2022年ハロプロ楽曲ランキング ※今さら2022年の記事です。新型感染症流行に免じて許してほしい。
※一定期間たったら、執筆時の時系列に記事を移動させます。
2022年はハロプロから少し遠ざかった一年になった。理由は四つ。
一つ目。 私は自由恋愛でクビになるメンバーが出ると、ハロプロという組織への関心が途端に落ちる。歌が好き(声質や歌唱力が好き)なメンバーでそれをやられると、さらに萎える。私がなぜハロプロを見続けているかって、「歌が聴きたい」からだ。「上手な生歌が聴きたい」という絶大な欲求の前には、メンバーの恋愛事情などささいなことである。それなのに、後者のせいで前者がつぶれる状況を見ると応援する気が失せる。
二つ目。 新型コロナウィルス感染症流行のせいで自分自身の予定が立たない。チケットの転売がオリンピックによって規制され、東京都内で1000~2000人規模のコンサートができる箱が減り、ソーシャル・ディスタンスの確保や座席数制限のために公式のチケット数も少なくなった。すいている公演に当日ふらっと入ることもできなくなった。
そのかわり、オンラインサービスが格段によくなった。コンサートやイベントの配信も増え、時間を気にせずお茶の間で消費できるコンテンツが増えた。結果として、映画館のライブビューイングや配信でコンサートを見る機会が多くなった。
三つ目。 コロナのせいで新曲が出るペースが落ち、新しい曲があまり出なかった。これはもうしかたのないことだ。つんくさん♂の提供楽曲も少なかった。もっとくれ。毎年これを書いてる気がするけど、つんくさんの曲はなんぼあってもいいですからね。たぶんこれからも言い続ける。
四つ目。 一番好きだった金澤朋子ちゃんが引退し、二番目に好きだった高木紗友希ちゃんは理不尽に更迭され、三番目に好きだった佐藤優樹ちゃんが娘。から卒業した今、どうやってモチベーションを保てばいいのかわからない。これは非常に個人的で普遍性がなく、でもアイドルを応援するには一番要なモチベーションの問題である。
2022正月ハロコン の記事で私は「2022年は一推しを探す行程の旅路になる」 と書いた。その通りだった。私はいま「推してるメンバー」略して「推しメン」がいない。いわゆるDD、誰でも大好き である。今の私のペンライトは、卒業コンサートでは卒業メンバーの色になり、そのときステージ上でMCしてるメンバーの色になり、そのとき「いいな」と思ったメンバーの色になる。ゆるやかに地元のスポーツチームを応援しているような、おだやかで凪た心持ちだ。感情に凹凸がない。心が揺れない。「チケットが取れたら、空いた時間にふらっと試合(コンサート)を見に行こうかな。会場近くでついでにおいしい定食でも食べよう」くらいの感覚だ。
以上四つにより、2022年の私は多くの時間を「お茶の間」のオタクとしてすごした。OCHA NORMAのオタクでもあるけれど、お茶の間のオタク。こたつに入ってモニターの前でお茶を飲みながら、または布団の中でスマホ片手にニヤニヤしている、それが私だ。私はすっかりゆるやかに過ごしている。
新型コロナウィルス感染症はこれからきっと、ありふれた一般的な病気になっていくだろう。コンサートもだんだん元のかたちに戻っていく。そんな中で、医療従事者である私がコンサート現場に戻ることはできるのだろうか?マスクなしの狭い会場で、たくさんの人に囲まれた状態で全力でコールできるのだろうか?声出し可のコンサートを、心から安心して楽しむことができるのだろうか?未来のことはわからない。わからないなりに、これからも私はおだやかにハロプロ好きとして過ごしていこうと思う。
1位 Hello! 生まれた意味がきっとある / HELLO KITTY
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つんく♂さん最高。キティちゃん最高。さすが世界のアイドル・ハローキティだ。50年近くも「かわいい」で世界を背負って立ってるだけある。ハロプロの尻の青い十代の小娘たちが、キティさんにかなうはずもない。年季の入ったアイドル性をきらきらと周囲にまき散らしている。あまりにも華やか、あまりにも堂々としている。
しかもキティちゃんってば、めっちゃ歌がうまい。リズムも完璧、音程も完璧。その上でしっかりキティちゃんを演じる声。それをハロプロ歌唱でやってのけてる!ハロプロ独特の語尾上げやしゃくりが、随所に埋め込まれているぞ!なんだこれ。林原めぐみさんまじですごい!
