完璧手技第10回 中心静脈カテーテル
最終号にふさわしく、ついに満を持して登場!研修医&全学生憧れの手技・中心静脈カテーテルです。中心静脈なんていうありもしない静脈に管をつっこむ行為です。末梢から入れるとイマイチのもの(高濃度の栄養、カテコラミン、漏れると周囲の組織が壊死する薬など)を体内に入れるために、使います。重傷な患者さんや、口から食べられない患者さんの全身管理には不可欠なシロモノです。
刺すべき静脈は、目に見えません。触れることもできません。目に見えない血管に、解剖学的な位置だけを信じてぶっとい針を刺すんですから、かなり盲目的な手技だとも言えます。よって事故は付き物です。それでもやらなければならないのです。怖いですね。つい先日も、ねじ子内頸静脈にアプローチ中、見事内頚動脈に ヒットしました。びくびくしてひたすら圧迫するねじ子にオーベンは言いました。「あぁ、動脈なんて刺してナンボだから。あっはっはー。」…とりあえず必死 で押さえましょう。とりあえず今回は、最も頻度が高く、かつ安全である内頸静脈アプローチについて今回は取り上げます。
一番大切なのは場所決めです
これがIVHセットだ!
麻酔&試験穿刺
カニュレーションの概念は「内筒をとがったものにして、外筒を柔らかいチューブにする」「内筒だけ抜いて外筒を残し、進める」というものであり、基本的には先々月号で行った「点滴」における留置針と、まるきり同じです。