6月下旬某日 中野ブロードウェイに行く
今の私には休日に行く場所がない。ハロプロの現場も同人誌即売会もヒーローショーもなくなってしまった。
2020年6月下旬某日、中野ブロードウェイに行った。3ケ月ぶりくらいだろうか。外国人観光客のいない中野ブロードウェイは閑散としていた。様々なおもちゃが細かく並んで陳列され、購入されていくのをひたすら待っている。私はソーシャルディスタンスを保ちながらいつもと同じ順番でいつもの店を渡り、狭い店内をくねくねと棚に体が当たらないように練り歩き、きらきらとしたショーウィンドウやレンタルボックスを眺めながら、思った。
私には今、欲しいものがない。何もない。
私がいま欲しいものってなんだろう。
私が欲しいものって、いったい何だったんだろう。
私がいま欲しいもの。
安全と健康。
平和。
気兼ねなく使い捨てることができる十分な量の個人防護具。
簡便に受診できる地域ごとの発熱外来。
CDC。国単位のものが無理なら、「東京CDC」と呼べる組織。
どれも中野ブロードウェイには売ってない。売っていないのだ。
結局私は子ども達が欲しがっていた「どうぶつの森」の住人amiboカードのみを購入し、ぼう然としながら帰路についた。
自身の属性が他者に感謝されている文言をこの眼で初めて見た。
(2020/06/23)