そして、この曲はなんと言っても歌詞である。歌詞だよ。まじでつんく♂そのものの、ハロプロそのものの歌詞なんだよ。
タイトルは『Hello! 生まれた意味がきっとある』。重い。やたら重い。私の隣で聴いていた息子(中学生)はタイトルを見てすぐに「重いな」と言い、「生まれた意味が『きっと』あるって、これ、現状では生まれた意味を感じてないってことだよね……?」とつぶやいていた。うーん、そうなっちゃうよね。私もそう思う。
楽曲を聴いている間にも彼は「きっと?きっと?」「転んでも再チャレンジ?恨んでもしょうがない?いや、重いよこの歌」とつぶやいていた。私は笑顔でこう返した。
「え?なに言ってんの?めっちゃくちゃ明るくてかわいい希望に満ちたアイドルソングじゃないか。ほら見てよ!キティちゃんだよ!世界一かわいい!世界一輝いてる!フレッシュな十代女子たちを後ろに従えて、堂々とセンターで踊ってるじゃん。『かわいい』しかない世界だよ?明るく何回も『いえーい!』って叫んでるし!ほら、つんく♂さんのラーナーノーツ 見て!『キティちゃんといっしょに歌ってくれるちびっ子のみんなもお父さんもお母さんも一つになれるようなそんな曲をイメージして作りました。 』って書いてあるよ!」
「いやいやいや。『生まれたからは そう“きっと” 意味があるんだよ』って、いま生きてる意味を失ってる人からしか出てこない言葉だよね……?」
「いやだなぁ、気のせいだよ!深読みしすぎじゃない?」
「いやいやいや」
「……本当のこと言うと、この重さこそがつんく♂さんなんだと思う」という会話をした。
その後Youtubeが勝手に続けて再生した『ザ・ピース!』キティちゃんバージョンにも、彼は「いやこの曲もちょいちょい重いな」とつぶやいていた。ばれたか。
ザ☆ピ~ス! / HELLO KITTY
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つんく♂さんのライナーノーツ
※キティちゃんの中の人の声が変わってしまって悲しい。キティちゃんさんの『LOVEマシーン』『ザ・ピース!』歌ってみた動画も非公開になっていた。悲しい。これからの若い観客がこれを聴くことができないなんて大いなる文化的損失だ。
2位 プラトニック・プラネット / Juice=Juice(Ultimete Juice Version)
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2019年の代々木コンサートで初披露された名曲。なかなか音源化されず、ファンはずっとやきもきしていた。その間に多くのメンバーがグループを去っていった。この曲の輝きはもう失われてしまうのだろうかと危惧していたが、なんと!Ultimete Juice Versionという名義でほぼ初期と同じパート割でアルバムに収録されることになった。よかった。やはりこの曲は佳林ちゃんのクリスタルボイスの「ちょっぴりいい感じなんじゃないの?」がないと始まらないよ。あと落ちサビの朋子「絶対あなたじゃなきゃヤだよ」→ 紗友希「飛び出してプラトニック・プラネット」も不可欠だね!
