2013年俺コンランキング・楽曲編 6~10位
※俺コンランキングとは2013年に見たり聞いたりしたものの中から勝手に自分内でランキングを付けたもの。独断と偏見に満ちている。しかも必ずしも 2013年に発表されたものではなかったりする。
今回は長くなってしまったので、1~5位と6~10位でエントリーを分けます。
2013年俺コンランキング 6~10位
2013年俺コンランキング 1~5位
2013年俺コンランキング・楽曲編。
第6位 Get Lucky / Daft Punk
ダフト・パンクの8年ぶりの新譜。私の好きだったダフト・パンクはどこかに行ってしまった……と思っていたら、予想の斜め上の方向から帰ってきた。しかも私の大好きな方向、まさかの70年代ディスコファンクである。まるでダフト・パンクじゃないみたい。ヴォーカルも知らない黒人さんだし。誰。どうやらファレル・ウィリアムスという名のアメリカの音楽プロデューサーらしい。カッティング・ギターの音色も最高だ。誰。と思っていたらまさかのナイル・ロジャースだった。しかもちゃっかりMVにも映ってる。やだー、完全にシック(CHIC)じゃないですかー。夏は毎日これを聴いていた。
第7位 リスペクトーキョー / アップアップガールズ(仮)
アップアップガールズ(仮)の曲で一番好き。この曲を聴くために横浜ブリッツまで行った。近所のおばちゃんに「芸能人みたいに可愛い」と言われ、田舎で勘違いを重ねた女子高生が、アイドルになりたくて、休日に原宿に来て、メディアで扱われる肥大した東京のイメージをもとに勘違いをまき散らす歌詞がとてもよくできている。歌詞を体現しているかのような、長野と群馬在住の(東京に通ってアイドルをやっている)現役女子高生の二人がメインで歌っているところもいい。さらにこの曲のバッキング・トラックは、ヘッドフォンで爆音で聴くと軽くトリップできるほど心地よい重低音をしている。レコードショップでインストルメンタルを視聴していたら、自分が埃まみれの地下のクラブに紛れ込んで午前2時にソルティドッグを片手にカウンターでウトウトしているかのような幻覚にとらわれた。あぁ、もっていかれる音楽だ。目を開けたら池袋のタワーレコードに自分がいて驚いたほどである。現実は、乙女ロードでフィギュアを山ほど買った帰り道に小さいオタクのおばちゃんが試聴機の前で一人たたずんでいるだけなのだが。
第8位 紅蓮の弓矢 / Linked Horizon
今更私が紹介するまでもない、アニメ「進撃の巨人」のオープニング曲。
突然だが、日本の若者の音楽の聴き方はたいていこの3通りに大分できると思う。
①洋楽のみを聴く。全米TOP40などをよくチェックする。邦楽には全然ピンとこない、むしろ若干馬鹿にしている。
②J-popのみ、広く浅く聴く。
③特撮ソング・アニメソング・声優ソング・ゲーム主題歌など、いわゆるサブカルチャー周辺の楽曲を偏重する。
幅広い年齢層であれば、これに④クラシック・ジャズを寵愛する派閥もいると思うが、若者では人数が少ないため今回は割愛する。
1990年代くらいまでは、これら3種類の音楽好きのうち、最も幅広く豊かな音楽体験ができていたのは①の洋楽派だったと思う。②邦楽は洋楽の後追いばかりであったし、③当時のアニメソングは、メロディーや歌手は秀逸だがアレンジやオケにあまりにお金がかかっていなくて、ペコペコしたシンセサイザーの軽い音か、お風呂の中で録音したのかと思うほどボワボワした音のものが多かった。ねじ子は生まれてこのかたずーっとオタクなので、アニメソングも特撮ソングも愛していたけれども、「音楽としてのクオリティが高い」とはお世辞にも言えなかった。
しかし時は流れ、現在の2010年代において、最も幅広く豊かな音楽体験をしているのは実は③のアニソン偏重派の人たちだと思う。現在のアニメソングは世界の音楽を見渡してみても、最も金が安定して稼げて、最も好きなことができて、クオリティ・バラエティともに実は一番層の厚いジャンルになっている。『紅蓮の弓矢』を聴いたときに、それを強く感じた。いま、日本でこの類の音楽を「売る」方法が、アニメのタイアップ以外には存在しないのだ。この曲は「進撃の巨人」のために作られ、確かに「進撃の巨人」のオープニングとして世界一ふさわしい曲である。そして「進撃の巨人」のオープニングというのは、世界中で音楽を何回も繰り返し聞いてもらうためにいまや最も効率のいい手段なのだ。
