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医師兼漫画家 森皆ねじ子

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コミケの三日目

コミケの三日目は人も多いし、男性向けは華やかだし、評論ブースは興味深い本が多いし、当たり日だと思っている。お買い物をとっても楽しみにしている。医 療ジャンルが三日目で本当に嬉しい。だがしかし、唯一の不満。それはハロプロの日と違うことだ!!ふがー!なんで芸能は二日目なのーぅ!!

私はハロプロが好きだ。つんく♂の作る歌が好きだ。歌詞が特に好きだ。人生をかけてけなげに歌い踊る女の子達が大好きだ。そもそも宴会芸で新入社員の女の 子達や病棟の新人ナースさん達が踊ってるだけでも(それこそ超下手クソで、全く揃ってないのに)楽しい気分になれるっていうのに。それをプロの、日本中 (最近はアジア中?)からかき集めた、とっておきの美しい女の子達が、とっておきのメロディで、完璧なダンスで、煌びやかな衣装を着て歌い踊ってくれるの だから。最高に楽しいに決まっている。気分が高揚しないはずがない。

彼女たちはプロだ。人生をかけたプロだ。一般人より数段美人なお嬢さん達さんが、ろくに学校にも行かせてもらえず、人生と青春をかけて、限りある若い時間 をなげうって仕事をしている。自由恋愛も制限されて、お買い物も遊びも満足にさせてもらえなくて、自分とは正直「全く釣り合わないような」男性のお客さん 達に完璧な笑顔を振りまいて、何の迷いもなく「ファンの皆さん愛してるよー」と言って。なにこの娘たち、天使?天からの使いとしか思えないんだけど。どう してその若さでそこまで人間ができているの?

この世の中に、「この人は天使に違いない」と確信し、背中に羽が生えてるんじゃないかとチェックしたくなる女性は意外とたくさんいるものだけど(ナースさ んや介護をしている主婦の方々に多い)、そのうちの一つがハロプロの女の子達だと、ねじ子は思う。あの年齢でその境地に行くのは大変だよなぁ。ただ可愛い だけじゃ駄目だもの。いや、むしろ顔の可愛さなんて、大して必要ないのかもしれない。一番必要なのは心意気だ。とても私にはできない。まぁ実際天使を続け きれず精神的に破綻してしまったと思われる例も近年多々出てきているけど(辻ちゃん加護ちゃんとか)、それも含めて女の子の人生模様だ。

男性ファンの皆さんは、ハロプロの女の子達のその「心意気」をもっと大切にしてあげないとダメだと思う。(2007/8/19)