BEYOOOOONDS夏公演と立川ステージガーデン
BEYOOOOONDS夏のコンサートツアー「NEO BEYO」ENCORE千秋楽に行ってきた。ビヨのホールコンは完成度が高い!と聞き、ぜひ一度見てみたかったのだ。
今週末、2023年9月2日・3日はすべてのハロプログループ(モーニング娘。・アンジュルム・Juice=Juice・つばきファクトリー・BEYOOOOONDS)が立川ステージガーデンでコンサートを開催した。そのすべてで当日券が購入できる状態だった。
立川ステージガーデンに私は今日初めて来た。その座席配置は、確かに「インターネットで読んだことはぜんぶ本当だったんだね……」と感じるものであった。座席番号を確認せずにこの会場のチケットを買うことは、私にはできそうもない。
しかしここまで来たからには、何があろうと全力で楽しむのだ。「楽しむことは人間の義務なんだよ」ってつんく♂さんも言ってるし。よし。立川ステージガーデンは、人気グループの千秋楽公演でも直前までチケットが買えるところがいいね!だから私も今日来られた!あとモノレールに乗れる!奥武蔵の美しい山々が見えるよ!このまま多摩動物園まで行っちゃおうかな!?たーのしー!!天気がいいとモノレールから富士山も見られるよ!あとあと、隣のIKEAでおいしいアイス(50円)とホットドッグ(100円)が食べられる!有料トッピング(+50円)でピクルスとフライドオニオンをたっぷりかけると、さらにおいしい!暑くても寒くても雨が降っていても、IKEAという快適な環境で退屈せずに時間をつぶせるのもいいね!
立川ステージガーデンの好きなところ:
・人気グループの千秋楽でも直前までチケットが買える
・当日券が出やすい
・新しくてトイレや設備がとてもきれい。トイレが一方通行なのもよし
・ロビーが広々としてソファーが多い
・ロビーに自動販売機が多い。自動販売機のドリンクの値段も高くない。
・会場内のピクトグラムがかわいい。エレベーターの乗客もトイレの男も女も車椅子の方もみんな拳を突き上げて盛り上がってる。かわいい。
・周辺の飲食店が豊富
・周辺で買い物や休憩やひまつぶしができる店舗が豊富。コトブキヤは店内に入るだけで楽しい。
・周辺に緑も多く、天気がよければピクニックできる
・休憩時間にIKEAで買い物ができる
・休憩時間にIKEAでごはんが食べられる
・休憩時間にIKEAの50円アイスが食べられる。おいしい
・休憩時間にIKEAの100円ホットドッグが食べられる。おいしい。私のおすすめはプラス50円して有料トッピングのピクルスとフライドオニオンをたっぷりかけること。
・IKEAで買い物する口実ができる
・モノレールに乗れる。楽しい(東京の西側の一部の住民限定)
・夜になると周辺の建物のライトアップが美しい
・スピッツの名曲『夜を駆ける』は再開発された立川駅北口で夜に遊ぶ子どもをモデルに描かれた歌なので、夜公演が終わった後に立川駅へ歩いて帰ると『夜を駆ける』の世界を疑似体験できる
立川ステージガーデンのあまり好きじゃないところ:
・一部の座席からの視界が悪い。上記の利点すべてを上回るほどに悪い。
・上記の座席ガチャを乗り越えたうえで、さらに前の人の身長/座高ガチャがある。前の人の頭が視界にかぶる席が、あまりに多いのだ。
・客が私一人ならばどの席からも十全に見えるのかもしれないが、そんな公演は存在しない。
・サイド席の場合は、隣の人の体格ガチャになる。舞台に近い側の隣の人の恰幅がよいと、視界に被ってきて手前側の舞台が見えない。ペンライトを振られるとそれが視界に入る。ハロプロでペンライトを振るな!と言うのは野暮なので、絶対に言いたくない。
・サイド席が舞台に90度の椅子、しかも固いのでステージを見ていると首や腰が痛くなる
・椅子の背中があたるクッション部分に座席番号が書かれているため、人が着席している状態で座席番号が見えない。遅く入るとどこが自分の席かわからん。
・立川駅から遠い。15分くらい歩く。雨や酷暑など、天候が荒れているときにはきつい距離だ。帰り道はとくにこの距離が長く感じる。IKEAでいろいろ買い物していると、なおつらい。(コンサート帰りなのにそんなに買うなよ……と自分でも思うが、たまにしかIKEAに行けないのでついいろいろストックを買ってしまうのだ)
・モノレールの駅ですら駅前ではない
・そもそも立川駅自体が都心から遠い。東京都民であっても遠い。東京駅も羽田空港も遠いため、遠征組にとっては相当きつい場所だと思う。日帰りができなそう。
……さて、ここからはコンサートの内容を書く。
声出し可能なホールコンサートに生で入るのは、実に4年ぶりであった。もう、ウリャオイが生で聴けるだけで嬉しい。重低音のウリャオイが好き。大好き。コロナ禍で発売した新しい曲にもコールが入っているのが嬉しい。コロナ前の定番コールがちゃんと復活しているのも嬉しい。桃々姫の元気な姿が見られたのも嬉しい。心配してたのよ!『求めよ…運命の旅人算』→『Hey!ビヨンダ』→『英雄~笑ってショパン先輩~』という新曲の流れとコールと生歌にすっかり満足して、最初の三曲だけで私は満足していた。桃々姫のトークボックスとDJみいみによる三曲の「つなぎ」のジャンクション、間奏の即興ダンスも最高だった。BEYOOOOONDSの近未来的なイメージと卓越した技術がバッチリはまっている。まんぷくだー。
写真は子どもの保育園のお道具箱から借りてきたカスタネット。ビヨのコンサートには必須らしいので、持ってきてみた。BEYOOOOONDS公式のカスタネットもある模様。
中盤でカスタネットを使ったリズムゲームが突然始まったことにも驚いた。一曲目『アツイ!』は客が自由にリズムを取っていい方式(メンバーのカスタネットに合わせるルールはあるのかな?)で、「パラッパラッパー」形式のリズムゲームであった。一転して二曲目『涙のカスタネット』は打つ場所がバッチリ指示されている「太鼓の達人」形式の目押し音ハメリズムゲーである。モニターの右から左へカスタネットのイラストが流れていき、判定枠に重なった瞬間に叩くやつだ。「太鼓の達人」じゃねえか!しかもかなり長い連打があるぞ!楽しい!なるほどこれはマイ・カスタネットあった方がいいね。もっとやりたい!
