチャー周辺の楽曲を偏重する。
幅広い年齢層であれば、これに④クラシック・ジャズを寵愛する 派閥もいると思うが、若者では人数が少ないため今回は割愛する。
1990年代くらいまでは、これら3種類の音楽好きのうち、最も幅広く豊かな音楽体験ができていたのは①の洋楽派だったと思う。②邦楽は洋楽の後追いばかりであったし、③当時のアニメソングは、メロディーや歌手は秀逸だがアレンジやオケにあまりにお金がかかっていなくて、ペコペコしたシンセサイザーの軽い音か、お風呂の中で録音したのかと思うほどボワボワした音のものが多かった。ねじ子は生まれてこのかたずーっとオタクなので、アニメソングも特撮ソングも愛していたけれども、「音楽としてのクオリティが高い」とはお世辞にも言えなかった。
しかし時は流れ、現在の2010年代において、最も幅広く豊かな音楽体験をしているのは実は③のアニソン偏重派の人たちだと思う。現在のアニメソングは世界の音楽を見渡してみても、最も金が安定して稼げて、最も好きなことができて、クオリティ・バラエティともに実は一番層の厚いジャンルになっている。『紅蓮の弓矢』を聴いたときに、それを強く感じた。いま、日本でこの類の音楽を「売る」方法が、アニメのタイアップ以外には存在しないのだ。この曲は「進撃の巨人」のために作られ、確かに「進撃の巨人」のオープニングとして世界一ふさわしい曲である。そして「進撃の巨人」のオープニングというのは、世界中で音楽を何回も繰り返し聞いてもらうためにいまや最も効率のいい手段なのだ。
私がこう思うのは、アメリカ音楽もイギリス音楽も邦楽もロックもポップスも停滞して、新しい流れを久しく感じていないせいもあるかもしれない。でも、楽曲重視・歌唱力重視・ライブ重視で音楽を選んだとしても、最近はアニソンの方が打率が高いんだよ。若年層の人気が集中するのも当然だと思う。
第9位 光の果てに / フェアリーズ
アニメ「ジュエルペット」は毎クール面白い。「女児向け銀魂」と言われるほどのネタアニメぶりを、土曜の朝から見せてくれる。ねじ子が今一番楽しみにしているアニメだ。ギャグ要素をギリギリまで詰め込んで、一話完結をしっかりやって、かつ一年かけて大きなストーリーの起承転結がある。実は、今現在これができているアニメは他にない。サンリオという巨大資本とジュエルペットたちの「かわいい」という巨大な傘の下で、好き勝手やっている印象だ。
この曲は「ジュエルペット ハッピネス」のオープニング、かつエンディング曲である。どっちも同じ曲なんだよ?いまどき信じられる?その低予算ぶりもジュエルペットらしく、すがすがしいほどの潔さである。エンディングではジュエルペットと女の子たちが「光の果てに」を舞い踊る。それ自体は女児向けアニメによくある演出だけど、出来がいい。プリキュアのエンディングよりも予算はずっと低いだろうに、出来はこっちの方がいい。ステージの真ん中でずっとギターをかき鳴らしているジュエリーナ様がいい感じだ。
ちなみにフェアリーズ自身のMVはこれ。暗すぎて何も見えない。新しい技術を試すのもいいけれど、見えないのはどうかと思う。
そして、フェアリーズは頼むから生歌で歌ってくれ。安室ちゃんやspeedを目指すんだろ?下手でもいいから歌ってくれ。そしてアルバムを出してくれ。有料ライブをやってくれ。狭い箱でもいいから単独ライブしてくれ。CDリリース時のショッピングモール巡りだけ(しかも口パク)では、彼女らの魅力は伝わりにくいよ。あんなに可愛くてダンスも上手くて楽曲も魅力的なのに、もったいなすぎる。
第10位 くまモンもん / 森高千里
ちまたにあふれるくまモングッズ。どこに行っても、くまモングッズ。かわいいの洪水。うんざりだ。「そもそも沖縄に行ったら沖縄限定くまモンがあるし、北海道に行けば北海道限定くまモンが売っている。これいったいどういうこと?ご当地キャラの概念と矛盾してるよね?確かにくまモンのデザインはシンプルで秀逸だけど、それほど市場を席巻するようなモノか?」と思っていた。
でもこのMVを見終わった瞬間、ねじ子は天に両の拳を突き上げながら「くまモン、かわういいいぃぃぃぃぃぃーーー!熊本最高!熊本を日本の首都にしよう!」と叫んでいた。ダメな人。そもそも作詞作曲はKANだし、KAN大好きだし、森高の声はよく透きとおっているし、もちろん森高も大好きだし、振り付けは南流石だし。好きなものに好きなものを足してるんだから、そりゃ好きに決まってるよね。熊本城の鮮やかな緑を背景に、地元で愛されているだろうよくわからないお姉さん二人を従えて、ゆるーくダンスを踊るくまモンは、そりゃあとても可愛かったよ。はぁ。くそー、あざとい!(クリック)あざといわ!(クリック)何度も見るに決まってるだろ!ばか!
以上です。次はハロプロ楽曲ランキングでお会いしましょう。
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