2004年5月号 医師国家試験は自転車免許の試験と同じだ!
今年の国家試験も発表となった。第88回国家試験はX2問題が急激に増加したとのことでアワを喰った受験生の皆さんも多かったであろう。しかも今年からガ イドライン変わるらしいし。困ったもんだ。どうしようってな感じである。そんな迷える皆さんに国家試験のねじ子的解釈を指南しようというこのページ。
さてさて突然だが今回のテーマを高らかに叫ぼう!それは「医師国家試験は自動車免許取得試験と同じ!!」である。
君も自動車免許の試験、受けたことあるかい!?一度でも受けたことのある皆さんならよーくわかるだろう、ものすご~く底意地の悪い引っかけ問題が満載の試験だということを!!その一例を挙げよう。
「図の標識のある道路では、定員17人のマイクロバスは通行できる。」
知るか!!…気を取り直して解説を見てみよう。「乗員定数11人以上のバスは大型乗用自動車になるので通行できない」だって。11人だろうが17人 だろうか知るわけがないというものであろう。次、つぎ。「原動機付自転車を押して歩いている人は歩行者と見なす」え、これは○でしょ?習ったよ?…答えは ×。「エンジンを切って押して歩いて、初めて歩行者と見なされる」……しーん。国土交通省の性格の悪さが非常によくわかる例である。普通の常識で考えてし まえばこれは○だ。しかし答えは×なのである。これは難しい。はっきりいってとても解けない。何も対策していかなければ、誰もが落ちる難攻不落の試験だ。 しかし、しかしだ。みんな受かっている。会場の80%は受かる。どんなヤンキーでも暴走族でも受かる。それはなぜだ!?それはひとえに、「それにそなえた 対策をしている」からだ。それはどんな対策だ?どんな本屋でも売っている「自動車免許取得試験の過去問題集」を解いてから受けに来ている、ということなの だ!!あの本を一目見ておけば、本当にほぼ「同じ」問題が実際の試験にも出る。だからどんな意地悪な引っかけ問題でも解けるのだ。
しかしだ。逆に、過去問をまったく解かずに試験を受けに来ている人間は、必ず落ちる。あんな試験で点は取れない。真っ白な頭で常識的に解いたら、 必ず引っかけ問題に引っかかるようになっている。これは「真の頭の良さ」や「真の学力」にはまったく反映しない。現に私の同級生で、クラスで一番頭の良 かったT君は医学部2年生だった当時、自動車免許試験に落ちた。どんな馬鹿な暴走族でもヤンキーでも(車に乗りたいから)免許の試験だけは必死こいて勉強 し、そして通してくるのに。T君は落ちた。なぜだ。T君がヤンキーより頭が悪かったと思うか?
そんなはずはない。
あまつさえ、彼が車に詳しくなかったわけでも、運転が下手だったわけでも、一般常識が足りなかったわけでもない。「20%しか落ちない簡単な試験に落ちるなんて、Tって奴、すげぇ馬鹿」と君は思うか?あまり思わないであろう。彼はただひとえに、試験に備えた「特殊な対策」をしていなかった=過去問を見ていなかっただけなのだ。
国家試験もそれと同じである。みんな勘違いしては駄目だ!!駄目だ駄目だダメだ!!医師国家試験に必要なのは医学の知識ではない!!真の頭の良さでもない!ただ「特殊な対策をすること=過去問を見ておくこと」なのだ!!「90%合格する、日本一簡単な資格試験」と人は言う。しかし、何も対策をせずには、一問だって解けやしない。教授にだって解けやしない(自分の専門の分野以外)。
必要なのはただ、過去問を解いておくこと。さぁそこの君、こんな雑誌立ち読みしてないで今すぐ過去問を見なさい。手に入れなさい。医学教育出版社のじゃなくてもいいから、98回過去問題集を買いなさい。
そして次号はパンダ式・過去問のとき方だ!
※「受験は、自転車免許の試験と同じ。」この元ネタは、マスコミに頻繁に登場なさる精神科医・和田秀樹先生の名言である。この言葉自体は、大学受験 において使われたものであるが、医師国家試験こそ、これが当てはまるとねじ子は思う。和田先生のことを何かととやかく言う輩も多いが、ねじ子はこの方の受 験指南書がなかったら医学部に受かっていないので、足を向けて寝られない。