私がこう思うのは、アメリカ音楽もイギリス音楽も邦楽もロックもポップスも停滞して、新しい流れを久しく感じていないせいもあるかもしれない。でも、楽曲重視・歌唱力重視・ライブ重視で音楽を選んだとしても、最近はアニソンの方が打率が高いんだよ。若年層の人気が集中するのも当然だと思う。
第9位 光の果てに / フェアリーズ
アニメ「ジュエルペット」は毎クール面白い。「女児向け銀魂」と言われるほどのネタアニメぶりを、土曜の朝から見せてくれる。ねじ子が今一番楽しみにしているアニメだ。ギャグ要素をギリギリまで詰め込んで、一話完結をしっかりやって、かつ一年かけて大きなストーリーの起承転結がある。実は、今現在これができているアニメは他にない。サンリオという巨大資本とジュエルペットたちの「かわいい」という巨大な傘の下で、好き勝手やっている印象だ。
この曲は「ジュエルペット ハッピネス」のオープニング、かつエンディング曲である。どっちも同じ曲なんだよ?いまどき信じられる?その低予算ぶりもジュエルペットらしく、すがすがしいほどの潔さである。エンディングではジュエルペットと女の子たちが「光の果てに」を舞い踊る。それ自体は女児向けアニメによくある演出だけど、出来がいい。プリキュアのエンディングよりも予算はずっと低いだろうに、出来はこっちの方がいい。ステージの真ん中でずっとギターをかき鳴らしているジュエリーナ様がいい感じだ。
ちなみにフェアリーズ自身のMVはこれ。暗すぎて何も見えない。新しい技術を試すのもいいけれど、見えないのはどうかと思う。
そして、フェアリーズは頼むから生歌で歌ってくれ。安室ちゃんやspeedを目指すんだろ?下手でもいいから歌ってくれ。そしてアルバムを出してくれ。有料ライブをやってくれ。狭い箱でもいいから単独ライブしてくれ。CDリリース時のショッピングモール巡りだけ(しかも口パク)では、彼女らの魅力は伝わりにくいよ。あんなに可愛くてダンスも上手くて楽曲も魅力的なのに、もったいなすぎる。
第10位 くまモンもん / 森高千里
ちまたにあふれるくまモングッズ。どこに行っても、くまモングッズ。かわいいの洪水。うんざりだ。「そもそも沖縄に行ったら沖縄限定くまモンがあるし、北海道に行けば北海道限定くまモンが売っている。これいったいどういうこと?ご当地キャラの概念と矛盾してるよね?確かにくまモンのデザインはシンプルで秀逸だけど、それほど市場を席巻するようなモノか?」と思っていた。
でもこのMVを見終わった瞬間、ねじ子は天に両の拳を突き上げながら「くまモン、かわういいいぃぃぃぃぃぃーーー!熊本最高!熊本を日本の首都にしよう!」と叫んでいた。ダメな人。そもそも作詞作曲はKANだし、KAN大好きだし、森高の声はよく透きとおっているし、もちろん森高も大好きだし、振り付けは南流石だし。好きなものに好きなものを足してるんだから、そりゃ好きに決まってるよね。熊本城の鮮やかな緑を背景に、地元で愛されているだろうよくわからないお姉さん二人を従えて、ゆるーくダンスを踊るくまモンは、そりゃあとても可愛かったよ。はぁ。くそー、あざとい!(クリック)あざといわ!(クリック)何度も見るに決まってるだろ!ばか!
以上です。次はハロプロ楽曲ランキングでお会いしましょう。
ちなみにこの傷心はモーニング娘。武道館講演に行ったらとっとと解消されました
モーニング娘。が紅白落選して悲しいなぁ。私自身はテレビ見ないですむから助かるけど、道重さゆみも鞘師里保もずーっと「紅白出たい出たい」って言ってたんだよね。まだ12歳だった鞘師がモーニング娘。オーディションに合格してすぐの頃、小さい神社へお参りに行って「紅白に出れますように」って神様にお願いしてたの、ちゃんと覚えてるよ。その頃は「そりゃ無茶ってもんだよお嬢さん。今のモーニング娘。は普通のテレビすら、ろくに出られてないんだよ」と切なく思っていたのだけれど、状況は変わりつつある。今年はもう少しだったと思うんだけどなぁ。結構がんばってたと思うんだけどなぁ。鞘師が悲しいと、私も悲しい。
しかも傷心をいやすためにジャンプを買いにいったら、ハロヲタの今日和老先生の連載『ひめドル』が打ち切りエンドを迎えていた。巻末コメントで何度も今のモーニング娘。のことを書いてくれていたというのに。まったく今日はさんざんな月曜日だ。唯一良かったことといったら、『銀魂』でいつの間にか銀時と土方が入れ替わっていて、銀時(中身土方)がびっくりするほど格好良かったことくらいである。あーぁ。

最後の「あぁ!」という台詞は、ハロプロユニット「あぁ!」へのオマージュですよね?「ああ!」でもなく「あぁ」でもなく「あぁ!」なのはわざとですよね!?わかります!私には伝わりましたよぉ!!