当時のJuice=Juiceのメンバーが揃った歌割が聴けて私はすっかり恵比寿顔である。嬉しい。こういうところに、アップフロントがアイドル事務所ではなく音楽事務所であるという強い矜持を感じる。音楽という芸術の前には、しがらみなど簡単に捨てる。人間関係のもつれやプライドを軽く投げ捨てて、「いい音楽を作る」ことに真摯であり続けている。その姿勢が好きだ。佳林も紗友希も朋子も声の使用を許諾してくれてありがとう。
「プラトニック・プラネット」や「銀色のテレパシー」のアレンジは宇宙感が強い。この二曲をライブで聴いていると、コンサート会場が宇宙空間のように思えてくる。ペンライトは暗闇に浮かぶ無数の星だ。中野サンプラザや武道館にいるはずなのに、真空でまっくらな宇宙の中に放り出されたような浮遊感に引き込まれていく。おそらくこの没入感は彼女たちの歌唱力の高さによって引き出されたものであり、当時のJuice=Juiceのライブでしか感じることのできなかった魅惑的空間であった。
3位 よしよししてほしいの / モーニング娘。’21
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リリース自体は2021年末の楽曲。佐藤優樹ちゃんによく似合う歌詞とメロディとリズムの曲だ。一番の「本音を話すとみんな眉をひそめて問題児扱いするじゃん」「今夜の終わりが来たなら眠る 今夜の終わりがいつだかわからない」という歌詞がいい。まさに佐藤優樹の歌詞。二番の導入の「笑顔が私の防御ですから 返事がいいのも防御ですから 優等生なのも防御ですから みんなそれぞれに防御があるんでしょうが」もいい。まさに小田さくらの歌詞。最高だ。間奏で広がる宇宙感が強いアレンジもいい。これぞつんく♂さん、これぞ大久保薫さんだ。
今のモーニング娘。には変化が少なすぎる。退屈だ。退屈すぎて涅槃像よ~(たけちゃんが肘をついて寝転がりながら)。
2022年末、リーダーであるふくちゃんの卒業発表があった。しかしその内容から、2023年の一年間は体制に何の変化もないことが示唆されてしまった。2023年はふくちゃん卒業一色の一年になると、2022年のうちにほぼ決まってしまったのだ。これは長い。さすがに長い。ふくちゃんとさくらのことは大好きだが、あまりに変化を感じない。最近その二人も音程や歌の入りが安定しなくなってきてしまった。それも悲しい。新しい声が聴きたい。新しい歌割が見たい。せめてアンジュルムやJuice=Juiceのように、既存の歌割であってもツアーごとに容赦なく変えていってほしかった。新人にどんどん歌割をあたえていってほしかった。私がモーニング娘。に求めているのは常に変化と成長なのだ。
4位 ノクチルカ / Juice=Juice
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金澤朋子卒業後すぐ、植村あかりリーダー体勢にて発売されたサードアルバム『terzo』収録の一曲。東京女子流でおなじみの松井寛さんの作曲・編曲。まさに松井さんの得意とする、都会的でおしゃれなハロプロファンクだ。ああー大好き!最高!『terzo』収録曲の『ノクチルカ』と『G・O・A・T』が素晴らしかったから、私はJuice=Juiceのファンを続けられている。かなともとさゆきがいなくなったあとも。
この二曲を聴くために稲場まなかんの卒業コンサートのライブビューイングにも行った。とてもいい、予定通りの、秩序だった卒業コンサートだった。まなかんがソロで『もしも…』を歌ってくれたことで「カントリー・ガールズのまなかん」と当時きちんとお別れできなかったことの困惑と悲しみが、私の中で浄化されたように思う。『もしも…』の間はまなかんコールがしたくてしたくて、たまらなかったよ。全力でコールしたかった。武道館のオタクの皆さんはよく我慢したと思う。偉い。マジで偉いよ。
もう少し、もう少しのはずだから、武道館で全力でコールができるその日までなんとか生きのびていこう。ハロヲタの皆さん。もちろん私も。
さてここからは極めて個人的なお話である。ハロオタの皆さんは読まないでいいです。
******ここから******
まなかん卒業ライブビューイングを見たのは、某仮面ライダーオーズの忌まわしき続編映画(もう作品名すら口に出したくないほど嫌い)を3か月前に見た映画館であった。コンサート中のなんでもない時間に、何の前ぶれもなく突然、血の気が引いた。「あの映画」を見た後の怒りと悲しみとやるせなさが突如私を襲ったのだ。2月中旬の乾いた空気、上映直後の観客のため息、泣き声、じっと動かずただ前方を呆然と見ている隣の席の女性客、席にうずくまって動けないでいる人、文句を言いながら出口に向かうカップルの姿が、私の中に瞬時に蘇ってきた。血の気が引いた。
これはいわゆる「フラッシュバック」である。
「オーケー、わかってる。これはフラッシュバックだ。いま私がいるのは、まなかんのコンサートだ。彼女は予定通り、みんなに祝福されながら卒業する。予定外のことなど一切おこらない。スクリーン画面から卑劣なふいうちを受けることはない。誰も不幸になったりしない、不幸な出来事は一切おこらない。あれは過去だ。今の私を脅かすことはない。」私は自分にそう言いきかせ、周囲の落ち着いたハロヲタを見渡した。流れる良質な音楽にひたって深呼吸することで、私は自分を取り戻し「いま」の時間に帰ってくることができた。
それ以来私はその映画館のチケットを取るのをやめた。
******ここまで******
5位 素肌は熱帯夜 / OCHA NORMA
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2022年11月30日、私はひとり池袋サンシャインにいた。OCHA NORMA(オチャノーマとよむ)という新人女子アイドルグループを見るためである。コロナ禍により画面越しでしか見ることができなかった彼女たちを、初めて生で、とても近くで見られるチャンスだ。やった!よっしゃいくぞ池袋!まだ声出しはできないけれど、よっしゃいくぞー!
