修羅場終わりました
冬コミの修羅場が終わった。今回は特に「実生活」と「医業」と「執筆」の三つの兼ね合わせがむずかしかった。さらにそこに家族のインフルエンザと溶連菌と自分の腱鞘炎と家事と育児とサンタさんのお手伝いとカントリー・ガールズ全員卒業(「なんの理由があって私の可愛い娘たちがこんなひどい目にあわなきゃいけないんだよ!おかしいだろ!」って憤りが止まらない)と、ガラルチャンピオンリーグとポケモンカレー図鑑完成とリングフィットトレーニングが重なって、死ぬかと思った。
スーパー戦隊Vシネマ「リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー」の一報があったから私は頑張れた。これがなかったら頑張れなかった。脚本が香村さんと荒川さんの共作で嬉しい。戦隊Vシネマが全国ロードショーに戻ったことが嬉しい。快盗たちの後日談が描かれていそうな予告であることが、飛び上がるほど嬉しい。原稿用紙に埋れて徹夜しながら、私はこの動画を100回は再生した。あぁ、この数ヶ月夢にまでみたルパパトの新規映像だ!
そしてサンタさんからもクリスマスプレゼントが来たよ!ありがとうサンタさん!良い子とはいえない私の元にも、サンタさんが来てくれた!やったあ!
……脊髄反射で予約注文したあと商品説明をじっくり読んでるんだけど、初美花ちゃんの要素が全然ないな(小声)ブロマイド?にいるかもしれないくらい?
戦隊ブログvol.107 ルパパトのメモリアルアイテム、予約受付開始! | スーパー戦隊おもちゃウェブ | バンダイ公式サイト
商品開発者さんのライナーノーツがとても熱くて嬉しい。新規音声収録がたくさんあって嬉しい。私の一番好きな劇伴である『快盗戦隊ルパンレンジャーのテーマ』がボタン一つで流れるだけでも1万円の価値はある。やったね!
しかし初美花ちゃんの要素が全然ないな(小声)
戦隊メンバー全員分の音声を少しだけでも入れてくれていいのよ、ほら、変身時の名乗りとかさ。決め台詞もいいね。一言だけでもいいから、なにかないのかな。
……プレミアムバンダイはいつからか、私達ハロヲタの財布を狙わなくなった。放送開始初期はWヒロイングッズだの何だのを用意して私たちを狙い撃ちしていたというのに、今はまったくない。
これはWレッドとノエルにたくさんの新規ファンがつき、金銭化のめどが立っている(つまりそっちの方が儲かる)ということなんだろう。これはこれで素晴らしいことだ。
Wヒロインのみが出演したてれびくんDVD『ガール・フレンズ・アーミー』はその販売形態とあまりの高額ぶりに、特撮ファンからもハロヲタからもかなりの反発を招いた。
癒してハロプロ てれびくんのルパパトヒロインDVD 本編16分で6500円っておかしくない?
ハロプロニュース : 【工藤遥効果】子供の味方「てれびくん」がおっきなお友達向けの商売に手を出してしまう
工藤ファンの中からも「あんな商品をあんな値段で買ってはいけない」「あんなぼったくりDVDでもファンは買う。足下を見られてるんだ」「あんな値段でDVDを買った奴がいるから、小学館は調子に乗って15000円もする超全集を出すんだよ」という声も聞いた。
それらの意見は正しい。きっと正しい。私も当時、怒髪が天をついた。私は古い人間なので10年前に『てれびくん特せい 仮面ライダーオーズ超(ハイパー)バトルDVDクイズとダンスとタカガルバ』(本編23分)を送料込で1250円で購入したことを、きちんと覚えている。つまり16分6,500円は明らかに高い。アイドルの映像商品の相場としてもありえないほど高い。ましてや子ども向けのお値段からはかけ離れている。全国の良心的な親御さんや特撮ファンが怒るのも当然だ。
ハロヲタすらも分断するような、そんな売り方はもう真っ平ごめんだ。おたくの財布を狙われまくって、足元を見られまくり、オタクの間でも激しく意見が割れてしまうような事態はもう二度とごめんなのだ。ごめんなんだけど。
……全然あてにされなくなると、それはそれで、嬉しいような、ありがたいような、少しさびしいような。(2019/12/29)
追記:クリスマスケーキは子どものリクエストで仮面ライダーゼロワン(プログライズキー付き)を選びました。スモークサーモンのサラダも作って食べたよ!