随所に入る小演劇、生ピアノ、トークボックス、ヒューマンビートボックス、みいみDJなど、他のハロではみられない要素が次々とお出しされてくる構成はめまぐるしくも充実していて、とても楽しかった。歌も上手く、ダンスも上手く、小ネタがよく作り込まれている。個々のスキルも高い。メンバーのコンビネーションもよく、ダンスも完璧に揃っている。非常によく練習されていてコンサート全体の完成度が高い。大満足だ!!!!
「これは完成形だ!」という思いとともに、完成しているがゆえに、ここから新しい要素をどんどん入れ続けていくのは大変だろうな……という気持ちも生まれた。私はBEYOOOOONDSの単独ホールコンサート初見なので非常に満足度が高かったが、繰り返し見ている人たちは、きっとどこかで飽きてしまう。同じメニューが続くと、たとえそれが高級食材で完璧に作り上げられた料理だとしても飽きる。または「一度でいい」と思ってしまう。お客さんが「新しい要素が欲しい」と思う時期が、そろそろ来る。
新しいアイディアを練り続けるのはとても骨が折れる作業だろう。でも、スタッフの皆さんには頑張って欲しい。ドルヲタってのは常に新しい刺激を求める罪深い生き物だから。
BEYOOOOONDSはあて書きの曲が多いため、「このメンバーじゃなくちゃ絶対ダメ!」というイメージが非常に強いグループだ。でも実は、ごく少数のメンバー卒業・加入(というか入れ替わり)によってBEYOOOOONDSはさらに魅力的になり得るんじゃねーかな?という印象を私は受けた。メンバー自身および、彼女らを支えるガチオタの皆さんはどうお考えなんだろうか?
三階サイド席で首を90度にひねりながら、私はそんなことをつらつらと考えていた。ああ、首と腰が痛い。正面が向きたい。なるほど、これが噂に聞く立川サイド席か。武道館のようにセンターステージや花道を作ってくれるならば、この椅子の向きも耐えられる。真ん中にリングを置いてバスケットボールをしてくれたら最高だ。でも、そうじゃない。ステージは私の90度左方にある。ステージの方を向いてない椅子を作りながら、少しは違和感を感じなかったのだろうか?人が座っていると座席番号が見えず迷子になることといい、前や横の観客が視界にかぶることといい、全席にお客さんがいる状態を本当に想定したのか?と疑いたくもなる。リリース前にテストプレイをせずデバック不足でバグだらけのゲームをやっている気分だ。客から金を取ってテストプレイさせるのはやめてほしい。
どうやらメンバーたちは会場の評判を知っているようで、観客をていねいに気遣ってくれていた。MCで高瀬くるみちゃんは「ちょっと不思議な形だから、見えにくかったりするかな?私たちからは皆さんのこと、全員、見えてますからね!」と言っていた。ありがたい。とてもありがたいが、そういう問題ではない。私はライブを見に来たのだ。「自分の顔」をメンバーに見てもらうために来たのではない。その二つはまったく等価交換ではない。むしろ、オタクの出席確認なんてどうでもいいんだ。そんなもんは二の次なんだよ。ライブが見えなかったら、なんのお話にも!ならないんだよ……。ごめんね、くるみん。
少なくとも
・一階席をフラットにせず段差を出す
・視界が見切れる席は売らない、または注釈をつけて売る(なんなら少し安めの値段にする)
・一階後ろやサイド席に客席降臨する
・花道を作るか、出島を作るか、センターステージにする
これらを徹底することによって、少なくともハロプロの客の不満は「そこそこ」減らせると思う。今後も立川ステージガーデンを使うつもりならば、ぜひ一考してほしい。
正直に言うと、今回のハロプロ夏ツアー大千秋楽祭のすべての公演において「一階がフラット」であったことに、私はとてもがっかりした。「客席からの視界が悪い」と主催者側が把握しているのに、それを解消するための努力をしていない。あまつさえメンバーに言い訳をさせている。これはよくない。次に立川ステージガーデンの公演チケットを予約するとき、大きな心理的足かせになる。残念ながらオタクからの信頼度は大きく下がってしまった。見えにくいことがわかっているのなら、主催者は観客を楽しませるための工夫をできる限りすべてやってほしい。メンバーに言い訳させるのは、その次だと思う。よろしくお願いします。
(2023/09/04 文筆、2024/1/20アップロード)