池袋サンシャインに久しぶりにハロプロが帰ってきた。嬉しい。池袋サンシャイン噴水広場は改修工事があり、しばらくイベントができなかった。そうこうしているうちに新型コロナウィルスが大流行してしまった。だからハロプロの噴水広場でのリリースイベント自体が、とても久しぶりなのだ。
ちなみにその前の月(2022年10月27日)にはこちらへ参加したよ。好きな女が池袋に来てくれるっていうんだから、そりゃ会いに行くよね!池袋を過ぎたってこの愛は永遠!小片さんも元気そうでよかった。
リリースイベントはすいていた。それはそうだろう。平日だし、まだコロナは猛威を振るっているし、東京都外のオタクが来るのは無理だろうし、イベント自体の告知もそこまで大がかりではなかった。リリースイベントを開催できただけでも御の字だ。おかげさまで私はゆっくりと快適に視界をさえぎられることなくイベントを眺めることができた。n年ぶりに生のアイドルに直接ペンライトを振ることができて、嬉しかった。以前と変わらぬファンが、同じ場所に集まっている。ハロヲタのみんなも元気に生きてる!よかった!以前と変わらぬ日常が存在していることを実感できて嬉しかった。
そのリリースイベントのセットリストの中で、一番いいな!と思った曲がこの『素顔は熱帯夜』である。ろこちゃん!かわいい!ももも!最高!『Hello!生きている意味がきっとある』も歌ってくれて生歌最高だったけど、すでに一位に書いたので割愛します。
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『お祭りデビューだぜ!』の最後のハモりも非常によかった。『お祭りデビューだぜ!』は歌詞と曲調がハロプロの「いつもの手癖」のお祭りソングであることに落胆していたが、ライブで見たら一気に好きになった。ろこちゃん低音、まどぴ高音で「デビューは祭りだっぜ~!」と叫ぶようにハモリを重ねるラストが好き。ようやくデビューできたリーダーのまどぴが力の限り歌い上げるのが好き。魂の叫びだ。その隣でろこちゃんが年齢にそぐわぬ落ち着きで低音を支えているのも好き。このパートのためだけにライブ会場に行く価値があると思う。今しか使えない歌詞に見えるが、何食わぬ顔で末長くやり続けてほしいな。
以上です。2023年に続く。(文筆2023/02/28、アップロード2024/01/26)
BEYOOOOONDS夏公演と立川ステージガーデン
BEYOOOOONDS夏のコンサートツアー「NEO BEYO」ENCORE千秋楽に行ってきた。ビヨのホールコンは完成度が高い!と聞き、ぜひ一度見てみたかったのだ。
今週末、2023年9月2日・3日はすべてのハロプログループ(モーニング娘。・アンジュルム・Juice=Juice・つばきファクトリー・BEYOOOOONDS)が立川ステージガーデンでコンサートを開催した。そのすべてで当日券が購入できる状態だった。
立川ステージガーデンに私は今日初めて来た。その座席配置は、確かに「インターネットで読んだことはぜんぶ本当だったんだね……」 と感じるものであった。座席番号を確認せずにこの会場のチケットを買うことは、私にはできそうもない。
しかしここまで来たからには、何があろうと全力で楽しむのだ。「楽しむことは人間の義務なんだよ」ってつんく♂さんも言ってるし。よし。立川ステージガーデンは、人気グループの千秋楽公演でも直前までチケットが買える ところがいいね!だから私も今日来られた!あとモノレールに乗れる!奥武蔵の美しい山々が見えるよ!このまま多摩動物園まで行っちゃおうかな!?たーのしー!!天気がいいとモノレールから富士山も見られるよ!あとあと、隣のIKEAでおいしいアイス(50円)とホットドッグ(100円)が食べられる!有料トッピング(+50円)でピクルスとフライドオニオンをたっぷりかけると、さらにおいしい!暑くても寒くても雨が降っていても、IKEAという快適な環境で退屈せずに時間をつぶせるのもいいね!
