『平成医療手技図譜 心療内科編』
平成医療手技図譜 心療内科編 A5/148P/1000円
2017/12/31 コミックマーケット 東5 パ29-b「ねじ子アマ」
2016年5月に出した『平成医療手技図譜 精神編』の続編です。基本的には、前回の本を読んでから読んでください。もちろん、この本単独でも読めます。
病気というものはすべからく「重い病気から」考えます。心の病においても、それは例外ではありません。精神科の病気を重い順にあげると、統合失調症 → 躁うつ病(双極性障害) → うつ病(気分障害) →その他、という順番になります。前冊『平成医療手技図譜 精神編』では、重症度の高い3つの病気(統合失調症・躁うつ病・うつ病)を取り上げました。今回は、その続き。つまりこの三つ「以外の」心の病気がテーマです。以前は「神経症」と言われていたジャンルですね。「死ぬか死なないか」という基準で重症・軽症を考えるならば、本書の疾患は「軽症」が主体になります。
しかし、本人または周囲が「どれだけ困るか」という指標では、むしろ前作より本作の疾患の方が厄介かもしれません。心の病気はそれがどんなものであれ、本人またはご家族にとって、非常につらく苦しい病となります。とくに精神科では、本人や周囲が「どれだけ困っているか」も、病気への対応を考えるうえで重要な要素になるのです。
そんなお話を、疾患ごとに書きました。強迫性障害、パニック障害、摂食障害、発達障害(自閉症スペクトラムやADHD)、アルコール依存症あたりのお話が中心です。
ページ数が思った以上にかさんでしまって、148Pになりました。でもお値段据え置き1000円です。通して読むのが難しかったら、興味ある病気だけでも、休み休み、かいつまんで読んでほしいな。「あー、こんな人、いるいる」「いや、ひょっとして私のことかも?」という気持ちになること、うけあいです。私も書いていて何度も何度もそう感じました。(2017/12/26)