絵というものは、作者が世界をどう見ているかの表出である
インフルエンザ療養中で暇を持て余していた長男のために、塗り絵を作ることにした。すでに解熱して体力は有り余っているものの、他人への感染力があるため外で遊ぶことができない状態の子供を退屈させないために、塗り絵はとても有益である。私も好きなファン・フィクションを描けてよい気分転換になる。一石二鳥だ。ちなみに台風で2日間家から出られない間も、この塗り絵は非常に役に立った。なんと言っても電源を使用しない。停電しても大丈夫。ていねいに塗っていると、そこそこ長い時間をつぶせる。親子の遊びとして最適だ。
「変身後も描いてほしい」と言われたので「るぱぱとぬりえ その2」も作った。金と銀の色鉛筆があると、より楽しい。
私は人体のデフォルメをするとき、四肢の末端を肥大させる癖がある。これは完全に手塚治虫先生の影響である。吾妻ひでお先生や内山亜紀先生も私と同じタイプであった。私の動物イラストの原点がテディベアやパンダのぬいぐるみにあることも一因なのだろう。とにかく手足を大きく描いてしまう。
ちなみに、現在における人体デフォルメイラストの流行は「手足の先端を細く小さくする」ことである。私も仕事であれば手足の先を細く小さく描くこともある。でも、自分が「可愛い!」と思うように描くとつい手足の先が太くなってしまうのだ。
「絵を描く」という行為には肉体的な喜びがある。特に、好きなものの絵を描いているときに感じる喜びは大きい。好きな対象の絵を描きあげたあと、全身が喜びで満たされるのがわかる。この前腕の筋肉に、この手掌と指に集まったたくさんの小さな伸筋群と屈筋群に、それらにつながる末梢神経と前頭葉に喜びが走る。ただじっと対象を見ることよりも、語ることよりも、関連グッズを消費するよりも、よりよく対象を理解し対象と溶け合うような感覚に満たされる。これは他では得がたい肉体的な喜びの体験である。プールでたっぷり泳いだ後に肌と筋肉が感じる、水と溶け合うような感覚。または緑の森の中を歩いた後に感じる心地よさと爽快感。それらに近いものを感じる。絵を描くことで私は対象を十全に咀嚼し、理解することができる。「絵を描く」ということは愛する対象を「理解する」ことであり、私がどのように世界を理解したかを「表に出す」行為でもある。描画以外では得られない高揚感を私はいま感じている、ルパンレンジャーとパトレンジャーの絵を描きながら。(正確には、医学の絵を描いているときにも私は同じ快感を感じている。絵を描きながら私は、このちっぽけな私は、人類の四千年の歴史とともに続く医学という学問の海に溶けて融合していくのだ。)
例えば私は初美花ちゃんのイヤリングやつかささんの前髪サイドの編み込みの構造に大きく注意が向く。資料をじっくり観察し、丁寧に書こうと心がける。それに対して、VSチェンジャーはもうできるだけ描きたくない。描写も適当になる。なんなら「しまった、どうしてVSチェンジャーを持つ構図にしてしまったんだろう。VSチェンジャーを描くのが面倒くさい!違うポーズにするべきだった!」とさえ思う。
ところが小学生の息子は、私が適当に描いたVSチェンジャーの構造のミスにすぐに気がつくのである。彼は塗り絵をしながら「VSチェンジャーが左右対称じゃない、おかしい」「オレンジ色を塗る部分がない、おかしい」「圭一郎の手の関節がおかしい。肘をひねってる。これじゃチェンジャー持てないよ?」という感想を持つのである(その通りであった)。VSチェンジャーに関しては、わざわざ本物のおもちゃを手元にもってきて赤いパトランプやオレンジのラインや黒い縁取りをわざわざ追加で描いていた。私はうろ覚えで適当に描いて満足していたのに!
それに対して、私が注力して描いた女子の髪型に関してはなんの興味もない。子「つかさ先輩の髪の毛の横、これなに?」母「編み込みだよ」子「なにそれ?そんなのあったっけ?」母「あったよ!ほら!(実際の写真を見せる)」子「あー、いらないよ。これ」という反応である。「いらなくねえよ!むしろ一番重要だよ!」という私の叫びも、彼には響かない。彼は人体の関節の構造とメカの細かい意匠にしか関心がないのだ。「絵を描く」という行為には「興味の違い」が如実に出ることがよくわかる一例である。興味の違い、つまり「世界を見つめる角度の違い」が露骨に出る。私が全力で注視した①まず顔を似せること、②髪型を似せること、③快盗衣装と警察衣装の細かい意匠を四頭身に可愛く落とし込むことに、彼はまったく関心がない。でもVSチェンジャーにオレンジ色のランプが描かれてないことは耐えられない。絵を描くということは対象をより知るということであり、対象に向いている興味が露骨に表に出てしまうことであり、その人が世界をどのように見ているかを(自らの意図よりもずっと赤裸々に)うつし出す行為である。絵を見れば、その人が世界をどう見ているかがわかる。