立川ステージガーデンの好きなところ:
・人気グループの千秋楽でも直前までチケットが買える
・当日券が出やすい
・新しくてトイレや設備がとてもきれい。トイレが一方通行なのもよし
・ロビーが広々としてソファーが多い
・ロビーに自動販売機が多い。自動販売機のドリンクの値段も高くない。
・会場内のピクトグラムがかわいい。エレベーターの乗客もトイレの男も女も車椅子の方もみんな拳を突き上げて盛り上がってる。かわいい。
おむつ替えスペースのピクトグラム。 赤ちゃんも拳を上げて盛り上がってる。
・周辺の飲食店が豊富
・周辺で買い物や休憩やひまつぶしができる店舗が豊富。コトブキヤは店内に入るだけで楽しい。
・周辺に緑も多く、天気がよければピクニックできる
・休憩時間にIKEAで買い物ができる
・休憩時間にIKEAでごはんが食べられる
・休憩時間にIKEAの50円アイスが食べられる。おいしい
・休憩時間にIKEAの100円ホットドッグが食べられる。おいしい。私のおすすめはプラス50円して有料トッピングのピクルスとフライドオニオンをたっぷりかけること。
・IKEAで買い物する口実ができる
・モノレールに乗れる。楽しい(東京の西側の一部の住民限定)
・夜になると周辺の建物のライトアップが美しい
・スピッツの名曲『夜を駆ける』は再開発された立川駅北口で夜に遊ぶ子どもをモデルに描かれた歌なので、夜公演が終わった後に立川駅へ歩いて帰ると『夜を駆ける』の世界を疑似体験できる
立川ステージガーデンのあまり好きじゃないところ:
・一部の座席からの視界が悪い。上記の利点すべてを上回るほどに悪い。
・上記の座席ガチャを乗り越えたうえで、さらに前の人の身長/座高ガチャがある。前の人の頭が視界にかぶる席が、あまりに多いのだ。
・客が私一人ならばどの席からも十全に見えるのかもしれないが、そんな公演は存在しない。
・サイド席の場合は、隣の人の体格ガチャになる。舞台に近い側の隣の人の恰幅がよいと、視界に被ってきて手前側の舞台が見えない。ペンライトを振られるとそれが視界に入る。ハロプロでペンライトを振るな!と言うのは野暮なので、絶対に言いたくない。
・サイド席が舞台に90度の椅子、しかも固いのでステージを見ていると首や腰が痛くなる
・椅子の背中があたるクッション部分に座席番号が書かれているため、人が着席している状態で座席番号が見えない。遅く入るとどこが自分の席かわからん。
・立川駅から遠い。15分くらい歩く。雨や酷暑など、天候が荒れているときにはきつい距離だ。帰り道はとくにこの距離が長く感じる。IKEAでいろいろ買い物していると、なおつらい。(コンサート帰りなのにそんなに買うなよ……と自分でも思うが、たまにしかIKEAに行けないのでついいろいろストックを買ってしまうのだ)
・モノレールの駅ですら駅前ではない
・そもそも立川駅自体が都心から遠い。東京都民であっても遠い。東京駅も羽田空港も遠いため、遠征組にとっては相当きつい場所だと思う。日帰りができなそう。
……さて、ここからはコンサートの内容を書く。
声出し可能なホールコンサートに生で入るのは、実に4年ぶりであった。もう、ウリャオイが生で聴けるだけで嬉しい。重低音のウリャオイが好き。大好き。コロナ禍で発売した新しい曲にもコールが入っているのが嬉しい。コロナ前の定番コールがちゃんと復活しているのも嬉しい。桃々姫の元気な姿が見られたのも嬉しい。心配してたのよ!『求めよ…運命の旅人算』→『Hey!ビヨンダ』→『英雄~笑ってショパン先輩~』という新曲の流れとコールと生歌にすっかり満足して、最初の三曲だけで私は満足していた。桃々姫のトークボックスとDJみいみによる三曲の「つなぎ」のジャンクション、間奏の即興ダンスも最高だった。BEYOOOOONDSの近未来的なイメージと卓越した技術がバッチリはまっている。まんぷくだー。
写真は子どもの保育園のお道具箱から借りてきたカスタネット。ビヨのコンサートには必須らしいので、持ってきてみた。BEYOOOOONDS公式のカスタネットもある模様。
中盤でカスタネットを使ったリズムゲームが突然始まったことにも驚いた。一曲目『アツイ!』は客が自由にリズムを取っていい方式(メンバーのカスタネットに合わせるルールはあるのかな?)で、「パラッパラッパー」形式のリズムゲームであった。一転して二曲目『涙のカスタネット』は打つ場所がバッチリ指示されている「太鼓の達人」形式の目押し音ハメリズムゲーである。モニターの右から左へカスタネットのイラストが流れていき、判定枠に重なった瞬間に叩くやつだ。「太鼓の達人」じゃねえか!しかもかなり長い連打があるぞ!楽しい!なるほどこれはマイ・カスタネットあった方がいいね。もっとやりたい!