※あぁ!のデビューシングル『First Kiss』。いい曲。でもメンバーはあまりにも子供。閉口されてもしかたないほどの、子供。
ハロヲタ的には、ハロヲタを自ら表明して下さっているわりには片方のヒロイン(黒髪)の造形が前田敦子似だったことも敗因の一つではないかと思います。和老先生は娘。ヲタのようですから、それなら黒髪ヒロインの造形は道重さゆみ以外の選択肢などこの世に存在しませんし(※極めて個人的な意見です)もう片方の茶髪ヤンキーヒロインは、思いきって田中れいなか工藤遙にガッツリ寄せたキャラデザにしておけば、私のようなハロプロキチガイが狂喜乱舞で万札を投げていたと思います。オタクというものはオタクであるがゆえに、そういう細部にこだわるのです。絵はみるみるうちに上達して女の子達の可愛さもドンドン目立ってきていたので、次回作に本気で期待しています。そしていつか、モーニング娘。の漫画を描いて下さい。是非に、是非に描いて下さい。お願いします。商業誌でも同人誌でも、どんな媒体でもかまいません。我々はどこへだって読みにいきます。(2013/11/25)
もちろん帰りにうどん食べました。明日が待ってますからね。
℃-uteの武道館講演に行った。℃-uteの日(9月10日)のチケットは入手困難だったので前夜祭(9月9日)である。非常に素晴らしいコンサートだった。ねじ子は3回ほど泣いた。
最近は武道館の敷居が低くなってきている。知名度も実力も関係なく、ぽっと出の新人でもイベントを打ってる印象がある。「武道館に思い入れを持つなんて古くさい」という意見もうなずける。けれども、少なくとも℃-uteちゃんたちにとって、武道館を平日2日間満員にできたことには大きな意味がある。彼女たちはどん底からここまではい上がってきたのだから。下積みの美談を作り上げるために作為的に用意された「苦労」の押し売りではなく、本当に底が見えないどん底から。そう、今では信じられないかもしれないが、℃-uteは確かにどん底だった。
8人で華々しくインディーズデビューした『まっさらブルージーンズ』に、ねじ子は当時ひっくり返るほどの衝撃を受けた。ファンの数は一気に拡大し、レコード大賞新人賞も獲った。でも、その後が非常にまずかった。村上愛が最悪の形で辞め(男性との相合傘をストーカーに撮られた翌日に電撃引退)、有原栞菜も違った種類の最悪の形で辞めた(ジャニーズの男の子と写真を撮られる)。この時の相手が悪かったせいで、現在に至るまで主要な音楽番組に出ることも、大きなタイアップを取ることも難しくなってしまった。そして追い打ちをかけるように梅田えりかchanもモデルを目指して卒業した。製作陣も初期のテンションを保つことができなくなってしまったのか、楽曲の質も目に見えて低下していく。挙げ句の果てに、梅さん卒業後初のシングル『SHOCK!』は愛理のソロ曲であった。愛理ファンおよび(ソロを望んでいなかった)愛理本人は大いに困惑し、愛理以外のメンバーのファンは激怒した。移り気なアイドルファンはもちろんのこと、度重なる不幸に耐えてきた古参ファンたちをも呆れさせるのに十分であり、熱心で強固なハロヲタでさえも℃-uteに(いや、正確には事務所に)失望してしまった。
不幸なのはそれだけではない。この頃、モーニング娘。は新メンバーを長期にわたって募集していなかった。その目的の一つはおそらく、Berryz工房と℃-uteにファンの目を向けさせることにあった。しかし、℃-uteを襲った度重なる不幸によって、その目論見は残念ながら当初の予定ほど上手くいかなかった。ファンの一部はPurfumeに流れ、48Gに流れ、ももクロに流れていった。そしてハロプロはその歴史上で最もファンの少ない時代を迎えた。2010年頃のことだ。10代後半~30代男性という女性アイドルファンのボリュームゾーンを根こそぎ余所さまにもっていかれて、ハロヲタにはロリコンとゲイと一部の女しかいなくなったのだ。ねじ子自身はそのころ最も狂信的なタカ派のハロプロ信者だったけれども、当時のハロプロ現場は確かになかなか見応えのある客層であった。どこに行っても「コミケの三日目より凄惨な光景だわ」と思った。私たちはキモヲタと呼ばれ、古臭いと言われ、「まだやっているの」と言われ、テレビでもネットでももちろん現実社会でも、散々馬鹿にされた。
