2004年6月号 とりあえず過去問でも見てみましょう
いよいよダメ研修医ねじ子にも後輩ができる季節になりました。がむしゃらに人の後ろをついて動く事しかできなかった1年目を経て、ようやっと周りが見えてくるようになる(らしい)2年目。今は学生の皆様も、いつかこんな気持ちを味わうのでしょうか。
さて何をやるにしても「はじめの一歩」というのは気が重いもの。これを読んでいる皆さんはもう国試勉強、始めました?え、もうとっくに始めてるって?それどころかもうアプローチ1周終わった!?偉い!こんなページ読む必要なし!では一体「はじめの一歩」は何をしました?やっぱりQB?
これまで黄金パターンといわれている勉強法、それは「国試問題集(QBやアプローチ)を始めの一冊目の一ページ目からこつこつと解いていく」というものです。しかし。これがかなりの難行苦行。俺っちは3日で挫折してしまいました。だってやってもやっても全然進まないんだもん!その割に立て続けに潰瘍性大腸炎ばっかり出てくるし!その時だけは答え覚えちゃっててイマイチ実力が付いた気がしないんだよネ!臨床問題がやっと終わったよ…と思ったら、めくってもめくっても一般問題の嵐。…これ、終わるのか?あぁ空はこんなに青いのにどうして私はこんな所でお部屋にこもっているのかしら?…ここら辺でヘタレねじ子はQBを放り投げておんもに遊びに行ってしまいます。でもでも。こんな風にして始めっから国試勉強が嫌になってしまうのは非常に勿体ない。
ねじ子お勧めの国試勉強「はじめの一歩」、それは去年の再現問題集をとりあえず流し読みしてみることです。読み物感覚でかまいません。「解く」必要すらありません。本気でアレを解こう!とすると6時間×3日間もかかってすげぇ大変です。「はじめの一歩」にしてはずいぶん敷居が高くなってしまいます。導入はもっと簡単であるべきです。
再現問題集の解説ってのはたいてい別冊になってます。解説本だけ持って、行き帰りの電車の中ででも、ざっと読んでみましょう。問題文を読んでみて、1分くらいで答えを予想してみて、そしてすぐに!解説を読みましょう。たまに「すげぇ簡単」などの受験生の声が書いてあって「どこがすげぇ簡単だ!!さっぱりわからん!あぁ解けない私馬鹿だわもうダメ国試落ちちゃう地球の皆様さようなら」と小一時間へこむかもしれませんが、気にせず読み飛ばしましょう。落 ち込んでる時間があったら次の問題にさっさと進むのがポイントです。そして、国試には中学生でもできそうなすげぇ簡単な常識問題があること、かといって 「診断もつかないよう!それどころか治療法だって!?わかるもんか!!そんなもんわかってたらもう医者になっているよ!!」と言いたくなるような問題もあ ること、異常に公衆衛生が多いことなどを実感しましょう。そして今の実力で国試問題はどのくらい解けるのかを肌で感じましょう。
受験生が陥りがちな罠、それはまじめに問題を「解こう」としてしまって「あぁ解けない地球の皆様(以下略)」と問題を解くのをそっちのけで落ち込み、逃避し、時間をロスしてしまうことです。解けなくても全然かまわないのです。だってまだ勉強はじめてないんだもん。むしろ今できないのは良いことだと思いましょう。これから伸びるばっかりなんですから。