随所に入る小演劇、生ピアノ、トークボックス、ヒューマンビートボックス、みいみDJなど、他のハロではみられない要素が次々とお出しされてくる構成はめまぐるしくも充実していて、とても楽しかった。歌も上手く、ダンスも上手く、小ネタがよく作り込まれている。個々のスキルも高い。メンバーのコンビネーションもよく、ダンスも完璧に揃っている。非常によく練習されていてコンサート全体の完成度が高い。 大満足だ!!!!
「これは完成形だ!」という思いとともに、完成しているがゆえに、ここから新しい要素をどんどん入れ続けていくのは大変だろうな……という気持ちも生まれた。私はBEYOOOOONDSの単独ホールコンサート初見なので非常に満足度が高かったが、繰り返し見ている人たちは、きっとどこかで飽きてしまう。同じメニューが続くと、たとえそれが高級食材で完璧に作り上げられた料理だとしても飽きる。または「一度でいい」と思ってしまう。お客さんが「新しい要素が欲しい」と思う時期が、そろそろ来る。
新しいアイディアを練り続けるのはとても骨が折れる作業だろう。でも、スタッフの皆さんには頑張って欲しい。ドルヲタってのは常に新しい刺激を求める罪深い生き物だから。
BEYOOOOONDSはあて書きの曲が多いため、「このメンバーじゃなくちゃ絶対ダメ!」というイメージが非常に強いグループだ。でも実は、ごく少数のメンバー卒業・加入(というか入れ替わり)によってBEYOOOOONDSはさらに魅力的になり得るんじゃねーかな?という印象を私は受けた。メンバー自身および、彼女らを支えるガチオタの皆さんはどうお考えなんだろうか?
三階サイド席で首を90度にひねりながら、私はそんなことをつらつらと考えていた。ああ、首と腰が痛い。正面が向きたい。なるほど、これが噂に聞く立川サイド席か。武道館のようにセンターステージや花道を作ってくれるならば、この椅子の向きも耐えられる。真ん中にリングを置いてバスケットボールをしてくれたら最高だ。でも、そうじゃない。ステージは私の90度左方にある。ステージの方を向いてない椅子を作りながら、少しは違和感を感じなかったのだろうか?人が座っていると座席番号が見えず迷子になることといい、前や横の観客が視界にかぶることといい、全席にお客さんがいる状態を本当に想定したのか?と疑いたくもなる。リリース前にテストプレイをせずデバック不足でバグだらけのゲームをやっている気分だ。客から金を取ってテストプレイさせるのはやめてほしい。
どうやらメンバーたちは会場の評判を知っているようで、観客をていねいに気遣ってくれていた。MCで高瀬くるみちゃんは「ちょっと不思議な形だから、見えにくかったりするかな?私たちからは皆さんのこと、全員、見えてますからね!」と言っていた。ありがたい。とてもありがたいが、そういう問題ではない。私はライブを見に来たのだ。「自分の顔」をメンバーに見てもらうために来たのではない。その二つはまったく等価交換ではない。 むしろ、オタクの出席確認なんてどうでもいいんだ。そんなもんは二の次なんだよ。ライブが見えなかったら、なんのお話にも!ならないんだよ……。ごめんね、くるみん。
少なくとも
・一階席をフラットにせず段差を出す
・視界が見切れる席は売らない、または注釈をつけて売る(なんなら少し安めの値段にする)
・一階後ろやサイド席に客席降臨する
・花道を作るか、出島を作るか、センターステージにする
