放射線のある暮らし
自己防衛@東京。
「ただちに健康に被害はない」というおためごかしが無効になってきたので、次は「100人に1人がガンになる放射線量だ」という表現が、よく出てくるようになった。それはその通りなんだろう。でも、「だから心配いらない」という言葉を、その次に続けることができる人は、想像力があまりに足らないと思う。
もしそれが医者の言葉なら、当事者意識があまりにもなさすぎる。そのような医者のいう白々しいセリフが、患者の信頼を得られるはずがない。
ポリオ生ワクチンでポリオになる確率が50-25万人に1人の確率(WHO)。この確率ですら、嫌だ。だから、今、ポリオ不活化ワクチンを求める運動が起きている。
それが母親という人種である。私もそう思うし、私自身も、そうである。
どんな低い確率であっても、自分または自分の子供に降りかかったら、それはその人にとって「100%」なのだ。ましてや、今回は1%である。高いだろ、それ。
放射線量を、車の運転や煙草と比べる人もいる。でも、それらは自分の意志でコントロールできる事象だ。放射性物質は、息をしている限り、水を飲む限り、好む好まざるに関わらず摂取せざるを得ない。意志で左右できる事象と比べるのは、ただの詭弁である。ましてや、もっとも放射線に感受性が高い子供達は、住む場所も食べるものも、自ら選ぶことはできないのだ。
私は医者なので、「人の命よりも大事なものなんかない」という信条で生きている。カイジの利根川さんは「金は命より重い・・・・! 」と言っている。今の政府と東電と保安院の対応を見ていると、「なるほど、世の中では利根川さんの言うとおりのようだ」と思う。それでも、私は医者なので、「人の命よりも大事なものなんかない」という信条で生きている。ガンになってからでは遅い。病気になった後に東電を訴えて、溜飲を下げたとしても、健康な体は二度と帰ってこない。だからこそ、飯舘村の16歳以下の子供と妊婦さんは、逃げてほしい。2011/04/04