ちなみにその後、帰宅した次男は変身後のノエルがいないことに耐えられないらしく「エックスは!?エックスいるでしょ。かいて」としつこく食い下がられた。「あ、いや、活動初期ってことでどうですか?ノエルが来日する前の絵ってことで、よくない?だめ?」という私の意見は彼にまったく受け入れられなかった。しかもルパンエックスとパトレンエックスの両方を追加で描かされた。まったく、たとえ塗り絵であっても絵を描くということはその人が世界をどう見ているかを表出させる行為である。画家には世界が彼ら/彼女らの描く絵のように見えているのだ。(2019/10/20)
るぱぱとぬりえ
るぱぱとぬりえ その2
(ご自由にお塗りください)
Once Upon A Time in AKIHABARA<各論>
POARO / Once Upon A Time in AKIHABARA
2002年当時の秋葉原。
秋葉原もずいぶん変わった。この曲がリリースされた当時の私も「秋葉原はずいぶん変わったなぁ!」と思っていたが(URL)そのときからもずいぶん変わった。
この曲が出たのは、電気工学とパーツの街だった秋葉原にアニメキャラの看板が乱舞するようになり始めた時期である。自らがオタクでありながらも、私は街の変貌に困惑した。
「電車男」というテレビドラマが大ヒットし、秋葉原は「オタクの街」として一躍有名になった。美少女アニメキャラの看板が舞い踊り、メイドと地下アイドルが大量に集まって一大ムーブメントを作り、外国人観光客が押し寄せ、静岡から来た男が歩行者天国で通り魔事件を起こした。いまやそんな時代すらも過去になった。今の秋葉原にはもう、バスケットボールコートも石丸電気も紙風船もメッセサンオーもアソビットシティもアキハバラデパートも交通博物館もボウルズボールBBもない。再開発が進み、大型ビルがにょきにょきと生え、ラーメンとケバブとおでん缶しかなかった(だから「一食くらい食わなくても死なない」というPOAROのリリックが心に響いた)食事場所は格段に増えた。秋葉原にすらタピオカ屋が生えていて笑っちゃった。様々な国の観光客がポケモンやドラゴンボールや美少女フィギュアを買い漁りに来る、日本を代表する巨大エンターテイメント街になったのだ。
もちろんそんな周囲の喧噪は意に介さず、電気街としての秋葉原は存在し続けている。秋月電子と千石電子と謎のジャンク屋は相変わらず健在だ。ガード下のパーツ屋のたたずまいも変わらない。闇市だった戦後当時から存在するアダルトショップは、中国語で呼び込みの放送を流す観光客向けテンガショップに生まれ変わっていた。たくましすぎる。これらの店が存在している限り、秋葉原はきっと変わらない。
●ハロヲタ兼特撮おもちゃ好きのための秋葉原巡回ルート2019年版
秋葉原駅に到着→ラジオ会館を下から上へざっと流す(特撮関連商品があるのはハピコロ玩具、あみあみ、宇宙船、アキバのエックス、イエローサブマリンなど) → ジャングル2号館 → 千石電子 → 秋月電子 → カルチャーズZONE1階のらしんばん秋葉原店新館(特撮DX玩具とフィギュア) → 同じビル3階のTRIOカルチャーズZONE店でハロプロの中古商品を探す → まんだらけコンプレックスを上の階から下の階までざっと流す(7階に特撮DX玩具)→ 駿河屋秋葉原本店3階(おすすめ。特撮玩具がワンフロアにあり便利※1)→トレーダー本店で仮面ライダーの玩具とDVDチェック(扱いは少ないが相場より安い)→ 駿河屋アニメ・ホビー館3F(おすすめ。特撮玩具山盛り※2)→リバティ8号館(おすすめ。特撮玩具山盛り※3) → ハロー!プロジェクトオフィシャルショップ → 買いたいものがある場合は秋葉原駅方面へ戻る、特に戻る必要がないときは末広町駅から帰る。
※1※2 同じ駿河屋でも店舗によって値段が違うので注意。
※3 DX玩具は3階、ガチャガチャと食玩は7階にある。フロアが分かれているのが難点。相場より値段が高い。そのせいもあって古い作品の在庫が潤沢に残っている。商品の種類の多さは抜群で、「放送当時はこんなものを売ってたのか!」という古典作品玩具との様々な出会いがある。一回しか来店できない観光客が多い秋葉原という立地に合っていると思う。ゴーオンジャーのガチャガチャの炎神があんなに揃っている実店舗は初めて見たし、シンケンジャーやジュウオウジャーのスィングが今でも手に入るのなんて秋葉原でもここくらいだろう。
今日一番の収穫は、TRIOカルチャーズZONE店のハロプロのショーウィンドウにハロメンのフィギュアスタンドキーホルダーが全50体くらい並べられているど真ん中に、新木優子さんのサイン入り卓上カレンダーが鎮座されていたことです。可愛い女子に囲まれた新木優子さんは、満面の笑顔でとてもとても幸せそうに見えました。ディスプレイした人は、ハロプロのことも周辺文化のことも、完全にわかってるな。
放送当時品切れで手に入らなかったビルド&ルパパト夏映画のパンフレットと勇動パトレン1号とノエルのミニプラセットも手に入りました。やった。次の休みは勇動スーパーパトレン1号とミニプラVSXを自作しよう、そうしよう。(2019/9/6)
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