これらを徹底することによって、少なくともハロプロの客の不満は「そこそこ」減らせると思う。今後も立川ステージガーデンを使うつもりならば、ぜひ一考してほしい。
正直に言うと、今回のハロプロ夏ツアー大千秋楽祭のすべての公演において「一階がフラット」であったことに、私はとてもがっかりした。「客席からの視界が悪い」と主催者側が把握しているのに、それを解消するための努力をしていない 。あまつさえメンバーに言い訳をさせている。これはよくない。次に立川ステージガーデンの公演チケットを予約するとき、大きな心理的足かせになる。 残念ながらオタクからの信頼度は大きく下がってしまった。見えにくいことがわかっているのなら、主催者は観客を楽しませるための工夫をできる限りすべてやってほしい。メンバーに言い訳させるのは、その次だと思う。よろしくお願いします。
(2023/09/04 文筆、2024/1/20アップロード)
いよいよパンデミックがあける ※2023年3月に書いた記事です。
※一定期間たったら、執筆時の時系列に記事を移動させます。
都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて
君を深く深く深く深く深く深く深く深く深く愛しているのよ
都営大江戸線の六本木駅は深い。たくさんの地下鉄がすでに掘られた後に作った路線だから、奥深くにならざるをえなかったのだろう。
地の果てまで続きそうなエスカレータをひたすら降りて、そのあとひたすら登る。六本木駅は金色だ。黒の縁取りとまっキンキンの壁。都営大江戸線は駅によってデザインテーマがあり、壁の装飾が違う。当時の都知事である石原慎太郎氏の趣味なのだろうか?ねじ子の好きな大江戸線の過剰装飾は飯田橋駅の営団地下鉄への乗り換え階段の天井に巻き付いている緑色のパイプです。地下に無限に広がっていく竹の地下茎を思わせる造形。不気味で好き。
さて、六本木という縁遠い土地まで来た理由はこれである。
23年前のASAYAN放送時からずっと好きだった太陽とシスコムーンを、初めて生で見ることができた。感無量だ。コロナ禍の私の唯一の娯楽は、ハロプロの過去動画をくりかえし見ることだった。太陽とシスコムーンの楽曲は暗闇の中でつねに輝く光だった。小さいライブハウスで行われたであろう太シス10周年ライブを、私はくりかえし見ていた。次に太シスのライブがあるならば、必ず見に行こう。コロナが終わって次の機会がもしあるなら、万難を排して駆けつけよう。ずっとそう思っていた。だから信田さんの50歳のお誕生日記念ライブが行われると聞き、必死でチケットを取った。
期せずして、これは新型コロナパンデミック収束後私にとって初めての「声出し」可能現場になった。ハロプロのライブはまだ観客が声を出すことを解禁してない。
公式Twitterの告知を見たときから私は緊張していた。どんな現場になるんだろう?本当に声を出していいのか?いや、観客はマスクしているし、大丈夫だってことはわかってるよ。私自身は絶対にマスクを外さないつもりだし、この日のために防御率が高いけど見た目がいかつくないマスク(KN95)も用意した。周囲の医者には「N95つけて行ったら?」と勧められたんだけど、六本木のライブハウスにN95で参戦する勇気はない。さすがに浮く。そんな状況で私は本当に音楽を楽しめるのか?いろいろ考えて躊躇しちゃわない?そもそも私は声を、コールを出せるのか?