もちろん℃-uteの売上と観客動員も目に見えて減っていく。でも彼女たちは諦めなかった。必死にダンスを揃え、歌唱力を上げ、容姿を磨き、決して太らず、腐らなかった。そして色々な「新しい試み」をした。結果的にはその新しい試みが実を結び、今に至ったのだと思う。
まず、ハロプロのアイドルにしては珍しく対外的なアイドルフェスに打って出た。アイドル横丁祭やニコニコ超会議に鬼気迫る勢いで出演し、毎回素晴らしいパフォーマンスをした。なぜ当時℃-uteが選ばれたのかはよくわからないが、とにかくとんでもない気迫で、10年選手としてのキャリアをきちんと出し切った。「℃-uteはライブがすごい」という評判もここから生まれた。
そして岡井千聖ちゃんのネット動画における功績も大きい。最も有名なのは『まっさらブルージーンズ』の「踊ってみた」をYoutubeにアップしたことだろう。プロ本人が「踊ってみた」動画をあげるのは今では珍しくないが、当時は新聞の社会面で紹介されるほど画期的だった。ダンスの上手さにも驚いた。真似しやすい正面からの定点撮影だったために、素人さんがそれを真似る「踊ってみた」動画もたくさん派生した。さらに岡井ちゃんをトレースしたMikuMikuDanceのモーショントレースが作られ、二次元の様々なキャラクターがニコニコ動画で『まっさらブルージーンズ』を踊り、爆発的人気が出た。『Kiss me 愛してる』でも同様の現象が起こり、若年層への℃-uteの知名度は飛躍的に上がった。
武道館の前に集まったお客さんは本当に若かった。そして女性が多かった。可愛い女の子達がメンバーカラーのTシャツを着ている。「気持ち悪さの象徴」とまで言われていたヲタTシャツをお洒落に着こなしている。可愛いフリルのミニスカに合わせたり、デニムのホットパンツに合わせたり、リボンを着けてアレンジしている。こんなにたくさんの人が℃-uteのために武道館に集まるなんて、にわかに信じられない。『SHOCK!』が初披露されて、絶望に彩られていたあのよみうりランドの観客にこの光景を見せてあげたい。というか、少なくとも私は見ることができている。あのとき在宅でSHOCK!を受けていた私も、今はちゃんと武道館にいる。『Kiss me 愛してる』のイントロにのせて、目の前で中島早貴ちゃんが潤んだ目を必死にかっ開きながら現れた瞬間に、ねじ子も涙腺が決壊してしまった。つまりオープニングから泣いていた。我ながら気持ち悪い。女であることをいいことに、「ニコニコ経由でファンになった新参のteam℃-uteでーす♥キスミーは神♥まっさらも神曲♥♥」って感じの新規客を気取ろう!と思っていたのに、はなからキモヲタ丸出しである。失敗した。しかも研修生が出て来るとどうしても研修生に目がいって一人一人コンディションをチェックしちゃうあたり、私も性根からハロヲタである。あー、リカコ可愛かったなー。Juice=Juiceのオープニングアクトも最高だったなー。思いがけず金子りっちゃんと浜ちゃんも見られたし、Berryz工房もゲストで来たし、武道館入口にいたベイビーレイズからティッシュもらえたし、ポッシボーのロビンちゃんから手渡しでチラシもらえたし、チケット代以上にお得なライブだったわー。
私は「『まっさらブルージーンズ』をMステ(または紅白)で歌い踊る℃ちゃんたちを見たい!」とずっと思ってきた。一人でも多くの日本国民にあのラミラミを、暴力的な腰振りを見せたい。それは見果てぬ夢のまま終わることも、わかっていた。でも今の勢いならば、ひょっとしたらひょっとして実現できるのかもしれない。そんな可能性を感じさせる素晴らしいライブだった。まだまだ上を目指してほしい。上、というものがいったいどこにあるのかはわからないけれども。(2013/9/11)