ワンドリンク制、食事一品オーダー義務。六本木クラップスさんは食事もドリンクもおいしくてリーズナブル、音響もよかった。さすが親愛なる歴戦のハロヲタの皆様は全員しっかりルールを守っており、一切不安を感じることなくライブを楽しむことができた。
私自身はこの三年の間にコール&レスポンスがすっかり体から抜けていて、『月と太陽』も『赤い日記帳』も『生まれたてのBabyLove』にも咄嗟に反応できなかった。それは周りのハロヲタも同じだったようだ。どう見ても歴戦の戦士たちばかりなのに、なかなか声が出ない。『Be My Love』でコミさんが丁寧に指示してくれたおかげでみんなようやく喉から声が出るようになって、アンコールの「Taiyo&Ciscomoon Let’s Start!」でやっといつものリズムに体が戻った感じ。ハロプロでコールが解禁になったら、昔の動画を見てコールを復習しなくちゃね。
女性アイドルの50歳のお誕生をファンのみんなでお祝いできるって、本当に素晴らしい。ぜひ還暦もお祝いさせてほしい。「還暦祝いのドレスコードは赤!」らしいので、私も赤い服を準備して待っています。以下、箇条書きの感想。
・全員歌唱力が高くハモリがきれい
・しのぴーもあっちゃんもいまだにめっちゃ踊れる
・熟練の大人三人のMCがまぁ面白い、とくにコミさんの進行が上手い
・あっちゃんが通るたびにいい匂いがする
・楽曲が素晴らしい、今さら私が言うまでもない
・本物のしのぴーがいる『赤い日記帳』が22年越しに聴けたよ!
・メロン記念日の村田めぐみさんがケーキを持って登場。みんなでハッピーバースデーを歌う
・村田さんの手を取り、熱く抱擁しながらプルシアンブルーの肖像のサビ「離さない」を熱唱するしのぴー。とまどう村田さん。場内爆笑
・生田えりぽんと石田あゆみんがVTRで出演。信田さんから「この二人は体が強い、ちょっと動けてもその後体が痛くなる子もいるけどこの二人は体が強い」とお褒めのコメント
・撮影可能タイムがある!やったーーー!自慢の一枚貼っちゃうよ!
・物販にメンバーがいて頭が真っ白になっちゃった。アイドル物販での接触とか、いつぶりだろうか。そんなことあると思ってなかったから、話すことぜんぜん用意してなくて頭が真っ白になっちゃったよ。ふわぁ~。まともな言葉を発せずアワアワした。私の口からとっさに出てきた言葉は「Endless Loveが大好きなんです!次のライブでぜひ歌ってください!」であった。もっとしっかり「ASAYANの『再起にかける芸能人』オーディションのときから見てました!」とか「体操女子日本代表のオリンピック中継見てました!」とか言えばよかった。反省。そして、こんな脳内反省会ができるのも幾年ぶりだろうか。感慨深いよ。
そしてその翌々日、私はJuice=Juice武道館振替公演へ行った。おとといは40代50代女性のファンクミュージック、今日は10代20代女性のファンクミュージックだ。こちらはまだ声出しが解禁されていないので、静かに座って観戦する。
この公演は、第8波でメンバーの大半がCOVID-19に感染し延期になってしまった2022年11月29日武道館の振替公演だった。ニュースを見て私は「あれだけ感染対策していたハロプロでさえも、大箱の公演が前日中止になってしまうのか…」という絶望感にさいなまれた。メンバー全員が揃った状態でいっぱいの客席で振替公演ができて、本当によかった。メンバーもファンもきちんと待ててよかった。当日、会場に行くまで本当にヒヤヒヤするよ。誰かメンバーが欠けるんじゃないとか、私自身も熱が出ちゃうんじゃないとか、家族が熱を出して行けなくなるんじゃないか、とか。いろいろ考えちゃう。
私は朋子のおたくなので『イジ抱き』のイントロが流れた瞬間に思わず息をのんだ。そこからの「私はローズクォーツ」三連発は里愛ちゃんで、これが本当に素晴らしかった。ソロフェス!で里愛ちゃんを心配になった朋子が、わざわざ近くまで来てモニター越しに鋭い目を送っていた、あの美しい横顔を思い出す。あれから3年近くがたち朋子は引退し、堂々と里愛ちゃんが「私はローズクォーツ」と歌っている。私の知らないところで素晴らしい引き継ぎが粛々と行われているんだなぁ。Juice=Juiceはこうやって続いていくグループになった。それを実感して私は泣いていた。うぅ。セトリの前半(6曲目)だし、そんなポイントで泣いているのは私だけであった。マスクの換えを持ってくるんだった。(2023/3/2執筆、2024/09/19up)
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